当科について

教授ご挨拶

主任教授・診療部長 古田 繁行

私は2022年4月に小児外科主任教授を拝命しました。

大学病院は臨床以外の仕事も多く、卒前教育では講義や臨床実習に始まり、試験問題や実習スケジュールも作成します。臨床研修センター長を兼任していますが、100人越えの大きな組織の運営は一人の力では何もできないことを実感しています。私の課題は、小児外科医の育成と共に自身も成長することです。

私は聖マリアンナ医科大学で故・中田幸之介前教授のご指導のもと[学問]の大切さを、北川博昭教授からは[LIFE]を学びました。この伝統を守りつつ、大学病院という特色を生かした先端医療も取り入れ、若手からベテランまで全員が活躍できる、少数精鋭(多数も可)なプロ集団を目指しております。


ご挨拶

学長・顧問医 北川 博昭

昭和48年4月、聖マリアンナ医科大学に第3外科学教室が誕生し、小児外科は心臓血管外科・胸部外科と並び一診療区分を担当することとなりました。1994年(昭和49年)、菅生キャンパスで診療が開始され、6東病棟が我々の外科系小児病棟となり、現在まで引き継がれております。1997年(昭和52年)、第三外科学講座内に小児外科診療科の開設が認められました。それからの我が小児外科学分野は、少数精鋭によって以前にも増して診療・研究・教育に熱中し、多忙ながらも大変充実した日々が絶えることなく過ぎていきました。開院時の小児外科医はわずか3名で、日夜の激務で疲れ切った3人が、新たな緊急手術に呼び出された際、術中に手術方針をめぐって介助者同士が喧嘩状態に陥ったこともありました。

初代故中田幸之介名誉教授が、2006年までの前半期に学問を中心に教育を重視した小児外科教室の土台を築き、2006年から私が引継ぎ、あっという間の15年間でした。もっとも誇るべきは、小児外科分野の担い手が本学出身者のみならず他大学の意欲溢れる若手医師たちを交えて構成されており、互いに研鑽を積んで順調に研究成果を挙げ、本学の名を高めてきたことです。これらの活動は、たとえ大学全体としてはささやかな活動であったとしても、大学における医学教育の根幹を成すものであります。

本学の特徴は、神奈川県に4施設しかない日本小児外科学会の認定施設であり、横浜市西部病院は教育関連施設Aに認定されています。現在、小児外科指導医は西部病院と合わせて5名、小児外科専門医も10名となりました。また、川崎市唯一の総合周産期母子医療センターを持った医科大学で、母体や胎児・新生児に生じがちな突発的な事態に24時間体制で対応し、高度な専門医療を提供する母子のための救命救急センターとして機能しています。

研究面では、大学院生には勉強のできるベットフリーな時間を与え、新型コロナウィルス感染拡大前はニュージーランドのオタゴ大学との国際共同実験を毎年おこない、羊を用いた胎児治療をおこなっていました。その他、大学病院では初めて勤務犬を導入し、小児外科医がハンドラ―として活躍し、現在は大学の一つのシンボルとなっています。

ぜひ、夢のある小児外科を一度覗いてみてはいかがでしょうか。