Aさん: データ解析に必要なので、今日からFortran(フォートラン)を使ったプログラミングの勉強をします。
Bさん: なぜそんな面倒なことを...。Excelでいいじゃん。いままでExcelでなんでもできたよ。
Aさん: もっともなご指摘です。実は、FortranでできるたいていのことはExcelでもできます。ただし、猛烈に手間がかかることが多いです。
研究用のデータ解析では、データの数が10万個とか100万個とか、ぜんぜん珍しくありません。それをいちいち、Excelでマウスをくりくりしていたのでは、日が暮れてしまいます。いや、何日日が暮れても終わりません。
プログラムを作るご利益は、人間が「マウスくりくり」でやっている作業をすべて自動化できる点にあります。プログラムを作るのはちょっと面倒なことも無いことは無いですが、いったん作ってしまえば、後は計算機が勝手にやってくれます。
夕方プログラムを仕込んで、うちに帰って一晩寝れば、次の日には、マウスくりくりでは何十日もしくは何百日かかる作業も計算機が終わらせておいてくれるわけです。
大気・海洋のデータセットを扱う上で,エクセルなど,一般に用いられている商用のソフトウェアでは不十分であることが往々にしてあります.
主な理由をあげると,
そのため,自分でデータの読み書き、データ処理を行うための簡単なプログラムを作る必要が生じることがあります。プログラムとは何かについては、すぐ後で説明します。
プログラムとは,コンピュータにやってもらう作業の手順を書いたもので,料理のレシピに近いものです。
ただし,プログラムはコンピュータが理解できる言語で書いてやる必要があります。コンピュータが理解できる言語は,人間が普段使っている言語より,はるかに単純です。
プログラムを作成する作業のことを,プログラミングといいます。
余談
Fortran(フォートラン)とは高級計算機言語の一種です。高級とは,人間の言語に近い,という意味です.
計算機は、機械語といわれる言語しか理解できず、人間の言語を話すことができません.機械語とは、一言で言えば計算機の中のどの回路のスイッチを入れるか入れないか,を列挙したものです.参考(http://e-words.jp/w/E6A99FE6A2B0E8AA9E.html)
人間の言語にはあいまいさがあり,データ処理や計算に適さない場合があります.ならば,計算機と人間の両方が理解しやすい言葉を作ればよい、ということになって、Fortranという言語が作成されました (FortranはFormula Translationの略です).
Fotranが現在幅広く使われているのにはそれなりの理由があります。その理由を列挙しますと、以下のような点があげられます。
無償で利用できる
Cent OS (Linuxの一種)
Intel Fortran (Fortranコンパイラ; 学習用に限り無償)
を使用します。
その他無償のFortranコンパイラとして、
gfortranがあります。