2011年 日本心理学会第75回大会 自主ワークショップ「難聴者の心理学的問題を考える」

投稿日: 2014/10/29 8:31:35

企画者:山口利勝(山口福祉文化大学)

司会者:勝谷紀子(日本大学)

話題提供者:藤坂洋一(リオン(株))

話題提供者:名畑康之(日本学術振興会:北海道大学))

話題提供者:勝谷紀子(日本大学)

話題提供者:今尾真弓(名古屋大学)

指定討論者:滝沢広忠(札幌学院大学)

指定討論者:山口利勝(山口福祉文化大学)

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日本の聴覚障害の規準は厳しく、公的には約30 万人の聴覚障害者が存在するとされる。

このうち、概して人生早期に重度の聴覚障害を負った人達は、手話を第一言語とする「ろう(あ)者」として注目されており、

社会の認知も高い。一方、補聴器等を活用して音声コミュニケーションを行っている(日本語を第一言語とする)人達は

「難聴者」と呼ばれるが、障害者とみなされないことも多く、社会の認知も低い。なお、欧米では軽・中度の難聴者も

社会参加の困難があると認識されており、欧米の基準を用いると、日本には約600万人の聴覚障害者が

存在していることになる。日本では、この軽・中度の難聴者(約570万人)が、聴覚障害者から排除されているという問題もある。

このワークショップでは、聞こえや聞き取りに困難があるにもかかわらず、難聴に対する理解や配慮が十分ではない

という現実から生じる心理学的問題を、難聴の心理学研究者の視点から考えてみたい。そして、難聴

者に対する心理学的研究の方向を探りたい。