作品全体のイメージがつかめてきたら機材発注表を作ります。
メインカメラに関しては納品フォーマットや制作予算との兼ね合いもありますが、必ずしも高額な機材が良いということでなく、手持ち撮影が多くなりそうな作品の場合は機動性の良い小型で軽量なカメラ、ハイスピード撮影が必要な作品であれば何コマまで可能であるかなど、色々なカメラの特徴を理解した上で選択します。デジタルのカメラはフィルムカメラの時に比べると多くの種類があり、新機種への更新も度々行われるのでカメラ機材に関する情報は常に入手しておく必要があります。
ロケーションハンティングの略で、作品にあった撮影場所を探す作業のことです。まず制作部が台本の内容を理解し、それにマッチした候補地を探します。そして候補にあがった場所をメインスタッフが実際見に行きます。どのような背景があるのか、俳優が芝居をする時どう動くことができるのか、美術、カメラや照明の配置についても検討します。もし時代劇のような作品であれば、現代建築物のような設定上そこにあってはいけないものをどう処理するのかも考えなくてはいけません。カメラアングルでフレームに入れないようにして成立するのか、美術的加工で隠すのか、CGによって後で消す処理をするのか、という具合です。ロケ地の日照条件や電源、電灯などの地明かりについても同行している照明部と確認します。クレーン機材の使用や広範囲での雨降らし、高所作業車などの重機を使用する大がかりな撮影をする場合は、技術パートを中心にロケ地で機材の設置場所や搬入路、電源車の位置や配線などについて確認する技術ロケハンを行うこともあります。
(ロケハンに持って行くものの一例)
最近は手軽なモバイル機器アプリを使用する人が多くなりましたが、事前に精度の確認はしておいたほうが良いでしょう。
セットを組む場合、美術デザイナーが事前に図面やイメージプランを出して監督と検討しますが、カメラマンもカメラポジションや照明の配置について考え、意見を出します。
監督と美術パートとの台本に沿った打合せで、カメラマンも参加します。美術・装飾・衣裳・メイク中心の打合せになりますが、ここで監督の意図を再確認します。シーンによっては想定している撮影方法、カメラのポジションなどについて説明し、撮影時に現場が円滑に進行するよう各部に理解してもらうことも必要です。
監督とともに参加して、衣裳の色味など確認します。俳優部が来て作業を行うので、役作りについて監督と話しているのを一緒に聞いたり、表情の見え方を検証したりします。
ポストプロダクション作業が円滑に進むように制作会社・ラボ・関係部署(撮影・録音・スクリプター・編集・VFXなど)がクランクイン前に集まり打合せを行います。カメラ機材や編集機材が決定していないとできません。撮影画面サイズ、フレームレート、撮影ロールの管理法、撮影データのバックアップや編集用ファイルのことなど様々です。また納品までの作業スケジュールについても確認する必要があります。
作品中でVFX(視覚効果)を使う場合、撮影前にどのようなイメージの画を作ろうとしているのか、監督を中心に話し合います。VFXカットがどれだけあり、それがCG作業なのか合成処理になるかなどVFX担当者と細かく確認しておきます。また撮影時に気をつけなければいけないこと(手持ち撮影時の注意点、撮影解像度、撮影データの収集など)も確認します。
グレーディングとは撮影された映像をデジタルデータ上で色補正する作業のことです。ポストプロダクション段階で行い、カラリストと呼ばれる色調整に精通したオペレーターが担当します。撮影前にカラリストとどのようなルック(画調)で作品を仕上げていきたいのか打合せをし、撮影方法や現場で使うLUTについても意見を交換します。
デジタルシネマカメラは広いダイナミックレンジを扱えるLogやRaw収録が可能。しかしこれらは撮影したままの状態では映像表現としては不完全で後にグレーディング作業を行うことが前提となる。
グレーディングが行われる前の撮影現場ではLUT(ラット)と呼ばれる簡易プレビューデータを使って、意図しているルックに近い状態をカメラのファインダー、監督用モニター、DITのデイリーなどに反映させている。英語(Look Up Table)の略。
カメラセンサーの持つダイナミックレンジをできるだけ活かす収録方法。グレーディングすることを前提とした撮影方法。撮影時はコントラストの低い状態で記録されているためプレビューにはLUTが必要
RGB化される前のあらゆる光の情報をそのまま記録する。扱うデータ量が大きくなる。グレーディングが必要。
使用する撮影機材の性能を検証するためのテスト撮影。撮影部が中心となって準備期間中に行います。グレーディングルームにあるDCI仕様のプロジェクターでスクリーン映写してチェックします。もし問題が見つかったらその機材はすぐに交換してもらい、再度テストを行います。
(メカテストの一例)
ディー・シー・アイは(Digital Cinema Initiatives)の略称。デジタルシネマ普及のため、コンテンツや機材に関する統一した規格を作ることを目的とした組織。DCI仕様とはこの団体が策定した規格のことで、映像の解像度(4K/4096×2160、2K/2048×1080)やフレームレート(24fps、48fps)、色深度(12ビット)など詳細に定められている。
自分がイメージしている映像が監督の意図しているものになっているのか実際にカメラで撮影して検証します。本番を想定したライティングで撮影、グレーディング作業も行い試写します。俳優のメイク、美術的な色味の確認、映像効果、VFX等々、必ずやらなければいけないことではありませんが、準備中の限られた時間でやらなくてはいけないので、内容については精査する必要があります。
シーンごとにどんな撮影をおこなうか表にしたもの。撮影感度や色温度、レギュラー機材の他、そのシーンだけ使うオプション機材、雨・風などの特機なども記入します。
撮影前に全スタッフが集まる打合せ。スタッフ同士の顔合せ、部署間の連携確認をします。演出部から撮影スケジュールの決定が出されるので、撮影プラン表をもとにオプション機材等の予定を組みます。仕上げのスタッフも参加するので仕上げ作業工程についても確認しておきます。
この日に撮影の安全祈願(お祓い)が行われることが多いです。