2025.10.31
andiron は「薪架(まきうま)」を意味し、薪架とは薪を置く台のことを表すようだ。『英語語源辞典』によると1309年の初出で、中英語期の語形は主に andir(en) であった。古フランス語の a(u)ndier から借用され、ゴール語の *andero-「若い雄牛」に遡るが、薪架をしばしば動物の頭でかざったことに由来するという。
古フランス語の語形が a(u)ndier であるのに対し、中英語では andir(en)、現代英語では andiron となっているが、この綴字は早くから yre(n)(現代英語の iron)と連想されたことによるとされている。また、フランス語においても古フランス語の a(u)ndier から近代フランス語の landier への変化が起きている。こちらは定冠詞の le と andier が縮約した l’andier から、異分析により1語の landier となったことによる。
参考文献
「Andiron, N.」寺澤芳雄(編集主幹)『英語語源辞典』研究社、1997年。
キーワード:[folk etymology] [analogy] [French]