深層強化学習
AIを用いたデバイス・ロボット制御技術を検討しています。図は、マイクロ流路を用いた粒子のサイズ分離デバイスです。理論的な最適制御条件が判明しているとしても、実際の稼働環境によってはずれが生じ、人による調整が必要となります。そこでカメラ画像とAI(深層強化学習)の組み合わせによって自立的に制御条件を探索するプログラムを提案しました。とくに「失敗したデータ」も学習データとして重みづけ調整のうえ採用し、少ないデータでの学習を実現する点を特徴とします。現在は、ロボットハンドやロボットカー、ドローンなどのマシンを対象とし、カメラやセンシング情報とAIを組み合わせることで外乱の多い環境でもロボットの動きを最適制御することをめざしています。また、ソフトロボットなどの制御方式が定まっていない分野も対象に制御やAIの検討をしていきます。
Fukada, K*.; Seyama, M. Microfluidic Devices Controlled by Machine Learning with Failure Experiments. Anal. Chem. 2022, 94, 19, 7060–7065. (IF=8.0) Suppl. Journal Cover.
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.analchem.2c00378
Reproduced with permission from the article. Copyright 2022 American Chemical Society.
テキストデータの学習
テキスト情報を用いたAIを検討しています。下記文献では、コーティング(製膜)に関する学術雑誌のテキストデータを学習します。製膜順序と膜の機能情報を収集し、所望の機能を実現する多層膜構造の候補を提案する深層学習プログラムです。とくに、下層に対して上層が製膜可能かどうかを化学物質の官能基の組み合わせで判定しています。テキスト情報は、著作権に注意する必要がありますが、科学技術分野に限らずこれまでの知識や経験を効率的に学習できる点で、センシングデータとは異なる観点での活用が期待できます。
Fukada, K*.; Seyama, M. Designing a multilayer film via machine learning of scientific literature. Scientific Reports. 2022, 12, 930. (IF=4.4)