丸山 未妃呂さん
略歴: 室蘭工業大学出身。2013年4月に雪氷・寒冷圏コースの修士課程に入学。グリーンランドの氷帽をテーマに研究を行い、2015年3月に修士課程修了。
Q1. どんな動機で雪氷・寒冷圏科学コースに入学しましたか?
室蘭工業大学に在籍しているときに、大学院は北大に進学したいと考えていました。北大の環境科学院に在籍していた兄からパンフレットを見せてもらったのですが、それまで雪や氷が研究の対象になるということは想像したこともなかったので、とても興味を持ちました。そのあと、杉山准教授のもとを訪ねて、研究の内容や大学院について伺いました。春にグリーンランドにフィールド観測に行くチャンスがあると聞いて、とても魅力的に感じました。
Q2. 大学院ではどのような研究をしましたか?
修士論文のタイトルは「グリーンランド北西部カナック氷帽における表面高度変化、質量収支、流動速度」です。グリーンランドの氷帽(氷床とは独立した氷河)で、2012年〜14年の氷河の質量収支や流動を測量し、氷河の挙動と気候変動のメカニズムについて考察しました。
Q3. 在学中の思い出は?
たくさんあるのですが、グリーンランドにフィールド観測に行ったことです。グリーンランドという極地で観測したことも印象的なのですが、このときの観測はいくつかのプロジェクトと一緒に行われており、いろいろな方と生活を共にして、深く知り合いになれたことがとてもよかったです。
Q6. 雪氷・寒冷圏科学コースの受験を検討している学生に一言。
とくに女性の方へのメッセージにします。
最初、私はフィールド観測に参加することが心配でした。大学院のパンフレットや観測の写真をみると女性の参加者があまりおらず、山岳部などの経験もないので、現地でちゃんとできるのか不安を感じながらの参加でした。
フィールド観測では、いろいろな方と長い時間を過ごします。その中で、日々の暮らし、調査などいろいろな場面で、教員の方や先輩、同級生が家族のようにフォローしてくれ、楽しく観測生活を送ることができました。フィールド観測での貴重な経験は心身を強くしただけでなく、忍耐力や適応能力が身に付き、就職活動においても自分自身を積極的にアピールすることができました。
このコースや氷河観測に興味がある方は、是非一度研究室訪問に来てみて下さい!
Q5. これからどのような仕事をしますか?
航空機の整備の仕事に就きます。大学院までの研究とはあまり関係はなさそうなのですが、父がこの仕事をしており、馴染みがあり、自分もその職業に就きたいと思っていました 。
Q4. 雪氷・寒冷圏科学コースの良いところは?
国際交流の機会が多いことです。スイス氷河実習で、海外に行くこともそうなのですが、北大の研究室でも海外からいらした研究者によるセミナーを開く機会が多く、刺激的でした。最初は、英語に不安があったのですが、杉山先生や研究室の先輩方がフォローしてくれて、それほど戸惑わずにコミュニケーションをとることができました。
それと学部を持たない独立大学院であることが、私にとってはよかったことです。学部までの研究内容と違うことを始めるにあたり、同級生と一緒に一からスタートするので、連帯感があって安心できるし、教員の方も、丁寧に指導してくれたと感じます。
このコースのもう一つの特徴は、プレゼン能力がつくことです。授業として行われる雑誌会で年2回発表することがあるのですが、それ以外に研究室でのゼミ、参加した観測プロジェクトの研究会、国内国際学会などで発表する機会がありました。多くの機会を経て、度胸もつきましたし、自分の考えを伝わるように説明することができるようになったと思います。