パネルディスカッション1
「アジア諸国におけるビジネス日本語教育の現状と課題」
パネルディスカッション1では、シンポジウムのテーマ「アジア諸国におけるビジネス日本語教育は何を目指すのか」を議論する前提として、東南アジア6か国の日本語教育のキーパーソンが、それぞれの国のビジネス日本語教育の現状と課題について提起し、現状と課題をまとめる。
【パネリスト】
アグス・スヘルマン・スルヤディムリア Agus Suherman Suryadimulya
インドネシア国立パジャジャラン大学 教授
南山大学大学院、名古屋大学大学院終了後、現職にいたる。2010年インドネシア日本語教育学会会長、2011年インドネシア元日本留学生協会西部会長に就任。主な著書・論文に「インドネシア人日本語学習者が求める初級日本語の教科書とは?」「インドネシアでの日本語学習辞書開発の状況」(2013)、「インドネシアの日本語教育の現状と課題と展望」(2014)、「日本語教育の役割」(2015) などがある。
ウォーカー 泉 Izumi Walker
シンガポール国立大学 語学教育研究センター 所長補佐
エジンバラ大学修士課程、早稲田大学日本語教育研究科博士課程修了。オレゴン工科大学、スコットランド日本研究所MBAプログラム、ペンシルバニア大学ビジネススクール夏季コーディネーターなどを経て、2000年より現職。シンガポール日本語教師の会会長としてシンガポールの日本語教育の発展にも努める。主な著書に『マーフィのケンブリッジ英文法(中級編監訳)』(2004)、『初級学習者のための待遇コミュニケーション教育』(2011)、『世界の日本語研究と日本語教育 ビジネス日本語教育の展開と課題(共著)』(2015) などがある。
クマラグル・ラマヤ Kumaraguru A/L Ramayah
マラヤ工科大学 (UTM) 日本語教員
1989年に教育師範学校を第二言語英語教育専攻で卒業、小学校で英語教員として就任、その後、マレーシア政府の東方政策一環の日本語教師養成プログラムに選ばれ、1992年に日本へ渡って日本語教育の道を歩みはじめ、1997年に筑波大学日本語日本文化学類を卒業し帰国。全寮制中学で1年間日本語教育を、その後、日本高等専門学校予備教育機関に移動、1999年にUTMの日本語教師に就任する。2002年に文部科学省奨学金で再び筑波大の修士課程に入学。日本語学習者の動機付や日本の教育制度や日マ教員養成制度などに関する研究を行う。日本の大学からの日本語教育実習生の受け入れと指導にも関わっている。
チャン・ティー ・トゥ・トゥーイ Tran Thi Thu Thuy
ハノイ貿易大学 日本語学部 総括副学部長
経済学博士、ハノイ貿易大学卒業後、ハノイ貿易大学日本語学科に就職。1998年国費留学生として一橋大学経済研究科に入学。2005年学位取得後ハノイ貿易大学専任教師となり、2007年からビジネス日本語学科長、その後副学部長、2015年から総括副学部長となる。
永井 博子 Hiroko Nagai
アテネオ・デ・マニラ大学 社会科学部 日本研究学科 助教授
立教大学卒。同大学院修了。文化人類学博士。専門はフィリピン農村研究および災害研究。1990年からアテネオ・デ・マニラ大学勤務、日本研究と日本語教育にも関わるようになり、1999年に国際交流基金日本語教師研修プログラムに参加。2007~2014年、同大学社会科学部日本研究科学科長。現在、同学科助教授。日本研究関係の著書にTransnationalizing Culture of Japan in Asia: Dramas, Musics, Arts and Agencies (2009)、War Memories, Monuments and Media: Representations of Conflicts and Creation of Histories of World War II (2011) 等。
ユッパワン・ソーピットヴッティウォン Yuphawan Sopitvutiwong
チュラーロンコーン大学 文学部 日本語講座 専任講師
2013年3月大阪大学大学院言語文化研究科博士課程修了。現在、チュラーロンコーン大学文学部日本語講座専任講師。担当科目は初・中・上級の日本語文法、日本語会話、異文化と日本語教育、ビジネス日本語など多数。専門分野は会話分析と日本語教育。話し言葉を中心に研究。主な論文は「被害を被った場面における笑い―日タイ対照研究―」(『JSAT報告書』2015)、「初対面同士の会話におけるスキーマと話題選択のストラテジー―日本語とタイ語の対照研究―」(チュラーロンコーン大学『文学部紀要』掲載予定)。
【モデレーター】
堀井 惠子 Keiko Horii
武蔵野大学大学院言語文化研究科教授、大学院ビジネス日本語コース長、修士 (学術)
外資系企業に就職、イラクなど海外での仕事を経て、日本語教育に携わり、基礎日本語からアカデミック・ジャパニーズ、ビジネス日本語までの幅広い日本語教育と日本語教員養成の研究と教育実践を行う。日本語教育学会テーマ別研究会ビジネス日本語研究会代表幹事、経済産業省委託事業「日本企業における外国人留学生の就業促進に関する調査研究」検討委員など歴任。主な著書は『日本語教育への扉』『留学生のためのビジネス日本語シリーズ―人財』など。