一般社団法人 大学行政管理学会
会長 杉原 明
本年の研究集会のメインテーマは「"大学職員"を再考する-教育研究実施組織の構成員として-」です。
大学行政管理学会(JUAM)の設立から27年が過ぎました。本会の設立当初は、当時の大学運営の中心であった大学教員を強く意識して、大学職員の役割の拡張や地位向上を目的の一つに掲げていたと認識していますが、そうした状況もかなり変化し、大学職員が大学運営の中心として活躍することが当たり前になってきました。
大学職員は多くの場合いわゆる「総合職」の役割を求められますが、その役割も「浅く広く」では通用せず、教員を含む学内外の専門職人材と渡り合えるだけの多方面にわたる見識と、それらを俯瞰しながら統合的に判断する経験が必要で、また将来のトップマネジメントを担うことも期待されるようになりました。
大学をめぐる環境は年々厳しくなり、大学のトップマネジメントを担うのは教員か職員か、といった議論の時代は終わり、各大学組織は教員、職員のみならず外部人材も含めて優秀な人材を確保しなければ生き残れなくなっています。そのような環境においても、大学の事務(ここでの「事務」は広く大学業務全般を指す)を熟知する職員の中からトップマネジメント人材が育つことは極めて重要です。
この研究集会の場がこうした人材の育成に何らかの形で役立つことを、切に願っています。大学職員が組織で果たす役割はとても広く、深いものです。参加者のみなさまには、この研究集会を期に、ぜひその役割の大きさを実感いただければと思います。
最後になりましたが、会員が一堂に集まる研究集会は私たち大学職員の「フェス」でもあります。フェスは参加してこそ楽しいものです。今回はコロナ禍を経て久しぶりに東京地区以外での開催となります。みなさまとお会いできますことを楽しみにしております。
2024年6月