アートビーチくじはま

2017年夏、2018年夏、2019年夏に、茨城県日立市の久慈浜海水浴場に設けられたアートステージに、2作品を展示。

【作品1】「アンモナイトの未来」(矢内浩文

古生物アンモナイトは、巻き貝のような殻から受けるイメージとは裏腹に、タコやイカと同じ頭足類に分類される。この作品は、観察者との距離を時の隔たりに対応づけ、“遠い”過去を見ると古生物アンモナイトが浮かび上がり、“近く”で見ると“いま”生きているタコが見える。アンモナイトが生きた時代の未来が“いま”である。過去と、その未来である現在を、ハイブリッド・イメージで表現した。

>> 作品1を撮影したビデオ(Instagram)

【作品2】「化石の谷のアノマロカリス」(矢内浩文 × 松本美枝子

日立市には日本最古の地層がある。5億年前の、カンブリア紀のものだ。登山道からさほど遠くないところに、研究者たちが「化石の谷」と呼ぶ場所がある。そこでウミユリや海綿の化石が見つかりはじめている。

「奇妙なエビ」という意味の古生物「アノマロカリス」は、カンブリア紀にだけ生きていた節足動物だ。その化石は北米、中国、オーストラリア、グリーンランドなどでは見つかっているが、日本ではまだ見つかっていない。カンブリア紀の地層が日立周辺にしかないのだから、もし日本で見つかるとすれば、この地域からという夢が膨らむ。

いつか化石の谷の地層の中で発見されるかもしれないアノマロカリスを、ハイブリッド・イメージで表現した。

>> 作品2を撮影したビデオ(Instagram)

[注1]この「アートビーチくじはま」は、茨城県北芸術祭フォローアップ事業実行委員会(日立市役所内)の主催で、茨城大学工学部 一ノ瀬彩 助教が企画、設計を主導したものです。

[注2]また、「アートビーチくじはま——浜辺におけるアートスペースのデザイン——」は、いばらきデザインセレクション2017で知事選定(最高賞)を受けました。詳しくは、いばらきデザインセレクションWebサイトへ。