周期表に示されるように、自然界で安定に(人工で作られた不安定元素を除いて)存在できる元素は91種類あります。個々の物質は違った構造(結晶構造)や、その構造の中での原子の位置(原子配置)、元素の種類が異なります。仮に、構造は同じですが原子の種類が異なる2つの物質を比較したとします。原子の種類が異なれば、物質内部に存在する電子の数や特徴も変わってしまうため、2物質は全く異なる性質を持つ可能性もあるわけです。
このように、様々な元素の組み合わせで構成される物質の数は無限に考えられます。しかし、組み合わせを色々変えながら物質合成の実験を進めても、実際に安定して存在可能な物質は無限に存在しないことが分かります。現在、実験家の協力を得ながら、安定に存在できる物質の可能性をコンピューターシミュレーションを用いて解析する研究を行っています。