花見川地峡の自然史と船越の記憶 3
花見川-印旛沼筋の戸地名リストを作成しました。
千葉市花見川区、八千代市、印西市、佐倉市、酒々井町、成田市、栄町を対象に、角川日本地名大辞典12千葉県の小字一覧よりピックアップしました。
大字では11、小字では202の戸地名を確認できました。
花見川-印旛沼筋の戸地名リスト
角川日本地名大辞典12千葉県の小字一覧よりピックアップ
戸地名リストを作成した範囲と大字レベルの戸地名
今後さらに検討を深めることは必要ですが、ピックアップした戸地名の9割以上は海、舟、みなとに関わるものであるという感触を持つことができました。
小字レベルでは、木戸、舟戸、出戸、井戸など多出する戸地名があり、これらの意味は一般名詞的に理解できるのではないかと考えています。
これらの多出する戸地名は土地の特性を知る上で有用なキーワードであるような気がしますので、今後ある程度丁寧に調べて情報が集まってから記事にします。
今後、小字レベルを含めた戸地名を分布図で表現することによって、花見川筋と印旛沼筋の土地がもともと海であり、舟を効率的効果的に利用するためにみなとが重要な社会インフラであったことが直感的に理解できるようにします。
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戸地名とは別ですが、花見川-印旛沼筋の小字をみると、強く興味をそそられる地名がいろいろと出てきます。
たとえば、ビョウ、ビヨという地名です。多出します。一般的には峠を意味している北総地域特有の地名で、柳田國男は「標」(標識の標)から生まれたという説を展開しています。峠と言われたので、山岳の峠をイメージしていましたが、ビョウは下総台地の峠でであることに、今度の作業で気がつきました。私の興味から言えば船越の対象となるような地形です。万々が一ビョウが戸地名や船越とどこかで関係するのではないだろうかと、空想的ロマンを掻き立てられます。
轟(トドロキ)、ドオメキといった滝の音から生まれた地名も集中して出てくる場所があります。地下水が豊富で、滝のように湧水があった場所だと思います。もう湧水は期待できませんが、いつか現場に行ってみたくなりました。
柏葉(カシバ)という地名がありました。柏井の意味検討に使いたいと思います。
天辺(アマベ)という地名がありました。天戸の意味検討に使いたいと思います。
横○という地名は幾つかありましたが、横戸そのものはありませんでした。
つづく
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