りゅーとぴあの演劇企画課は、単なる演劇の企画制作の部署ではありません。演劇や能楽を軸に、地域社会と深く関わりながら、市民の皆さんに感動や作品をお届けしています。りゅーとぴあが市民の皆様にとって文化を楽しむ一つの場所として、これから先の未来も続いていけるようにつなぐ仕事です。
私たちが手がけるのは、プロフェッショナルによる演劇作品の上演だけにとどまりません。能・狂言といった日本の伝統芸能を現代に伝える公演の企画・運営や、市民が自ら身体を動かして体験するワークショップの開催、さらには小中学校へ出向いて演劇や能楽を届けるアウトリーチ活動まで、多岐にわたります。ここでは大きく4つに分けてご紹介します。
優れた作品を市民に届け、地域における舞台芸術の鑑賞機会を提供しています。
演目の選定は、企画会議にて演劇企画課の職員みんなで考え、予算の編成、制作元や舞台スタッフとの調整、広報戦略やチケット販売計画の設計など、多くの工程を経て上演に至ります。
作品は、現代劇・古典・実験的な作品など多岐にわたり、制作会社や劇団との密な連携によって、新潟での公演が形作られていきます。公演制作は何か月、時に何年も前から準備を進めていく地道なプロセスです。
完成した作品が観客の心に届き、感動を呼び、作品の記憶がこの地域における文化として積み重なっていく──その瞬間を生み出すことが、この仕事の大きな魅力です。
りゅーとぴあは数ある公共ホールの中でも能楽堂を備えるめずらしいホールです。伝統的な建築様式の能楽堂を備えることから、能楽(能、狂言)事業も行っています。
日本の伝統芸能である能楽の魅力を市民の皆様に届けるため、りゅーとぴあ開館当初から継続して公演を行ってきました。「春の能楽鑑賞会」「秋の能楽鑑賞会」「野村万作・萬斎狂言公演」を主軸として、能楽そのものを楽しむ機会を定期的に実施するほか、能楽講座など能楽を普及する様々な事業を実施しています。さらに、ハードルが高くなりがちな能楽公演をより分かりやすく楽しめるような企画を考え、準備段階から当日の運営まで一から公演をつくり上げています。
能楽師とアイデアを共有し、共に新潟での能楽の普及を進めていく。そのために、理解や協力を得ながら事業を進めていくことは、お互いの信頼の積み重ねがあってこそ。専門ホールの一つである能楽堂を存分に生かし、伝統文化を未来につなぐ、やりがいを得られる仕事です。
演劇企画課では、「観る」だけでなく「体験する」ことで演劇の魅力をより深く知ってもらえるよう、ワークショップやアウトリーチ活動も積極的に展開しています。
ワークショップでは、演出家や俳優による指導のもと、参加者が演劇的な手法を通して自己と向き合い、他者とつながる体験を提供します。演劇の経験がなくても、表現する楽しさや他者と協働する喜びを味わえるよう工夫されたプログラムとなっています。
アウトリーチ活動では、演劇や能・狂言といった舞台芸術を、新潟市内の小・中学校に直接届けます。劇場に足を運んだことのない子どもたちにとって、目の前でプロのアーティストが繰り広げるパフォーマンスは、大きな驚きと感動の体験です。ただ観るだけでなく、一緒に身体を動かしたり、声を出しながら「演劇って楽しい!」「能楽って面白い!」と実感できる時間を提供しています。
ジュニア劇団APRICOTは、小学4年生から高校生までの子どもたちが演劇を通して感性や表現力を育む、子どもの劇団です。
現在は約50名の団員が、作品づくりを通じて豊かな感性や表現力を育み、ものづくりやチームワーク、コミュニケーションを学びながら、グループで作品を創り上げています。
担当スタッフは日々の稽古サポートはもちろん、毎夏行っている発表会の広報と販売促進を通してAPRICOTの活動を地域に伝えています。そして、子どもたちを支える保護者の協力も得ながら、家でも学校でもない子どもたちの「もうひとつの居場所」として継続的な活動をしています。
APRICOTの公演は、地域の大人たちにとっても新鮮な気づきを与え、「子どもだからこそできる演劇」の価値を再認識させる貴重な機会となっています。
これらの取り組みは、芸術の種を地域に蒔き、将来の観客や創り手を育む活動でもあります。
公演を「つくる」だけでなく、人と人、文化と地域を「つなぐ」。それが演劇企画課の仕事です。地域に根ざした芸術活動をともに支え、演劇や伝統芸能の魅力をもっと多くの人に届けたい。そんな思いを持った方と、ぜひ一緒に働けることを願っています。
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