HLCでは毎年3月にセミナーを開催しています。
2018年度HLCセミナーの概要は、以下の通りです。
【概要】
【プログラム】
3月9日(土)
10:30 受付開始
11:00-12:30 各講師によるそれぞれのテーマに関するミニレクチャー
12:30-13:30 昼食
13:30-15:00 ワークショップ1
15:10-16:40 ワークショップ2
16:50-18:20 ワークショップ3
18:30- 夕食
研究交流会(参加者同士が研究について自由に紹介、議論する時間です)
懇親会
3月10日(日)
10:00-11:30 ワークショップ4
11:30-12:45 昼食
12:45-14:15 全体会(ワークショップ報告会)
14:30 閉会
*3月8日(金)はHLCセミナーのプレイベントとして、施設に隣接しております「伊豆シャボテン公園」でことばや行動学に関するフィールドワークを行い、その後、情報交換会を行う予定です。
参加費無料、自由参加です。情報交換会ならびに夕食後は懇親会を計画しております。8日は13時頃に現地に集合予定です。
【ワークショップ】
各講師によるミニレクチャーやワークショップを予定しております。
〈ワークショップA〉
題目:「メタファーを散りばめた文章を創る!―認知言語学のメタファー理論とフレーム意味論を活用したメタファー創作講座―」
講師:鍋島 弘治朗(関西大学)
概要:
本ワークショップでは、最終的にそれぞれの参加者が好きなメタファーを使った詩、歌詞、散文、小説などを作成してもらいます。メタファーの生成は、言語学の理論分野でもAIの分野でも研究が少なく、今回は非常に新しい試みといえます。最初に、ミスチルの歌詞における<人生は天候>、ハーバードの卒業式の答辞における<大学生活は野球> など、4つの文章を分析し、そこから、関連して一貫してメタファーに使用される用語を拾い上げます。これらの用語からフレーム、アナロジーといった体系の記述方法を利用して構造(フレーム)を見出します。次に、過去のメタファーのリスト、フレームのリストを参照して、自分の興味ある現象に関して簡単なメタファー文を作成していただきます。その際には、あるフレームから、そのフレームに関連する用語を多数リストアップするテクニックを活用してください。最後に、好きなフォーマット(詩、歌詞、散文、小説)で一貫したメタファーを使用した文章を作成します。このワークショップは、メタファーに興味のある大学院生や大学生の方、認知言語学やフレームに興味のある研究者、一般の方に最適です。また、創作者や、中学や高校でメタファーを使用した作文指導を考えている国語教員の方にも最適と思います。
参考文献:『日本語のメタファー』(くろしお出版)、『メタファーと身体性』(ひつじ書房)
〈ワークショップB〉
題目:「ドラマ、アニメーションのマイクロ分析入門」
講師:細馬 宏通(滋賀県立大学)
概要:
フィールドワークでの撮影映像、映画、TVドラマ、アニメーションなど、わたしたちは日々、映像と音声を介して人のさまざまな活動を知り、そこから物語を読み込もうとします。けれど、その映像体験について直観的に語ろうとすると、つい「おもしろい」「気持ちが伝わってくる」「笑える」「泣ける」といったことばが先だってしまいます。そもそもわたしたちは、映像と音声の組み合わせに過ぎないメディアから、どのように情動を動かされ、感想をもらすのでしょうか。そうした感想は、はたして作品の持っている可能性を十分に表しているでしょうか。このワークショップでは、TVドラマ、アニメーションから秒単位の短い場面を選び、それをマイクロ分析する演習を行います。まず、対象を写し取るカメラワーク、映像や音声にほどこされるさまざまな演出方法を知り、それを記述する方法を解説します。次に、動画ソフトやELANなどのアノテーション・ソフトウェアを用いて、そこで起こる小さな動作や音声のやりとりを文字化していく過程について解説し、実際に記述を行ってもらいます。最後に、文字化されたデータをもとにその連鎖を解釈する方法について考えます。映像と音声を緻密に読み取る経験を通して、ドラマやアニメーションの見方が変わっていくことを実感しましょう。
〈ワークショップC〉
題目:「マンガ学の視点論を言語学に応用できるか―特殊なルビを実例として―」
講師:出原 健一(滋賀大学)
概要:
言語には人間のものの捉え方・見え方が反映しているという認知言語学の考え方が正しければ、捉え方・見え方がそのまま絵として描かれるマンガは、言語を考える上でヒントを与えてくれるかもしれません。そこで本ワークショップではマンガ学の視点概念、特に複数の視点が重なりあうような視点を紹介した後、マンガやライトノベルで頻出する、本来の読みとは全く異なる特殊なルビの使用について参加者に分析してもらい、それがどのような効果を持っているかについて全体で議論します。それに際し、特殊なルビが用いられているマンガ・ライトノベルを、もしお持ちであれば、1,2冊持参していただけるとありがたいです(こちらでも用意します)。
【参加費】
本年度の参加費は、以下の通りとなります。
会員一般 10,000円
非会員一般 11,000円
会員学生 2,000円
非会員学生 3,000円
※ 参加費には資料代が含まれますが、別途、宿泊代(1泊2食付き)10,000円がかかります。
※ クラブでの宿泊は、相部屋になります。クラブ以外での宿泊を希望される方は、伊豆高原駅周辺でホテルを各自予約してください。
※ 参加費と宿泊費は、現地でお支払いいただきます。
【参加申し込み】
申し込みフォームに必要事項を記入の上、送信してください。
(申し込みフォームはこちら)
【お問い合わせ】
ご不明な点などございましたら、HLC事務局までご連絡ください。
hlc-info(at)googlegroups.com
※(at)を@に置き換えてください。
【参考】