第2次原告団声明 「人間らしく生きられる世の中を」

投稿日: 2014/03/08 10:09:17

福島原発かながわ訴訟 第2次原告団声明

「人間らしく生きられる世の中を」

東京電力福島第一原発の核災害によって、神奈川県で避難生活を余儀なくされている私たち6世帯21名は、本日、国と東京電力株式会社を被告として横浜地方裁判所に損害賠償を求める訴訟を起こしました。9月11日の17家族44名に続く第2陣です。

請求の内容は、第1陣と同じ①避難に伴う慰謝料②生活を破壊され、ふるさとを奪われたことに対する慰謝料③不動産損害等の個別の損害賠償、の3項目です。

福島より避難生活二年九ヵ月 われも夫も疲れ果てたり

先日、新聞で見かけた歌です。「思わず口をついて出てしまったような、重い重い一首。当人でなければ、仮住まいの心痛は分からないのだと思う。深いため息を思わせる」との選者の評がついていました。

ああ、北風がつよくなったなぁ。阿武隈山脈の向こうには重い雲。会津や新潟は雪だな。そろそろ沢庵の大根は乾いたかな。隣のばあちゃんの干し柿は、ぽやぽやになったころか・・・。気がつくと、窓の外はビルの波。そんな日々が重なって、今日で1008日です。これが、全国47都道府県に散らばっている原発被害者5万余人の、大方の姿なのです。

私たちが疲れるのは、それだけではありません。東京電力、国の仕打ちです。混乱状態の最中に156ページもの「補償金ご請求のご案内」なるものを送りつけ、領収書1枚1枚の説明を迫り、あげくの果て「合理性・必然性はない」と切り捨てる東電。原因も、被害の全容も、放射能汚染の実態も不明のまま、突然「事故収束宣言」をする国。20ミリ~50ミリシーベルトで避難区域を分断。果てしない高濃度汚染水漏れ。「事故はコントロールされている」「健康に対する問題は過去も、現在も、将来もない」とうそぶく安倍首相。58人もの子どもの甲状腺がん。「子ども・被災者支援法」は骨抜きにされ、「1ミリシーベルトは将来目標。個人線量で管理」という原子力規制委員会。住民の健康を無視して繰り広げられる「復興キャンペーン」。賠償打ち切りを準備する原子力損害賠償紛争審査会・・・。数え上げればきりがありません。

私たちは、一体、何をしたというのか・・・。朝に夕に、こんな疑問を繰り返しながら、世の中の動きに翻弄されている辛さ。第三者に分かってもらうことは難しいかもしれません。しかし、分かってほしい。分かってもらわなければなりません。そうでなければ、私たちの味わっている悲劇は繰り返される。当たり前なことが通る世の中を取り戻したい。子どもや孫たちに、人間らしく生きられる世の中を残したい・・・そう思って、私たちは疲れた体に鞭打って立ち上がりました。

全国12都道府県で進んでいる集団訴訟の原告の皆さんと手を携えて、この願いを実現させていきたいと思います。

2013年12月12日 福島原発かながわ訴訟第2次原告一同