未病改善

専門家による医療、検診行為と地域住民による未病改善行為とのシームレス化にむけたのりしろづくり

神奈川県の未病改善に関する定義

「神奈川県では、心身の状態を健康と病気の二分論の概念で捉えるのではなく、「健康」と「病気」の間を連続的に変化するものとして捉え、この全ての変化の過程を表す概念を「未病」としています。 日常の生活において、「未病改善」により、心身をより健康な状態に近づけていくことが重要になります。」

kazaplaの未病改善に関する目論見

kazaplaの参加度合2以上の登録者は「多世代未病カルテ」に登録できます。未病改善は、高齢者に限らず幼児、子育てママ、働き盛り、夫々の世代で意味ある行為であることから、多世代未病カルテとkazaplaは命名しました。「多世代未病カルテ」に、専門家による医療・検診行為と、地域住民による未病改善行為とのシームレス化(≒連携強化)を図るためののりしろの機能をもたせます。こののりしろ機能とは、例えば、日常的な未病改善行為(例:貯筋体操、多世代参加型の食卓)の場で持続的に測定される「未病カルテ項目」 の情報を、第三者の医療専門家が定期的に確認し必要に応じた予防医療の受診を該当する登録者に推奨する機能、生活習慣起因の疾患に対する急性期医療(例:動脈硬化、脳梗塞、心不全、慢性閉塞性肺疾患 (COPD)、うつ、高脂血症)完了後の持続的な生活習慣改善を専門家と連携しながら支援する機能等です。地域住民が主体となり、こののりしろ機能を運用することにより、専門家による医療・検診行為と、地域住民による未病改善行為とのシームレス化を実現し、地域の医療介護給付費の適正化に資することが、kazaplaの目論見です。

登録者の「参加管理台帳」の記録と「多世代未病カルテ」の記録とを連携し見える化する期待効果の目論見は、以下となります。

    1. 登録者が自律的に未病改善に取り組む一つの判断材料となる。

    2. 多世代未病カルテから収集した統計的に有意なエビデンスをもとに、地域特性を生かした未病改善に繋がる参加機会の形成にむけた熟議が可能となる。そして、同エビデンスをもとに、未病改善による介護予防の効果(例:要支援・要介護レベルの改善、医療・介護費用の適正化)測定と連携させたPDCAサイクルの構築が可能となる。

    3. kazaplaは、登録者のもとめに応じ「参加管理台帳」の記録と「多世代未病カルテ」の記録とを統合した「社会参加・未病改善活動実績報告書」を作成できる。ケアマネが、仮に、登録者のケアプランを担当して作成する際、登録者の「社会参加・未病改善活動実績報告書」を参照し、これまでの地域での活動・人と団体との繋がりを配慮したケアプランの作成が可能となる。加えて、医療機関が登録者の治療行為を実施する際、治療後の地域における未病改善の実施状況に関する参照情報となる。

    4. 地域住民は、多世代未病カルテと連携させた多様な社会参加機会の形成にむけての連帯と協働ができる。

    5. 現在、支援の必要な高齢者を対象とした「独居者安否確認」、「認知症等行方不明SOSネットワーク」、「災害時要支援者避難支援プラン」等の支援プログラムの運用は、異なる運用主体が縦割りで実施され地域横断的に連携した運用は存在しない。Cloud上に存在するkazaplaの「多世代未病カルテ」と、これら支援プログラムとを名寄せし連携させ、一元的な運用に移行すれば地域内に分散居住するディジタルリテラシーのある担い手・登録者との即時の情報共有が可能となるので、支援が必要となった対象登録者への面的、多角的な支援が可能となる。

    6. kazaplaは、地域住民と地域の専門家から構成される倫理委員会を編成し、多世代未病カルテの運用の公正さを担保する。

多世代未病カルテ素案

下表左縦枠は、多世代未病カルテ項目の素案である。血圧・脈拍以外は、一般的な定期健診の対象とはならない項目であるが、未病状態を把握する上で有意と考えられる。

右縦枠は、未病改善評価要素の素案である。多世代未病カルテの運用は、地域住民による社会参加、生活支援・予防介護サービスとの連携を重視して行うので、評価要素案には、社会参加機会持続、独居者の社会参加増を組み入れた。未病状態の見える化と社会参加機会と連携させ、登録者が予防医療を早期に受診すること、生活習慣改善の持続により重篤疾患を予防的な回避を支援したい。

上表横枠上は暫定的な利用者属性であり、幼児・児童、子育てママ、働き盛り、独居者、高齢者とした。横枠下は現在の登録団体である。

試験運用に向けて

現状、血圧・脈拍、担当者の所見を記録している登録団体もあるが、未病改善については未配慮の団体もある。kazaplaは、各登録団体が、未病カルテへの登録の意味を利用者と協議、属性ごとに適用対象とする項目の適正さ、目的主義的合理性について、専門家を交えて熟議し、地域の未病改善活動に資する自団体の機能、役割を考慮することを推奨する。

kazaplaは、この素案と目論見にもとづく試験的な運用を開始し、その過程において、登録者、関係者、専門家からの意見を聴き、カルテ項目、評価要素、利用者属性の妥当性を持続的に検証する。そして、主旨に賛同する登録団体と登録者を拡充し、地域における未病改善活動の活性化する。


多世代未病カルテ