早発閉経、がん・膠原病治療後のための卵子凍結保存
近年、若年女性がん患者さんが化学療法や放射線治療を受けられる前に卵子を体外に取り出すことによって、治療による生殖細胞への影響を回避する方法が試みられています。女性として生殖能力を有する年齢にある場合、化学療法や放射線治療により、治療後に性腺機能が著しく低下あるいは消失した場合に、不妊となることが知られています。
また早発卵巣不全(早発閉経)と診断された場合、卵胞が形成される頻度が発症後から急速に低下してしまうことから、妊娠に対して時間的猶予がなくなることがあります。未婚の患者さんの場合、治療前に卵子を採取して凍結保存することによって、治療寛解後に妊娠できる
可能性を残すことができます。(当センターではご本人の希望による卵子凍結は行っておりません。)
リスクと実施状況
成熟卵子の凍結は受精後の胚凍結に比較して、凍結時の浸透圧変化による物理的影響を受けやすく融解後の生存率や妊娠率が低いとされていました。しかし、卵子凍結融解技術の飛躍的な改善により、受精率ならびに妊娠率は新鮮卵子と凍結卵子で同等である可能性が示されました。2013年ASCO(米国臨床腫瘍学会)の見解では、卵子凍結はもはや実験的な妊孕性温存方法ではないと明記されています。当センターにおいては、化学療法や放射線療法が予定されている方や早発卵巣不全のリスクがある方に、妊孕性温存治療として卵子凍結を行っております。詳細については、がん・生殖専門外来にてご質問・ご相談ください。
卵子凍結保存の外来診療について
早発卵巣機能不全の方の卵子凍結については月~金の生殖外来にて、悪性腫瘍や免疫疾患の方の卵子凍結・卵巣凍結については毎週火曜のがん・生殖外来にてご相談を承ります。
ただし大変混み合いますので、紹介状をお持ちになって紹介医の先生から当院の地域連携室に直接ご連絡いただき、予約をとってからの受診をお願いいたします。