【要点】
・日本では弁護士に依頼しなくても自分で裁判することができる。
・案件(事情や内容)によるが、本人訴訟も十分可能であること。
・本人訴訟を選んだ場合訴訟に関係することは原則すべて自分で行う必要があるが必要に応じて書類作成のみ司法書士に依頼することが可能。
・本人訴訟は統計からしてもかなりの割合を占めており特別なことではない。
日本では弁護士(簡易裁判所では認定司法書士も代理人となれる場合があります)が当事者の代理人となって裁判を行う他、法律の仕組み上、当事者が代理人を立てずに、自分だけで裁判を行うことができることとなっています(代理人を立てずに裁判を行うことを本人訴訟といいます)。
自分で裁判を行うということ(本人訴訟を行うこと)は書類の準備や裁判当日の出席(出廷)もご自身で行うこととなります。
なお、司法書士に依頼して裁判書類の作成については支援を受けられます。ただし、書類作成の範囲での支援ですので、あくまでも裁判に関するやりとり、準備、対応はご自身で行うことになります。
統計データからすると、かなりの割合で弁護士等代理人に依頼せず、自分で裁判を行うケースが多いことが分かります。
ご自身におかれまして、裁判に必要な時間や労力を割けるか、裁判の難易度、心身の負担などを考慮する必要がありますが、本人訴訟は費用を抑えながらご自身の考えを公の場で主張する有効な手段の一つですので、検討に値する方法であると司法書士鴨志田事務所は考えております。
【資料】
原告または被告どちらかが弁護士等の代理人を依頼せずに当事者自身で訴訟を行った割合
※令和6年度司法統計より
・簡易裁判所→約95%
・地方裁判所→約60%
【要点】
・当事者の関係が分かりやすく、状況を正確に理解できており、証拠が十分にある(ありそう)な場合は比較的本人訴訟に向いている場合が多い。
・当事者との法律関係や契約などの状況がはっきりしていない場合や証拠があまりない場合は本人訴訟としては難易度が高い可能性がある。
※以下、認定簡裁訴訟代理業務及び裁判書類作成業務に関する鴨志田事務所の経験則に基づくものです。なお、事件の内容によって状況は異なりますので一般論としての見解です。
〇本人訴訟に向いている裁判
・当事者間の契約等法律上の関係がはっきりしていて、証拠が十分にある場合
比較的契約関係がはっきりしている例:貸金返還請求事件、売買代金請求事件、敷金返還請求事件、建物明渡請求事件など
→事件の種類によって難易度が変化することも当然ですが、ポイントは「相手への請求」がはっきりしていること、「証拠」が十分にあること、「主張の基礎なると権利の有無」がはっきりしていることです。これらがしっかりしていれば、訴状などの書類の作成もしやすく、比較的本人訴訟で対処しやすい事件と思われます。
◎なお、簡易裁判所、特に少額訴訟では特に本人訴訟を想定して運営されているため、比較的利用者に丁寧に案内をしてくれる傾向があります。
△本人訴訟の難易度が高い裁判
・シンプルな請求であったとしても、証拠があまりない場合
・権利関係がややこしい場合
・トラブルの内容について、自分でもどんな契約状態、法律関係なのか分からないというような状況
→はっきりした着地点が見えず、裁判が泥沼化して裁判期間が長くなる、主張がはっきりせず、立証に失敗すると裁判に負けるリスクも高くなります。どのように主張したらよいか分からない、自分の置かれている契約状況・法律関係が分からないなど、どうしたらよいか分からない場合は弁護士等の専門家に相談した方がよいと思います。