山田ゼミの特色は、会計学の一分野である「経営分析」を出発点として、企業や組織を動かすさまざまな仕組みについて専門的に学習・研究できることです。
さまざまな考え方がありますが、私は会計学を、組織の行動や成果を測定・評価・報告する仕組み、そして、それらを通じて人々の意思決定や行動を方向づける仕組みについて、設計・運用・帰結まで含めて研究する学問であると考えています。言い換えれば、会計学は組織の内外で人々を動かすシステムを考える学問です。財務報告、コーポレート・ガバナンス、サステナビリティ報告、監査、組織管理など、会計学の研究はさまざまな制度や仕組みと深く関わっています。
たとえば、企業の活動は、株主、金融機関、取引先、従業員など、さまざまな立場の人々との関係の中で成り立っています。そうした関係の中では、企業の状態や行動を評価するための指標やルール、報告の仕組みが重要な役割を果たしています。これらを分析することで、表面的には見えにくい企業内部の活動を読み取ったり、場合によっては情報や制度の中に織り込まれた歪みや問題を発見したりすることができるかもしれません。
また、企業の側から考えると、自社の活動をどのように示し、どのような仕組みのもとで評価を受けるかは、企業や経営者の評価、資金調達、さらには組織の意思決定にも影響を与えます。制度のあり方によって、企業の行動や結果の見え方は大きく変わりうると言えます。
さらに、会計学は、組織の内外で人々の行動を方向づける仕組みも重要な研究対象とします。たとえば、組織間の関係をどのように築けばよいか、従業員をどのように評価すればよいか、どのような目標を設定し、どのように運用すればよいか、人々の行動をどのように動機づければよいか、といった問題です。
「経営分析」は、こうした研究の第一歩です。ゼミでは、企業や組織の動きを分析してみたい人はもちろん、「これは会計なのだろうか」と思うようなテーマに関心のある人も歓迎します。大切なのは、制度や仕組みの働きに目を向けながら、組織や関係する人々がどのように動いているのかを考えることです。ゼミでは、財務諸表などの公開情報を使った企業分析を出発点として、企業の意思決定や組織を動かす仕組みについて、さまざまな理論やデータを用いて考えていきます。
皆さんと一緒に研究できることを楽しみにしています。