【要点】
・裁判で勝った場合でも、それまでの精神的(裁判に対するストレスや生活への影響など)や金銭的(弁護士費用など)な負担がかかるため、負担を考慮して訴訟の提起を検討する必要がある。
トラブルがある時、相手に主張できる権利があるとして、何でもかんでも裁判をすればよいかというと判断が難しいと思います。
裁判を起こすと、相手とこれまでの関係を維持することは難しくなると考えた方がよいでしょう。例えば職場での争いや、隣人関係のトラブルについてはかなり悩むかと思います。人間関係に影響が出たとしても、ご自身の主張を裁判という公の場で主張し、権利を守るということは大事なことですが、最終的には総合的に状況を見て判断することになります。
なお、裁判所の手続きも種類があり、「民事調停」という手続きであれば、裁判よりは比較的、利用しやすく、勝ち負けというより相手との話し合いで解決すること重視しますので人間関係を意識した場合でも有効な方法の一つです。
以下は裁判を起こすことを前提に記載します。
気持ちの部分、すなわち金銭的には損をするかもしれないけれど相手には裁判という公の場でちゃんと言う、ということを重視するのであれば裁判を起こすことは大変意義のあることだと思います。書面やメールで連絡しても反応せず、無視されてしまってはどうにもできませんが、裁判所から書類が来たら普通は反応するでしょうから。
とはいえ、裁判を起こすことには上記に記載した人間関係の留意点を除いてもデメリット、逆にメリットもあります。
裁判を提起するかについて金銭的などの負担を考慮した面から検討した場合のお話をします。
一般的に計算式として、
【A:裁判で認められ回収できた金額】
―【B:裁判費用(裁判所印紙や郵送費、旅費※弁護士を利用した場合弁護士費用)】
―【C:心身の負担(金額に算定できないかもしれませんが)】
=【D:裁判で得られた最終的な金額・メリット】
⇒Dがプラスでなければ損をしてしまいます。
最終的にご自身で判断することにはなりますが、どこを重視するかによって式の結果は変わってきます。
例えば、Cを軽減しようとすれば弁護士に依頼して裁判に関することをすべてやってもらうこともできます。ただ、弁護士費用がかかるのでBが膨らみます。逆に、Bをなるべく安く済ませようとして代理人弁護士を用意せずに自分で裁判するとした場合Cが膨らみます。このバランスの検討が裁判との関わりを考えるヒントになるかもしれません。
【要点】
・弁護士などに依頼すればすべてお任せし、解決へと動いてれることは大きなメリット。
・弁護士などに訴訟代理人を依頼すると、それなりの費用がかかることが通常である点がデメリット。
メリット
⇒“すべてお任せ”ということです。基本的には、ご自身は代理人である弁護士や認定司法書士(簡易裁判所における民事裁判)と打ち合わせするだけで手続きが進んでいきます。そのため、ご自身に専門知識は不要ですし、解決方法は専門家が考えてくれます。
デメリット
費用がかかることです。弁護士も司法書士も一般的には同じ計算式ですが、支払う手数料は「着手金」+「成果に応じて成功報酬」です。
したがって、勝訴なりしてご自身の希望が叶ったとしても相手から回収した金額の何割かは弁護士や司法書士への報酬に消えてしまいます。少しでも勝つ確率を上げたい、自分でやるには時間がない、自分でやるには手続きや知識的に不安である場合には、専門家への依頼を迷わずされるのもよい選択肢だと思います。
ただし、このホームページでも記載しているように、比較的ご本人様での訴訟がしやすい事案や裁判所の手続き案内や弁護士等の無料相談を活用するなど、ご自身で裁判を進める可能性があるのであれば、それぞれのメリットやデメリットを考えながら、ご本人様訴訟を選択するということも有効です。
【要点】
・弁護士はすべて法律事件を扱うことができ、すべての事件で訴訟代理人になれる。
・すべての司法書士は裁判所提出書類(裁判所提出書類に作成制限はない)の作成ができる。また、法務大臣の認定を受けた「認定司法書士」は簡易裁判所での事件に限り、訴訟代理人になることができる。
①弁護士はすべての法律業務について代理人となる資格があります。法律相談、すべての裁判手続きについて代理業務ができるため、法律的な制限はなく、手続き途中で業務範囲外を理由に代理人から外れるということは原則ありません。
②これに対して裁判代理人の依頼を受けられる司法書士は所定の研修を受けて、法務大臣の認定を受けるために試験に合格した者に限って「認定司法書士」として簡易裁判所での民事裁判の代理人とその相談業務を行うことができます。認定司法書士は簡易裁判所が取り扱う民事事件(紛争の額が140万円以内のもの)に限り裁判代理人業務を行うことができます。したがって、裁判が地方裁判所に移った場合や訴額が140万円を超えた場合は手続き代理人から外れることとなり、弁護士が引き継ぐか本人訴訟に変更となります。司法書士の引き続きの関与は書類作成に限られます。
なお、司法書士は司法書士法で裁判所提出書類の作成を業務とすることができると明記されていますので、認定司法書士でなくても、すべての裁判所への提出書類作成ができます。
①:弁護士→裁判などすべての法律業務、その代理人になること
②-1:すべての司法書士→地方裁判所等を含め、すべての裁判所に提出する書類の作成と書類作成に関する相談
②-2:認定司法書士→②ー1に加えて、簡易裁判所での民事裁判の代理人とその相談
上記の司法書士と弁護士の重なっている業務(簡易裁判所代理業務や裁判書類作成業務)に関して、一般的に、手数料について司法書士の方が弁護士より安いと言われています。事務所にもよりますので依頼される際は納得できる金額であるか複数の事務所に問い合わせるなどして調べることも重要です。直接電話やメールで問い合わせるか、ホームページを参考にしましょう。
特に、裁判は一部の手続きを除き、複数回の期日を要することが通常ですので、訴状だけでなく、準備書面が複数回用意する必要になるケースもあります。引き続き依頼した場合の準備書面等の作成費用も確かめておきましょう。
【要点】
・原則、弁護士等の代理人費用は勝訴しても相手に請求できない。
原則、弁護士や認定司法書士に支払った代理人費用はたとえ勝訴しても相手に請求できないません。
ただし、交通事故などの不法行為に基づく損害賠償請求、労働災害等に関する債務不履行(安全配慮義務違反)を理由とする損害賠償請求や医療訴訟など、一部の事件については弁護士費用を損害として認定し、敗訴した相手に弁護士費用の一部について支払いを命じる場合があります。