5. コンテを利用する

Tune Mode とは

通常版の beacon プログラムでは、音階は beacon と物体との距離に応じて変化します。

しかし、メロディを演奏する際に必要となる音が足りなかったり、音と音との間隔が小さくなって演奏が非常に困難になってしまうことがありました。

そこで、あらかじめ演奏したいメロディにあわせて、タイミングや距離毎に鳴る音が変化するようプログラムできるようにしました。これを Tune Mode と呼びます。

Tune Mode を用いることにより、メロディ演奏の難易度を格段に下げることができます。演奏者は、Tune Mode を用いて生成されたコンテを用いて動きを学習し、演奏することができます。

Tune Mode の利用

準備するもの

beacon の Tune Mode を用いる際に準備するのは

・コンテ

・beacon 設定用プログラム tune.js

の2つです。

演奏したいメロディからこの2つを生成します。

tune.js とは

Tune Mode ではまず beacon の中心から半径

・ 20 - 60cm

・ 60 - 100cm

・100 - 140cm

の三領域に分けます。

次に、

・120度(一周の3等分)

・90度(4等分)

・72度(5等分)

の内の一つの角度で領域を分割し、音を割り当てられるようにします。

tune.js では分割した領域に対して、どの音を割り当てるかが記述されています。

下は tune.js の一部を抜き出したコードです。

/* -------------------------------------*/

/* original tune */

/* -------------------------------------*/

tune[1] = [

[999,999,999, LASEROFF],

[999,999,999, 999],

[999,999,999, 33],

[999,999,999, 33],

[999,999,999, 33],

[999,999,999, 33],

[62, 64, 66, LASERON],

[999, 999, 999, 999],

[64, 67, 69, 999],

[64, 66, 68, 999],

[65, 67, 69, 999],

[65, 67, 69, 999],

[67, 69, 71, 999],

original tune と記述された箇所から、数字が角括弧で囲まれて順番に並んでいます。

角括弧は上から下へと順番に読み込まれていきます。

例えば、120度毎に分割するように指示されていた場合、beacon の光の弦が 120度進むごとに、一行下のものが読み込まれていきます。

一行の内容については以下のように、左から3つの数値が順番に、beacon の中心から外側への MIDI ノート番号に対応します。

四番目に来るのは特殊コマンドであり、以下の表のように文字列または数値が設定されます。

tune.js の original tune の項目を手動で設定することにより、好きなメロディを演奏することができます。しかし、これらの数値を設定するのは大変なので、次に示すようにソフトウェアで tune.js を生成します。

tune.js とコンテの作成

tune.js とコンテについては、「beacon Tune Mode用ファイル作成ページ」から生成することができます。

(2022年11月29日更新: サイト改修のため、beacon Tune Mode 用ファイル作成サービスの提供を終了しました。もし利用したい場合は kamatani へメール等でご相談ください。)

http://www.buhii.org/beacon/

ここではボヘミア民謡の「ぶんぶんぶん」を例としてファイルを作成していきます。

画面の構成

作成ページの画面は左の図のようになっています。

上部にはメロディを打ち込むための鍵盤があります。真ん中の赤いキーは C6 (MIDIノートで 60 )を表しています。 クリックすることで打ち込むことができ、下のテキストエリアに反映されます。

鍵盤の左下にある3〜16等分された円のボタンは、beacon の周囲(マップ)をどのように分割するかを選択するものです。

例えば、My Favorite Things であれば3等分、メヌエットであれば5等分、天国と地獄であれば8等分、また LOVE マシーンであれば 16等分を選びます。

鍵盤の右下の休符記号は、休符を打ち込みます。

また、右隣にある「←」は Backspace であり、打ち込んだ音(休符)を1つずつ削除することができます。

ぶんぶんぶんを入力する

まずは、マップの分割等の項目を設定していきましょう。

今回は4分割で演奏するため、4つに分割された円のボタンをクリックして指定します。

また、「ぶんぶんぶん」は4拍子なので、4拍子を選択します。

最後に、演奏者を設定します。今回は4人と設定しました。

次に、音の入力を鍵盤を用いて入力していきます。

長い音などについては、最初に音を鳴らし、その後に休符を組み合わせるという形で入力していきます。

実際に入力していくと、「ぶんぶんぶん、はちがとぶ」のメロディは以下のようになります。

67 Z 65 Z | 64 Z Z Z | 62 64 65 62 | 60 Z Z Z

tune.js の作成

メロディの入力が完了したら、ファイルの作成に移ります。

まずは、tune.js を生成します。テキストエリアの下にある選択ボタンで、

「beacon 設定ファイル:tune.js」を選択します(デフォルト)。

そして、右のファイル作成をクリックすると tune.js がダウンロードされます。

コンテの作成

コンテを作成する場合は、まず選択ボタンで、「コンテ用 NodeBox スクリプト:conte.py」を選択します。

次に、ファイル作成ボタンをクリックすると conte.py がダウンロードされます。

この conte.py は NodeBox という Mac OS X 用のソフトを用いて実行することができます。

NodeBox は以下のサイトにあります。

http://nodebox.net/code/index.php/Home

ダウンロードしてインストール(Application フォルダにコピー)します。

NodeBox を起動すると左の画面のようになります。

メニューの File から Open... を選択し、ダウンロードした conte.py を開きます。

開いた後は、メニューの Python から Run を選択すると実行され、左にコンテが出現します。

生成したコンテは、メニューの File から Export as Image... で PDF や PNG などの形式で保存することができます。

パッケージの準備

このサイトの最下部に beacon-tune_air.zip が添付されています。

これを適当な場所で展開し、フォルダ内の tune.js を上記で生成した tune.js に置き換えます。

これでファイルの準備は完了です。

後は、展開したフォルダ内の beacon_tune.pat を起動することで Tune Mode の beacon ソフトウェアが動作します。

フォルダの名前や、beacon_tune.pat の名前は好きなものにすることができます。

演奏までの準備

まずは、beacon 起動方法 の通り beacon-ortho を立ち上げ、beacon の調整を行います。

beacon の調整が完了したら、演奏用のマーカーを床に貼り付けます。

この時、分割されたそれぞれの領域の真ん中にマーカーが来るように、beacon の底部から 25, 65, 105cm の距離に貼り付けます。

そして、beacon_tune.pat を起動します。ジョグダイアルの赤いシールのボタンを押すことで、演奏がスタートします。この時、赤いレーザーが出現するところが、開始角度になります。beacon 本体を回転させ、マーカーに合わせましょう。

これで、演奏の準備は完了です。

演奏

Tune Mode のジョグダイアルのマップは以下のようになります。

D

B

設定したメロディによる演奏のスタート

通常の beacon-ortho と同じモード

配置などを工夫してかっこいい演奏を行いましょう!