撮影助手は撮影開始時間より前に集まり、必要な機材のセッティング、準備を始めます。チーフは当日の撮影について、カメラマンからの指示をセカンド、サードに伝達して、使用する機材や設定についての確認を行います。またDITや制作部からバックアップ済みの収録メディア(クローン作成報告・消去許諾の確認済み)を受取りセカンドに渡します。そしてDIT、特機、照明部、その他の部署と当日の作業内容についての確認を行います。
セカンドはサードに必要な作業指示を出して、自身は主にカメラの準備を行います。カメラの撮影設定(動画サイズ、フレームレート、シャッタースピード、感度など)を確認をしてから収録用メディアを装填します。メディアに撮影データが残されている場合はそこで消去をしなければなりませんが、中身がバックアップ済みのデータかどうかを必ず確認します。記録されたクリップを開いて撮影日と記録されている映像(ロールナンバーやシーン内容)を確認して、問題がなければデータの消去を実行し、新たなロールとして最初(のクリップ)に日付とロールナンバーを撮影します。ロールナンバーの数字に間違いがないかスクリプターやDITと確認します。
サードは前日から充電している各種機材用のバッテリーがチャージアップされているかを確認して、完了したバッテリーを必要な機材にセットします。セカンドの作業を補助をしながら、撮影に必要な機材を現場で使いやすいようカートにまとめ、監督モニターやDITベースへの映像ケーブルの配線準備などを行います。
監督、カメラマンら全スタッフが予定集合時刻に集まり、その日の撮影がスタートします。まず俳優部が現場に入ってシーンの段取り(リハーサル)を行いますが、これが始まるまでに機材の準備は終わらせます。段取りに参加して、これから撮影する芝居の流れを確認しておくことは大事です。
段取りが終わるとカット割りを整理し、撮影の順序を決めます。撮影の順番は必ずしもカット番号順に進む(順撮り)のではなく、天候や俳優スケジュールの制約、制作的な効率の優先性など様々な事情によりバラバラになってしまうことがほとんどです。カメラマンは画のサイズ感、俳優の動きや目線、照明の方向性など前後のカットとのつながりに注意して撮影していきます。
カメラポジションへのカメラの移動はサードが行います。まずはカメラを立てるのに必要な三脚を準備します。カメラマンに言われてそこに置くのではなく、言われる前に自分で作る画を想像し、最良の場所に三脚を置くという習慣を持ちましょう。そしてサードは常に使う機材や道具を現場近くに揃えておき、必要があればすぐに取り出せるよう整理整頓をこころがけます。太陽やライトの光がレンズに入り、レンズフレアが発生する時は黒フラッグなどを使ってレンズ部分を遮光します(ハレ切り)。
セカンドは主にレンズのピントや絞りの操作、レンズ、フィルターの交換作業などをおこないます。常にカメラが正しい設定になっているかを確認し、カメラマンやチーフから撮影コマ数やシャッタースピードなどの設定変更を指示された時はセカンドがカメラのメニューを操作します。セカンドはテストの時に俳優の芝居をよく観察しなければいけません。俳優の動きに合わせてレンズのピントを合わせるためです。俳優がどんなに素晴らしい演技をしても映像のピントがボケてしまっていたら台無しです。本番前にスケールを使ってカメラと俳優の間の距離を測ります。その他にもフレーム内にバレ物(衣裳につけたワイヤレスマイク、俳優のフットマーク、ガラスに映ったスタッフなど)が無いか注意し、発見した場合は担当者に修正するよう伝えます。本番前に絞りの数値をチーフに確認して合わせます。
撮影終了後は速やかに現場から機材を撤収します。機材をロケ現場に置き忘れてしまったなどということがないよう撮影で使った場所は必ず点検して回ります。
撮影された収録メディア(撮影済み)はその日に行われた全作業の成果
が集約された大変重要なものです。撮影済みのトラブルは絶対にあってはならないことで、その取り扱いには常に細心の注意が必要となります。
その日の撮影が終了した時点で、誤ってデータを消去してしまうのを防ぐために収録メディアにロックをかけます。メディアの中に収録されたクリップ数やデータ容量を確認後、カメラから取り出して専用のケースに格納します。そしてそれを撮影日とロールナンバー、クリップ数、データ容量などを記入した撮済みの内容を書いた表とともに運搬用のケースに入れ、DITまたは制作部に渡します。渡す際は責任を明確にするために授受の書式を作り、それにサインします。いつ誰が、撮影済みを何本、誰に渡したのかがわかるようにしておきます。
収録メディアは磁気や静電気に弱いです。メディアの受け渡しをする際は、ケースに入ってない状態のメディアを素手で手渡しすると静電気が発生しやすく、大事なデータが破損する恐れがあり大変危険です。
撮影後の作業としては、チーフは撮影した内容についてデータを整理し、セカンド、サードは機材のメンテナンスを行います。日々のメンテナンスは機材トラブルで撮影現場を止めないためにも欠かせません。主にセカンドはカメラボディやレンズを、サードはカメラアクセサリー類、三脚・ヘッド、などを点検・清掃します。使用したバッテリーの充電、消耗品類の確認なども行い、翌日の撮影で必要なものが準備できたら終了です。