立教大学理学部生命理学科

榊原研究室

植物の進化の様々なの解明をめざして研究しています

(詳しくは Our interests へ)

榊原研究室で主に実験材料としている植物たちを以下に紹介します

ツノゴケ Anthoceros agrestis

ツノゴケはセン類、タイ類と同様にコケ植物に含まれます。セン類ではヒメツリガネゴケ、タイ類ではゼニゴケがモデルとして用いられ、様々な植物科学の研究に用いられてきましたが、ツノゴケでは適切なモデルがありませんでした。Anthoceros agrestisはコケ植物ツノゴケ類のモデル植物として着目している材料です(総説: Frangedakis et al. 2020)。2020年にゲノム解読を報告しました (Li et al. 2020)。3ヶ月で全生活環を再現でき、ツノゴケはラン藻との共生能や、ピレノイドのある葉緑体、ツノ型の胞子体など興味深い特徴を持っています。Anthoceros agrestisによってこれらの研究が進められると期待しています。興味を持った方はご連絡ください。


News: 2021年7月 ツノゴケ日本語総説が出ました。

News: 20217月 ツノゴケAnthoceros agrestis形質転換のプロトコル論文が出ました。

News: 2020年8月 ツノゴケAnthoceros agrestisの総説が出ました。

News: 2020年3月 国際共同研究によりゲノム解読論文を発表しました

ヒメツリガネゴケ Physcomitrella patens

ヒメツリガネゴケは、陸上植物では例外的に高効率で相同組換えによる遺伝子ターゲッティングが可能なコケ植物セン類のモデル植物です。英国Gransden Wood で採取された1胞子由来の株(Gransden 2004)でゲノムが解読され(Rensing et al., 2008)世界中でモデル植物として使用されています。胞子が、発芽すると糸状の組織である原糸体が形成され、原糸体の分枝の一部から芽が形成され、茎葉体と呼ばれる茎葉構造を作ります。この茎葉体を低温短日条件下で培養すると頂端に生殖器官である造精器、のちに造卵器を形成します。造精器で作られる精子が造卵器に作られる卵細胞に到達すると、受精が成立し、胞子体が形成されるという体制をもちます。

最近、Physcomitrella patens Physcomitrium科に含まれることから、Physcomitrium patensに改名すべきと提唱されています(Rensing et al., 2020)。

ヒメツリガネゴケ

ヒメミカヅキモ Closterium peracerosum-strigosum-littorale complex

ヒメミカヅキモは陸上植物に最も近縁なストレプト藻類である接合藻類のモデルです。実験環境下で数日で全生活環を再現でき、遺伝子導入が可能です。陸上植物の発生に必須の遺伝子はヒメミカヅキモ にもあるのでしょうか。どんな機能を持っているのでしょうか。日本女子大学の関本先生との共同研究で研究を進めています。

ヒメミカヅキモ

Closterium peracerosum-strigosum-littorale complex

シャジクモ Chara braunii

シャジクモはストレプト藻類の仲間で日本では田んぼや湖沼で見つけられます。細胞が大きく、細胞質流動の観察などに適した材料とされてきました。2018年に日本の霞ヶ浦産のシャジクモのゲノムが報告されています (Nishiyama et al. 2018)。 金沢大学学祭化学実験センターの西山智明博士と神戸大学 の坂山英俊博士との共同研究でシャジクモの遺伝子導入系の確立を目指しています。

シャジクモ

Chara braunii

所在地 Access

〒171-8501

東京都豊島区西池袋3-34-1

立教大学理学部生命理学科 4号館 4211

bara[at]rikkyo.ac.jp([at]@に変換してください)までご連絡ください。