日本の映画制作の現場ではほとんどの場合、撮影と照明が独立した部署になっていて、それぞれに技師がいます。しかし異なった表現意図を持って仕事をすることはあり得ず、一体を成して撮影を行わなければなりません。どのように光や影をコントロールして作品の印象を作っていくのか、明暗のバランスや光の質(硬さ・柔らかさ)、色の使い方、自然光の生かし方など撮影設計に基づいた認識を共有して適切な準備をしていきます。
カメラを動かして撮影するための移動車やクレーン機材、劇中の雨・風などの視覚効果を扱う部署。操作技術や安全面の知識を持ったオペレーターが担当します。オペレーターにカメラワークの方針を説明し、必要な機材の準備を進めていきます。
撮影部の編成は一般的に次のような役割分担があります。
*ファースト・アシスタント
撮影チーフと呼ばれる。撮影助手をまとめ、機材会社やポスプロとの連絡業務を行う。現場では露出計で光量計測などを行い、照明部と連携をとる。Bカメラの撮影を担当することもあり、カメラマンの意図をしっかりと理解していなければならない。
(持ち物/入射式露出計、反射式露出計、カラーメーター、カラービューイングフィルターなど)
*セカンド・アシスタント
フォーカスマン、ピントマンと呼ばれ。カメラレンズのピントをカットごとに狙いの位置に合わせる。撮影時はフレーム内にバレ物が無いかなどにも注意を払う。主にカメラやレンズの管理を担当する。
(持ち物/スケール、被写界深度表、ブロアー、レンズクリーニングペーパー、レンズクリーニング液、水準器、ペンライトなど)
*サード・アシスタント
現場での機材運びから、モニターなどのケーブル配線、バッテリー管理ほか。セカンドとともに機材全般の管理。
フイルム撮影ではサードはフイルム管理を担当。
(持ち物/パーマセル、ブロアー、マイナスドライバー、マジック、ハサミ、無水エタノール、ガーゼ、黒紙、革手袋など)
*フォース・アシスタント
撮影部の見習いがつくポジション。監督モニターの移動や、映像ケーブルの配線から始まり、セカンド・サード業務の補助をしながら仕事のやり方や機材の使い方を身につけていく。
(持ち物/軍手、BNC変換コネクタ、ケーブルタイ、ビニールテープ、小型電源タップ、ウエスなど)
デジタルイメージテクニシャン(Digital Imaging Technician)が正式名称。撮影素材の一貫した管理を行う重要な職種で、現場ではディー・アイ・ティー、ディットなどと呼ばれています。映像記録がビデオテープからファイル収録へ移行(ファイルベース化)して誕生しました。撮影部の一員として現場に入ることが多いです。
以前からあるVE/ビデオエンジニア(Video Engineer)とは映像技術を担うという点では同じですが、VEがビデオ信号を扱っていたのに対し、DITはメディアファイルの管理をする点が大きく異なり、従来の映像技術に加えPC・ソフトウェアに関する知識なども必要となってきます。
(DITの主な仕事内容)