ワークショップ1
「企業で起こっていることを教室へ
-ケース学習とビジネスタスクから学ぶビジネスコミュニケーション-」
品田 潤子 (国際日本語普及協会)
伊藤 晶子 (Nanyang MBA, Nanyang Technological University)
ワークショップアドバイザー 近藤 彩 (麗澤大学)
グローバルに展開するビジネスの現場では、さまざまな問題を解決し、課題を達成する能力が求められます。また、異なる考え方を持つ人とよい関係でビジネスを進めていく能力も必要です。このような能力は、日本語のビジネス語彙やモデル会話を学習するだけでは、なかなか身につけることができません。ビジネスの現場で起こっていることを教室に持ち込み、自分で考え、ほかの人の考えを聞き、日本語で話し合いを重ねることで、つけることができる能力です。
ワークショップ1では、はじめに日本語によるビジネスコミュニケーション力をつけるための教育・研修のあり方を提案します。次に具体的な方法の一つである「ケース学習」を体験します。「ケース学習」は、現実に起きた事例(ケース)について、グループで討論しながら解決策を導き出していきます。本大会には、日本語教育関係者だけでなく、日本企業への就職に関心のある学生、企業関係者も参加します。異なる立場の人々との話し合いの体験を通して、共に仕事をしていくために求められるコミュニケーション力について理解を深めていきます。テキストとして近藤彩他『ビジネスコミュニケーションのためのケース学習』ココ出版の一部を使用します。
【コーディネーター】
品田 潤子 (しなだ じゅんこ)
電機メーカー勤務を経て1984年に国際日本語普及協会に入会。教育事業部長、コーディネーターを経て、現在は非常勤講師。ビジネス関係者、政府関係者等の日本語教育、教材開発、教師養成に従事。2013年にビジネスプロセスコミュニケーション研究所設立に参加。ビジネスコミュニケーション研修プログラムの開発、トレーナー養成に従事。主著に『課題達成のプロセスで学ぶビジネスコミュニケーション』
伊藤 晶子 (いとう あきこ)
1987年に日本語教師として来星後、台湾YMCA、日本・シンガポールソフトウェア技術学院 (JSIST) にて日本語教育に従事。2001年から2010年までナンヤン工科大学(NTU) 日本語コースでコーディネーターを務め、2010年から同大ナンヤン早稲田ダブルMBA日本語コースを担当、現在に至る。シンガポール日本語教師の会事務局長として当地日本語教育の発展にも努める。在住者向け初級教科書と教材集『初級日本語for Singaporeans』(1997) を出版、現在改訂中。
【ワークショップアドバイザー】
近藤 彩 (こんどう あや)
麗澤大学大学院言語教育研究科教授。博士 (人文科学)。ビジネスプロセスコミュニケーション研究所所長、企業アドバイザー。主著に『ビジネスコミュニケーションのためのケース学習』教材編・解説編、『課題達成のプロセスで学ぶビジネスコミュニケーション』「日本語非母語話者と母語話者が学びあうビジネスコミュニケーション教育」『専門日本語教育研究』。協働をいかした教師/企業研修に従事。