がん・膠原病治療と不妊症の関係
卵巣は妊娠に必要な卵子がたくさん存在していますが、卵子は出生後減少する一方で再生したり増加したりすることはありません。一方、化学療法や放射線治療により卵子は死滅し卵巣機能が低下することが分かっています。日本人の平均閉経年齢は約51歳といわれていますが、化学療法や放射線治療により、若い女性でも閉経と同じ状態となってしまうことがあります。化学療法とは、いわゆる抗がん剤による治療で、抗がん剤の種類や量、投与された年齢により卵巣に対するダメージが異なります。
卵巣凍結保存とは
聖マリアンナ医科大学産婦人科では、2009年12月に院内の倫理委員会の承認を受け、妊孕性温存治療として卵巣凍結を開始しています。化学療法や放射線治療の前に手術にて卵巣を摘出して凍結保存しておきます。治療が終わった後、凍結しておいた卵巣を融解して手術にて体内に移植し、卵巣を再度回復させることを目的としています。この治療方法により、2004年にはホジキン病の患者さんで卵巣機能が回復し、出産ができたという世界で初めての報告がありました。現在、2014年までに世界各地で60人の出産例が報告されていて、現在も増え続けています。まだ、研究段階の治療ですが、化学療法や放射線療法により不妊症になるリスクが高い患者さんの希望につながる治療です。詳細については、がん・生殖専門外来にてご質問・ご相談ください。
卵巣凍結保存の外来診療について
悪性腫瘍や免疫疾患の方の卵子凍結・卵巣凍結については毎週火曜のがん・生殖外来にてご相談を承ります。ただし大変混み合いますので、紹介状をお持ちになって紹介医の先生から当院の地域連携室に直接ご連絡いただき、予約をとってから受診していただくようにお願いいたします。