山形大学と小さな天文学者の会

地域の科学教育に貢献しています

山形大学(特に拠点となる山形大学理学部)と、NPO法人小さな天文学者の会は、自然科学の振興と科学教育の推進のために連携協力に関する覚書を2004年に取り交わし、現在に至るまで日夜活動を行っています。年間受益者(一般市民)は1万人に達します。また、学生のサイエンスコミュニケーション教育にも貢献しています。

主な事業

  • やまがた天文台の運営

  • 小学校・公民館・博物館などへの出前事業

  • 講演会の開催

  • 星空案内人(星のソムリエ)講座の実施(山形および東京)

  • 星空観望会の実施

  • その他の星空・宇宙に親しむイベントの開催

小さな天文学者の会は天文愛好者の会ではなく、星空・宇宙をベースにユタから地域社会を作るための事業を行うNPO法人です。会員数は289名(2018年現在)で、山形県内にとどまらず関東地方など全国に会員がいます。


連携協力の精神に則り、東京海上を含め活動の様々な場面で大学や理学部の広報誌の配布など大学の広報も担っています。成果は中期計画報告書にも掲載されています。

大学やNPOが各々単独ではできないような科学振興、地域貢献事業が連携によって可能になっています。

大学で運営する全国唯一の公開天文台です。

定期的に公開する天文台を持つのは山形大学が唯一です。しかも、すでに17年の歴史を持つ公開天文台であり、広く市民に親しまれています。

毎週土曜日に、天候に関わりなく一般公開しています。星空案内人の資格を持つ担当者がガイドツアー方式で案内します。

天文台の観測装置は、理学部学部生・大学院生の教育用でもあり、第一線の天文学研究にも使われています。

星空案内人(星のソムリエ®)の資格認定

星空案内人(星のソムリエ®)は、豊かな知識と経験から美味しいワインを選んでくれるソムリエのように、星空や宇宙の楽しみ方を教えられるサイエンスコミュニケーターです。その星空案内人(星のソムリエ®)を育てる星空案内人資格認定制度の資格認定講座と資格認定を行っています。資格認定書を発行するのは理学部とNPO法人小さな天文学者の会の共同事業です。

星のソムリエ®は星空案内人資格認定制度運営機構が運営する商標です。

星空案内人資格認定制度とは

やまがた天文台の一般公開を維持するために、星空案内ができる人材養成を目的として教育カリキュラム(星のソムリエ®養成システム)が作られ、これをベースに資格認定制度に発展しました。その後、学術振興機構のモデル事業に指定され、2007年から全国の教育施設等に提供が始まりました。和歌山大学、琉球大学、岡山理科大学など大学のカリキュラムに星のソムリエ®を取り入れている大学もあります。

南は沖縄から北は北海道まで、全国で50の団体(科学館、大学、科学NPO法人など)で資格認定を行い、5000人以上の星のソムリエ®が活動しています。

科学教育・社会貢献を学生が学ぶ場です

活動の重要な部分を担う学生の皆さんはここで大きく成長します。学生の所属は理学全分野はもちろんのころ、工学部・地域教育文化学部・人文学・医学部・農学部に広がっています。科学コミュニケーションのキャリアを実体験から学びますが、理学・教育学の守備範囲である科学教育にトロマラ図。、NPO運営の中で社会政策の分野においても実践的な教育の場を提供しています。

実際に、難関とされる科学館・博物館・プラネタリウムなどの就職率も高い実績を誇ります。

科学館・天文台に就職した卒業生から応援メッセージ

郡山市ふれあい科学館 K. S.さん (理工学研究科博士前期課程修了)

私はこの会での活動を通して、自分が学んだことを「伝える」ことの喜びと楽しさを知りました。星空や宇宙には人類の歴史や科学のすべてが詰まっています。その魅力を、これからもこの会のみなさんと一緒に伝えていきましょう!

仙台市天文台 T. T.さん(理工学研究科博士前期課程卒業)

会の活動で身につけた知識や星空案内の経験は、現在も観望会やプラネタリウム投影で活かせています。学生だけでなく市民の方と一緒に活動してきたことで、自身を持って社会教育施設で働くことができています。