3. beacon 起動方法

デバイスを認識させる

まずは beacon から出ている電源ケーブルをコンセントに接続します。

パソコンを用意し起動させます。

起動した直後の画面です(画面が若干異なる場合があります)。

本体の右の USB ポート(Thunderboltポートのある方です)に beacon から出ている USB ポートを接続します。

それ以外のポートに差してしまうと認識されないので注意して下さい。

USB を接続した後、画面右下のアイコンのジョグダイアルのアイコンのバツ印が消えれば、ジョグダイアルは正常に認識されています(変化するのに数十秒程かかります)。

マイコンピュータを右クリックし、「プロパティ」を選びます。

左上のタブの「ハードウェア」をクリックします。

「デバイス マネージャ」をクリックします。

デバイスマネージャの「ポート(COM と LPT)」の欄を開き、左の図のように

URG Series USB Device Driver が2つ

USB Serial Port が4つ

並んでいれば、正常に認識されています(COM13 のような数字番号は異なる場合があります)。

もし正常に認識されていない場合は、本体部の USB ハブのケーブルのどれかが抜けている場合があります。組み立てのところを再度確認してください。

MacBook Air のWindows 7 ではこのような画面表示になります。

Max/MSP の起動

デバイスが正常に認識されたら、次は Max/MSP を起動させます。

通常版を起動するには、beacon-ortho フォルダをダブルクリックし、その中にある beacon_ortho.pat をダブルクリックして起動してください。

※フォルダが見つからない場合は、beacon-ortho_air.zip をこのページの最下部に添付していますので、それを展開してお使い下さい。

Max/MSP が起動した直後の画面です。

もし、この画面ではなく Authorize 画面が表示された場合、Max/MSP のドングルが正常に認識されていません。本体部の USB ハブのドングル(緑色のスティック)が正常に差されているか確認してください。

メニューの「Window」から「Max」を選び、クリックします。

画面右下のような Max ウィンドウが表示されます。左の図のように、

「gainer_firmware_version: 〜」

という文字列が4つ続けて表示されます。

正常に認識されていない場合は、左の図のように error が表示されます。パソコンの指定されたポート以外にケーブルが差されていないか、もしくはデバイスが正常に認識されているか確認して下さい。

これでソフトウェアの起動は完了です。

キーボードの B を押すか、ジョグダイアルの青色のシールが貼ってあるボタンを押すと、左の図のように画面が変化し、光の弦が回転し音が鳴るようになります。

再度キーボードの B を押すか、ジョグダイアルのボタンを押して、演奏を停止させて下さい。

調整

ソフトウェアの起動が完了した後、beacon は3つの調整を行う必要があります。

ラインレーザーの角度の調整

beacon をケースごと移動させた際に、振動によってラインレーザーの角度が変化してしまうことがあります。ラインレーザーの角度を調整しましょう。

まずは、画面の赤い四角で囲った「p laser」という箱をダブルクリックしてください。

[laser] という名前がついたウィンドウが現れます。このウィンドウの左下の赤い四角で囲ったボックスをクリックしてください。

すると、クリックしたボックスにチェックが付き、さらに画面中央部の 60 個のチェックボックスが一斉にチェックされます。

部屋の電気を暗くしてください。すると、左の写真のように投影部から60個全てのラインレーザーが点灯します。これらのうち、曲がってしまっているラインレーザーを調整します。

60個のラインレーザーの投影口を順番に指で塞いで、どこが曲がっているのか調べます。曲がっているラインレーザーが判明したら、そのラインレーザーを指で左もしくは右に回していきます。もし、角度がさらに酷くなり、ぼやけてしまった場合は逆方向に回します。

このようにして、曲がっているラインレーザーを全て正常な角度に合わせます。

正常な角度に調整した後の様子です。これでラインレーザーの調整は完了です。

幽霊を退治する

通常版の beacon プログラムは、半径 1.4m 以内に物体が存在していれば、音が鳴るように設定されています。しかし、物体が存在しないにも関わらず、音が鳴ることがあります。beacon プロジェクトに携わってきた人々は代々この現象に悩まされ、これを幽霊と呼びました。

演奏モード中、左の図の右下の長方形では、beacon の周りの物体の位置をリアルタイムで表示しています。赤い線は「音が鳴る/鳴らない」を分ける境界線です。赤い線よりも上に表示されているピンクの線(赤い矢印で指されているもの)は、音が鳴る物体です。赤い線よりも下に表示されているピンクの線は音が鳴りません。

もし、半径 1.4m に物体が存在しないにも関わらず、赤い矢印で示したようなピンク色の物体が存在すればそれは幽霊であり、退治しなければなりません。

幽霊の正体は、測域センサーのズレです。輸送中の振動等で測域センサーが水平面から数度ずれることによって、地面を物体と誤って認識してしまいます。

開発者の計算によると、測域センサーが水平面から2度ずれると、約1.2mの距離に幽霊が現れることが分かっています。

測域センサーを水平面に合わせる必要があります。

まず、パソコンの画面を見ながら幽霊が存在している方向に向かいます。そして測域センサーを掴み、ほんの少し幽霊が存在している方向にずらします。一旦 beacon から離れ、幽霊が消えたかどうか確認します。幽霊がまだ存在するか、もしくは別の方向に出現した場合は、違う方向に行きつつ、同じ操作を繰り返します。

この調整には最悪30分程度の時間がかかり、調整の中では最も面倒なものになります。

一度幽霊を退治しても、その後 beacon を数メートル先の場所に移動させたりすると、また出現することもあります。

何度調整しても退治できない場合は、beacon 自体が水平面に設置されていないか、もしくは測域センサーが壊れている可能性を疑うべきです。

タイミングを合わせる

最後に、光の弦と物体が交差したときに、音も同時に鳴るようにタイミングを合わせます。

まず、beacon の周囲に足を置きます。

光の弦が交差するのと同じタイミングで音が鳴らない場合は、投影部を両手で持って回転させ、音が鳴るタイミングと、光の弦が交差するタイミングが同じになるように調整します。

投影部の外周にあるネジ穴が、本体部のネジ穴に合わさるように調整します。

これで、beacon の調整は完了です。