講義資料を配布する際に著作権が気になる場合の簡単な対処法
コロナウイルスの影響でオンライン講義を行う小中高校・大学が増えている中、これを機に本学でもGoogle Classroomを利用する教員が増えてきています。その中で「自分が作成した講義資料を学生が勝手にネットへ流出しないか」、「著作権に違反していないか」という疑問に対し、どのような対策があるか考えていたところ、簡単な方法があったので紹介します。
結論から言うと、Google Classroom上で解決するのではなく
G Suiteのファイル共有設定をうまく利用するという方法です。
まず教員の設定から見ていきたいと思います(手順1〜7)。
1. Google Classroomで講義資料を配布する。
今回は「20200507_ITS.pdf」を既に配布済み。
2. Google Classroomで利用しているアカウントのGoogle Driveを開く。
3. 配布した「20200507_ITS.pdf」をクリックまたは右クリック。
既にClassroomで共有されているため、人形マーク(👥)が表示されている。
4. 手順3でクリックした場合は右上の人形マーク(👤+)をクリック。
手順3で右クリッした場合はShare(共有)か右上の人形マーク(👤+)をクリック。
これ以降の設定がとても重要です。
5. Classroomで生徒・学生と共有済みのファイルは、「閲覧のみ」の初期設定です。基本的にはこれで問題ありません。設定を変更したい場合は、赤のボックス「can view」をクリックすると共有範囲を制限することができます。
6. 「Advanced」をクリック
7. 手順5で述べたように、学生の権限は「閲覧のみ」(目👁のマーク)。
青のボタン「Done」のすぐ上にあるボックスにチェック☑️を入れる。
これで学生による資料の「ダウンロード、印刷、コピーは不可」となる。
学生の権限が「編集可能」(🖋)になっている場合は、その上のボックスにもチェック☑️を入れることで、ファイルが他人と勝手に共有されることはなくなります。
次に学生側からみた共有ファイルの閲覧状況です。
スマートフォン、タブレットで閲覧した場合(8~15)と
PCで閲覧した場合(16~19)の2パターン見ていきます。
まずはスマートフォン、タブレット上での閲覧。
8. Google Classroomのアプリを開き、配布された資料をクリック。
9. Classroomアプリではpdfは開けない。
10. 右上のボックス↗️をクリック。
11. (インストールされていれば)自動的にGoogle Driveのアプリへ移動。
12. Google Driveで閲覧ができる。
13. 右上の「…」をクリックすると、「コピーを作成」の項目が選択できないようになっている。これは手順7で「ダウンロード、コピー、印刷不可」に設定したため。
14. オフラインで使用可能にする」をクリックすれば、フラインでも閲覧可能。
15. 「オフラインで使用可」になった。コピー、印刷は不可のまま。
今度はPC上での閲覧。
16. 学校・大学から配付されているGoogleアカウントにログイン後、Google Driveを開き、Classroomフォルダから配布資料を選択。
17. 配布資料を開くと問題なく閲覧できる。
18. 「印刷」のマーク🖨は選択できない設定になっている。
19. 「...」をクリックすると、ダウンロードやコピーの項目はない。
当初は無料のPDF編集ソフトウェア等でパスワード設定やJavaScriptを用いた閲覧期限の設定も考慮してみたのですが、
・誰でも簡単に設定できるものではない
・パスワードが分かれば誰でもファイルが開ける
・印刷できてしまう
等の問題があり、根本的な解決に繋がらないことに気づきました。
今回の方法であればボックスにチェックマーク☑️を入れるだけで誰でも簡単に設定できるため、オススメです。
また、今回はGoogle Classroomの配布資料に関する内容でしたが、このチェックマーク☑️を入れる方法は、どのファイルにも適用できるため、会議で利用する要回収資料等にも応用でき、覚えておくと便利な機能だと思います。