ソフトロボット
従来のロボット・機械装置は、硬い素材で構成され、モータ等で駆動するため、関節による可動域の制限があります。柔らかい素材でロボットを構築することで、生物のような柔軟な動きが実現します。また、人間に近い暖かみのあるロボットが登場することが期待されます。当研究室では、ソフトマテリアルで構成されるロボットハンドや衝撃吸収材など、”柔らかさ”の特徴を活かした繊細な動きや変形を可能とするロボットの実現をめざしています。
図は、ロボットではないですが、ゼラチンと酵素で構成されたセンシングゲルで、化学反応によりバブルが発生します。酵素は食品中にも多く存在し、たとえば野菜や根菜類にも含まれます。バブルの発生を制御することで、微小な領域(たとえば消化管など)で利用する推進機にも転用することができると考えられます。このように柔らかい素材と化学・物理現象の組み合わせで駆動するソフトロボットを検討していきます。
Fukada, K*.; Tajima, T.; Seyama, M. Food-based Capacitive Sensors Using a Dynamic Permittivity Change with Hydrogels Responsive to Hydrogen Peroxide. Adv. Mater. Technol. 2022, 2200830. (IF=8.9) Inside Back Cover.
https://advanced.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/admt.202200830
Reproduced with permission from the article. Copyright 2022 Wiley.
3Dプリント素材
柔らかい素材の立体造形技術について検討しています。図は、3Dプリント用の素材ではないですが、活性炭、油、金箔で構成された可食の導電オレオゲルです。温度によって固体ー液体と変化し、粘着性もあるため、立体造形に転用できる可能性があります。市販の3Dプリンタでは素材のバリエーションに限りがありますが、任意のソフトマテリアルでロボットやセンサ等を作製する技術を構築していくことで、可食エレクトロニクス等の推進をめざします。
Fukada, K*.; Tajima, T.; Hayashi, K. Thermally Healable Conductive Oleogel Ink with Added Edible Gold-leaf Powders. ACS Appl. Electron. Mater. 2022, 4, 12, 6087-6093 (IF=4.5)
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsaelm.2c01209
Reproduced with permission from the article. Copyright 2022 American Chemical Society.