ACAとは

アダルトチルドレン・オブ・アルコホーリックス(ACA)は、アルコール依存または機能不全家庭で育った人々の12ステップと12の伝統のプログラムです。ACAプログラムは、家族の機能不全は病気であり、子どもの私たちに影響し、大人の私たちにも影響を与えているという考えに基づいています。ACAメンバーには、アルコールや薬物がなかったが、虐待、ネグレクト（養育放棄）、不健康なふるまいがあった家庭で育った大人も含まれます。

私たちは、お互いを尊重しあう雰囲気の中で、経験と回復を分かち合うために集います。アルコホーリズムやその他の家族の機能不全が、過去においてどのように影響を及ぼし、現在の私たちにどのような影響を与えているかを見いだします。そして、子ども時代の不健康な要素を私たちは理解し始めます。12ステップを実践し、ACAの解決に焦点を当て、私たちの理解するハイヤーパワーを受け入れることによって自由を見つけ出すのです。

なぜACAにやって来たか？

人生に対する私たちの決断や解決策はうまくいかなかったようです。人生は耐え難いものになりました。幸せになろうとしてすべての方法を使い果たしました。創造性、柔軟性やユーモアのセンスを失うことが多くなり、同じやり方を続けることはもう無理でした。それにもかかわらず、私たちは自分でなんとかできるという考えを手放せないでいました。疲れ果てながらも、新しい関係、新しい仕事、転居などが救いになるという希望を持ち続けましたが、それは間違っていました。そしてやっと助けを求める決心をしました。

なぜミーティングに“来続ける”のか

ACAミーティングの終わりに、グループのメンバーはお互いにミーティングへ“来続ける”よう励まします。なぜでしょう？それは、ミーティングでメンバーたちが私たちの話を聞いていることに気づいたからです。私たちは判断せず、正そうともせず、話の途中で口を挟むこともありませんでした。定期的にミーティングに通っていれば、だんだん良くなるでしょうと伝えるだけでした。そして、実際良くなったのです。

ACAミーティングで私たちがすること

私たちの人生に何が起きているのか、そして回復のプログラムを使ってこれら問題にどう取り組んでいるかを分かち合います（つまり、私たちの経験と力と希望を分かち合います）。
個人的なサポート・ネットワークを作ります。
サービスをすることによって、回復と人としての境界線を学びます。

ミーティングで私たちがしないこと

クロストークをしません。
批判をしません。
他の人が話したことについてコメントしません。
アドバイスをしません。
言葉、ささやき、身振り、物音、動作などで、話をしている人から注意をそらしません。
他の人たちのアノニミティを破りません。
ミーティングで話されたことを他言しません（どのような場合でも）。

どのように回復プログラムを行うのか？

人によって回復のペースは異なります。最短期間で最大の効果をあげたACAメンバーは、回復の道具を使っていることを経験によって学んできました。

ACAの回復の道具

ミーティングに行き、プログラムにつながっている人たちに電話をかけ、回復の問題について話し合います。
ACAの書籍を読み、他の人の経験から学ぶ一方で、私たち自身の経験を明らかにします。
境界線を明確にし、強化します。
12ステップと12の伝統を実践します。
私たちの現在の人生にとって、健全で役に立つ人々、場所、物事を見分け、そうでないものは手放します。
インナーチャイルド、あるいは真の自己と再びつながります。
スポンサーと共に取り組み、サポート・ネットワークを作ります。
取り組む必要のある問題に焦点を当てているミーティングに参加します。
ACAでサービス活動をします。

ミーティングで人の話に耳を傾け、自らの分かち合いをすることは、私たちの回復に役立ちます。ミーティングで分かち合うことは、時として私たちの問題に焦点を当て、問題を把握し、はっきりさせる助けになります。私たちは感情を表現します。声に出して話すことが、問題を解決する助けになることもあります。私たちは、人生を変えるための行動プランについて、あるいは現在のプランがどのようにうまくいっているかについて話します。時には自分たちの進歩やうまくいったことを伝えます。ACAプログラムにつながる前の生活と、プログラムを行う現在の生活を比べることで、自分が実践しているプログラム全体の現状確認をするために、ミーティングを使うことがよくあります。

ミーティングの中で、子ども時代の経験がいかに私たちの現在の態度、ふるまい、そして選択を形作っているのかを理解するようになります。他の人の経験を聞き、自分自身を認識し、私たちがどのように変われるのかを学びます。こうあるべきだと教えられてきた人物とは違う存在が、自分の内側にあることに気づきます。これを「インナーチャイルド」と呼ぶ人たちもいます。私たちは自分自身を発見します。

私たちはACAの問題について書籍を読み、しばしばその書籍を救命ボートのように使います。海が一時的に荒れ狂った時、自分が読んだものにすがります。私たちの多くは書くことを日課にしていますが、それは私たちにとって物事の全体像を見渡すのに役立つことがわかります。インナーチャイルド触れ合うために書いている人もいます。自分たちの子ども時代、日々の思い、繰り返される苦闘、そして人生や自分自身について発見したことを書きます。新しい問題が起こる度に、それをしたためます。私たちはミーティング外でのACAの集まりを利用し、自発性や、楽しみ方を学びます。

私たちは徐々に、自分たちの人生を駆り立てる子ども時代からの親の否定的なメッセージを認識し始めます。どのようにしてそれを健康なふるまいに置き換えるのかを学びます。これは“自分を育てなおすこと”の第一歩です。自分自身を育てなおすにつれて、人生に対する私たちの見方が変わります。人生を情緒的に成熟した視点から見るようになります。最終的に私たちは、より幸せで、力強く、有能な人になります―人生をよりよく扱えるようになります。人と自分自身を尊重することを学びます。境界線を明確にし、尊重してもらうよう主張することを学ぶにつれて、私たちの人生の質は向上します。

私たちは最短期間で最大の効果を得たACAメンバーは“回復の道具”を使っていることを経験から学びました。また人はそれぞれのペースでそれぞれの時期に回復するということもわかりました。私たちはさまざまな経験と背景を持つ個人なのです。

メンバーシップ

メンバーになるために必要なことはただ一つ、アルコール依存症やその他の機能不全家族で育った影響から回復したいという願いだけです。

書籍の方針

多くの12ステップ・プログラムでは、ミーティングで使うテキストはプログラムの中で出版された書籍に限る必要があるとしています。ACAプログラムは貴重な情報は外部にあると当初から考えていました。ただ外部の書籍をミーティングに持ち込む場合はいずれも、12ステップと12の伝統にそったものであることを強く提案しています。私たちのプログラムでも、そうした外部の書籍はACA会議で承認された書籍と区別するべきであると提案しています。詳細は“ACAの書籍方針”（The ACA Literature Policy）というタイトルのパンフレットを参照して下さい。

献金は自発的なもの

メンバーになるための会費や料金は必要ありません。しかし私たちは、自分たちの献金によって完全に自立しています。プログラムが与えてくれた恩恵に感謝しながら、ミーティングで私たちのできる範囲で伝統７の献金をします。

ミーティングのレベルでは、献金はミーティング会場の運営のために使われます（会場費を支払ったり、茶菓子を買ったり、書籍を用意したり）。地域のレベルでは、インターグループとワールドサービスとの通信のために使われます。ワールドサービスのレベルでは、ミーティングの存在を人々に知らせるために使われます。メンバー一人一人が、ACAの運営維持に責任を持っていて、自分の通うミーティングがインターグループ、地域、ワールドサービス機関を支援していることを確認することでその責任を果たします。

所属

ACAは独立した12ステップと12の伝統のプログラムです。私たちは他のいかなる12ステップの組織にも所属していませんが、他の12ステップ、12の伝統のプログラムと連携しています。私たちは、いかなる派閥、宗派、組織、施設、政治あるいは法執行のグループとも提携していません。いかなる論争にも関与せず、いかなる運動に支持も反対もしません。

個人的な招待状

これは、ACAにつながり、参加し続けるためのあなたへの招待状です。あなたにミーティングに参加していただくことが、私たちの回復の役に立ちます。このプログラムは効果があることがわかっています。このプログラムに誠実に取り組んでうまくいかなかった人を知りません。これは健康な心への道であり、平安へのプログラムです。

あなたの参加をお待ちしています。ACAは効果があります！

未承認原稿。ACA WSOの最終確認待ち。著作権はACA World Services, Torrance, California, USAにあります。

Unapproved Draft. Subject to final review by Adult Children of Alcoholics World Service Organization.

Copyrighted by ACA World Services, Torrance, California, USA.