研究室配属について

九州大学理学部地球惑星科学科では3年生後期に仮配属という形で特別研究の準備を始めます。

地球深部物理学分野に所属して私を指導教員として特別研究を行いたいと考えている学生は以下の点を参考にして下さい。

(I) 研究は競争

現代社会において、あらゆる自然科学分野の研究は日進月歩が著しく、地球惑星科学分野も例外なく激しい競争の真っ只中にあります。めまぐるしく変化する状況の下で研究を進めて、競争を勝ち抜いて行くには、新しい事柄を柔軟に受け入れ、それを基に新しいアイデアを創造できる豊かな発想が求められます。そのような環境で積極的に研究を行いたいと考える意欲的な学生を歓迎します。

(II)基本はやっぱり大事

研究を行う上でまず必要とされるのは基礎となる物理や数学の理解だと私は考えます。その上で数式に基づく物理的な思考を抵抗無く行えるようになることが大切です。これは才能ではなく訓練することによって養われるべき素養です。こうした訓練を研究室のセミナーで徹底して行います。

(III)地球・月・惑星磁場研究の進め方について

衛星による探査のような大規模プロジェクト以外は基本的に研究は個人ベースなものになります。これは自分のペースで研究を行えるということと同時に、結果に対して一定の責任を負うということも意味します。もちろん私がサポートをしながら研究を進めていきます。私から用意できる研究テーマを大別すると(1)ダイナモ理論に基づく地球磁場の生成・変動に関する研究、(2)観測に基づく月の磁場、進化に関する研究、(3)惑星の磁場に関する研究、等です。理論と観測双方からのアプローチが可能ですが、いずれもこれまで積み重ねてきた数学・物理学が大いに活躍します。こうしたテーマに関心があり、詳しい話を聴きたい人は私の研究室を訪れて下さい。その際は事前にメールでアポを取ってから訪問して下さい。

(IV)数値計算について

観測データの解析やダイナモ計算には数値計算プログラムの知識が必須です。科学技術計算のスタンダードはFortranですが、ある程度の規模の計算であればC言語等でも十分可能です。これらは研究室配属後に必要に応じて学ぶことになりますが、計算機の扱いやプログラミングには得手不得手もあります。コンピュータを主要研究ツールとして使うことに抵抗や支障が無いか等、自分自身の特性をよく踏まえておくことが大切です。