2024年かんむり座T星

2024年の2月から9月の間に新星爆発の予報が出されている「かんむり座 T星」(T CrB、CrB Tなどとも書きます)。世界中の天文学者とアマチュアが明るさの変化に注目しています。やまがた天文台でもモニタリングしています。

参考:アストロアーツ「いよいよ近づいてきた、かんむり座Tの80年ぶりの新星爆発」

最新の光度曲線

T CrB light curves -- Credit: T. Nakamori/K. Hashiyama/YAO (中森健之/橋山和明/やまがた天文台)

かんむり座T星について

かんむり座T星の位置

春の星空でひときわ明るく見えるのがうしかい座のアークトゥルス。春の大曲線や春の大三角の一角を担う一等星です。その脇にかんむり座があります。王冠の宝石になぞらえた2等星アルフェッカが目印です。

かんむり座T星はその端のほうにあり、通常は肉眼では暗くて見えません。

FAQ

観測について

機材等

やまがた天文台ニクニドームに併設された、スライディングルーフにある35 cm反射望遠鏡(Meade F8ACF)で観測しています。

冷却CMOS:ZWO 294MM Pro
Gain 120、露出20--30秒x5枚程度、4ビンまとめ、0℃程度に冷却

フィルタ:ZWO LRGBフィルタ

フィルタホイール:ZWO EFW7

撮影ソフトウェア:ASI Image

撮影データ例

2024年5月24日 Lフィルタ, 20秒

参照星

Aladin liteを見ながらGaia DR3のRP, G, BP等級をそれぞれR, G, B測光で参照している。Lについては5/21の最初のフレームの光度を基準として、相対変化を計算している。

どのバンドの20秒の露出でも測光値(ダーク・フラット補正+スカイ減算後)が10^4程度あってゆらぎの少ない恒星を参照星とした。それぞれの等級からT CrBの等級を求め、標準偏差をそのフレームの測光誤差としている。