1.稲邑哲也 先生(国立情報学研究所)
題目: 「社会的知能発生学シミュレータ:SIGVerse」
[ワークショップ概要]:
社会的知能発生学シミュレータSIGVerseは,日常生活で人間をサポートする知能サービスロボットや昆虫の群知能などの研究を行うために国立情報学研究所によって開発されたオープンソースのシミュレータプラットフォームです.力学運動やセンサのシミュレーションだけでなく,エージェント間のコミュニケーション機能のシミュレーションも行うことができます.またHMDやKinectを介して仮想環境に没入し,ロボットとの音声・ジェスチャーを介した対話も可能です.本チュートリアルではこのシステムの概要を紹介し,サンプルプログラムの利用方法を解説します.
[参加者に用意いただくもの]:
Windows PC(できれば XP もしくは 7 が望ましい)
もし持っていれば,KINECTを持参して頂くと,よりワークショップを楽しむ事ができます.事前にソフトウェアをインストールしておいて下さい.
[参考文献]
ワークショップ参加者のためのインストール手順は8月下旬にhttp://www.sociointelligenesis.org/SIGVerse/ にて公開予定です.
また,http://sigverse.org/sigverse/main/ にも使い方の説明やチュートリアルが掲載されていますので,事前に読んでおいて頂けると,より効率良くワークショップを進められるかと思います.
2.青井伸也 先生(京都大学大学院 工学研究科航空宇宙工学専攻)
題目:「ヒト歩行運動に内在する低次元構造とシステムモデル」
[ワークショップ概要]:
ヒト歩行運動のシステムモデルとして,コンパスモデルなど簡単なモデルを用いて,歩行の動力学シミュレーションを体験してもらいます.
[参加者に用意いただくもの]:
PC, C言語等のプログラム言語のコンパイラ・実行環境(参加者の方でご用意ください)
オイラー法・ルンゲクッタなどの数値計算法の知識
参考文献を読んでおくこと。
[参考文献]
M. Garcia, A. Chatterjee, A. Ruina, and M. Coleman, The simplest walking model: Stability, complexity, and scaling, ASME J. Biomech. Eng., 120(2): 281-288, 1998.
3.小島一浩 先生(産業技術総合研究所)
題目:「オープンソースハードウェアとクラウドで作る消費電力モニタリングシステム」
[ワークショップ概要]:
本ワークショップでは、ネット等で入手が容易かつ安価なオープンソース
ハードウェアであるArduinoや電力センサと、無料で使えるクラウド環境である
Google App Engineを利用して手軽に構築できる消費電力モニタリングシステムを
紹介し、実際に構築する。
[参加者に用意いただくもの]:
・ノートPC(OSはWindows,Mac OSのいずれでもOK)
事前準備(必ずリンク先をご確認下さい)
https://sites.google.com/site/kkojimaess18th/
4.山村雅幸 先生(東京工業大学大学院 総合理工学研究科知能システム科学専攻)
題目:「合成生物学-観る生物学から創る生物学へ-」
[ワークショップ概要]:
本ワークショップでは,自由なアイデアを実現する人工遺伝子回路を提案してそのモデル化と解析、余力があればシミュレーションをしていただきます。
まず、自由にアイデアを出していただきます。これは荒唐無稽でも結構です。次に、アイデアの実現で中心的な役割を果たす人工遺伝子回路をひとつ取り上げて、その分子反応のモデル化をします。続いて、線形化 などの常套的な方法で回路の解析を試みます。ここまでは、紙と鉛筆でできます。さらに、余力があればMATLAB等を用いて非線形システムあるいは確率過程シ ステムとしてシミュレーションを試していただきます。課題によっては紙と鉛筆 の解析を省略してシミュレーションしていただいても結構です。
[参加者に用意いただくもの]:
手ぶらでもOKですが、お持ちいただくと便利なものです。
(1) ノートPC(調査・計算用。インターネットに接続できるとベター)
(2) MATLAB等シミュレーションのできる環境(確率過程シミュレーションには別途JAVA開発環境等が必要となります)
参加者は分子生物学(組換え遺伝子実験)またはシステム科学(線形・非線形システム論、計算機シミュレーション)のいずれかの基礎知識があることが望ましいです。
[参考文献]
木賀大介,山村雅幸:構成的生物学-つくることで理解する生物学-人工知能学会誌,20巻6号715-721,2005年(木賀先生は最近たくさん読み物 を書いていますので身近にあるものをチェックしていただくと良いと思います)。