9月8日(日)12:30~15:15
会員による研究成果の発表や事例紹介を通じ、問題点や課題点を共有し、大学職員としての見識を高める場です。
当日お聞きになりたい研究・事例研究発表を、定期総会・研究集会参加申込みと同時にWebにてお申込みいただきます。発表時間帯と発表内容について、下記の一覧および次頁以降の発表概要をご確認の上、お申し込みください。同一時間帯に行われる発表は、ひとつしか申し込みできませんのでご注意願います。
なお、事前申込みは、あくまでも会場設営等の目処をたてるためですので、当日の変更は自由です。
一部内容に変更が発生する場合がありますので予めご了承ください。
また、方法は全てハイブリッドによる発表となりますので、対面、オンラインいずれかの方式でご参加ください。
研究・事例研究発表に関しては、事前申込とは別の発表を聴講することを認めております。発表によっては、対面参加であっても会場の収容定員の関係から対面での聴講が出来ない場合があります。その際は、対面参加の方で合ってもオンラインで聴講いただく可能性がありますので予めご了承ください。
なお、当日会場にはオンライン参加者専用の部屋(下記に記載)を設けますので、オンラインで聴講される方はそちらの教室をご利用ください。
TimeⅠ 12:30 - 13:00
TimeⅡ 13:15 - 13:45
TimeⅢ 14:00 - 14:30
TimeⅣ 14:45 - 15:15
研究・事例研究発表の各会場(対面・オンライン)は以下のとおりです。以下の例を参考に会場への移動・アクセスを行ってください。
例)研究発表Ⅱ-2に参加される場合
「TimeⅡ(13:15~13:45)」の時間帯に「Stage2(C302教室)」へお越しいただくか、「Stage2(オンライン会場)」へアクセスしてください。
Stage 1 C301教室
Stage 2 C302教室
Stage 3 C303教室
Stage 4 C304教室
Stage 5 C305教室
Stage 6 C306教室
Stage 7 C307教室
Stage 8 S305教室
Stage 9 S306教室
Stage 10 S307教室
オンライン専用教室 S308教室
発表要旨の確認はこちら
発表資料の確認はこちら
区分:事例研究発表 【個人発表】
氏名:寺尾 謙 (神奈川工科大学)
概略:
併修制度は、専門学校に所属する生徒が専門学校入学と同時に大学や短期大学の通信教育課程に正科生として入学し、同時期に授業を履修の上、単位取得を進めることで、専門学校卒業と同時に大学や短期大学の卒業が可能とする制度である。
ちなみに現状では、専門学校と大学・短期大学の同時在学(二重学籍)は制度上、抵触しない。そのようなこともあり、現在も、併修制度により、数多くの専門学校と大学・短期大学の通信教育課程にて、学びの機会が提供されており、専門学校の生徒による併修制度のメリットとしては、次の内容が挙げられる。
●専門学校の卒業と同時に大学卒業資格を得られる
●希望者は大学への編入もできる
●就職活動でも有利
当日は、これらの詳細と併修制度を活用する「専門学校」の事情や併修制度を運用する「大学・短期大学」の事情にも言及する予定である。
区分:事例報告【個人発表】
氏名:岩崎 保道(高知大学)
概略:
本発表は、大学法人が経営強化や事業改革を趣旨としてM&A(ここでは、合併や統合)を行う場合、どのような目的や手法によって行うことが戦略的に望ましいのか、事例研究を整理することによって明らかにしようとするものである。その検討方法として、合併した学校法人、統合した私立大学、統合した国立大学法人に対して2021年度~2023年度までに訪問調査またはアンケート調査を実施した結果を取りまとめた(研究成果の一部は発表済みのものがある。)。特に留意した調査項目は「M&Aの目的ときっかけ」「効果」「課題点」「組織がどう変化したか」などである。
本研究の成果を取りまとめることにより、他の法人が戦略的な方策を考察するための参考になるものと考えた。
本研究はJSPS科研費 21K02633の助成を受けたものです。
区分:事例報告【グループ・研究会発表】
名称:「働き方」研究会
概略:
2023年に新設された「働き方」研究会は、大学職員の「働き方」を研究テーマとし、その実態を、「共通性」「多様性」の 2 つの観点から調査・分析することや、居住地域を超えて多様なメンバーが集い、お互いの活動を助け合うことなどを目的に活動している。その活動の一環として、本研究会では、大学行政管理学会誌第28号(2024年8月刊行)の論稿募集に応じ、所属メンバーで協力して事例報告を執筆した。
本報告では、この事例報告の執筆経験を振り返り、そのプロセスで各自が得たものや、それらが大学事務職員の業務にどのように役立つ可能性があるかについて、調査・整理し報告する。一般的に、学会誌への投稿権限の付与は、各学会に所属する価値のうち、最大のもののひとつである。本報告を通じて、地域を超えた協働の方法や、JUAMで活動することのメリットが伝われば幸いである。
区分:事例報告【個人発表】
氏名:城戸 直也(追手門学院大学)
概略:
2022年10月1日施行の大学設置基準改正に伴い大学設置基準における「専任教員」は「基幹教員」となり、その定義を満たす教員を必要最低教員数としてカウントすることとなった。追手門学院大学は新学部の設置認可申請に伴い、2025年度よりこの「基幹教員」に対応することとなった。そのため、対応実践事例として規程改正やカリキュラムマップ改訂等の施策と、学内での検討・審議経緯について報告する。
具体的には、「教育課程の編成その他の学部の運営について責任を担う教員」という定義に当てはまらないと考えられた全学共通教育組織に所属する教員について、基幹教員としてカウントするため、会議規程の改正や各学部のカリキュラムマップの改訂を行った。
区分:研究発表【グループ・研究会発表】
氏名:教育マネジメント研究会/中部地区学習・研究会
概略:
自律的に学ぶ人材の育成、アクティブラーニング型授業の導入(中教審2012)が大学に求められ、成果について研究が蓄積されている。本学会教育マネジメント研究会中部地区学習・研究会では、学生の自律的な学びについて、脳の活動というミクロな視点から、学習の方法と質、学習に対する姿勢やスキル(エンゲージメント、リフレクション、グリッド、エージェンシー)、学習をとりまく環境やカリキュラム(正課/正課外教育、キャリア支援、単位制、CAP制)等、システマティック(マクロ)な視点までをもって実践や先行研究を検討してきた。
そこで、教育システムを構築する組織について考えるために、エンゲストロームによる越境的で柔軟性のある結び目(knot)を作る活動であるノットワーキング(knot-working)に着目する。結び目と組織のあり方から、自律的な学びと教育システムに関する概念的整理をしつつ、自律的学びを促す大学のあり方を一試論として発表する。
区分:事例報告【共同発表】
氏名:大西 好宣(千葉大学)
石川 由美(大阪成蹊大学)
概略:
本研究は、留学(outbound)及び学修支援分野双方の研究の結節点、すなわち学生による海外留学の事実上の出発点とも言うべき、大学内の留学相談業務を切り口に、学修支援専門職の育成及び業務高度化のための条件を学術的に明らかにし、実践に応用することを目指すものである。具体的には、1)留学相談の際に学生が抱える具体的な不満や困難を明らかにした上で、2)わが国では珍しいものの、米国の大学院等では定評のあるケースメソッド教材を用いて留学相談員の訓練を実施し、3)その成果を相談員自身及び学生双方の視点から測定する。さらにその後、4)当該訓練の受講者自身が新たなケース教材を執筆することで、留学相談員の育成→留学相談の実践→当該実務の評価→育成教材の開発、といった好ましい循環を完成させる。発表では実際に教材を視聴し、相互に意見交換が出来ればと思う。
区分:事例報告【個人発表】
氏名:榎本 啄杜(大阪大学)
概略:
リバースチャージ方式(以下、本制度)は、2015年の消費税法改正で新たに定められた課税方式である。これにより、大学図書館等が海外の出版元から電子ジャーナルを購入する際には、本制度に則った方法で契約を行わなければならない。
ここで、本制度は日本における課税方式であるため、基本的に海外出版元の動きは本制度と独立している。そのため、海外出版元を原因とする返金処理が生じた場合には、本制度を考慮に入れつつ、それとは独立した海外出版元の柔軟な動きに合わせて対応する必要がある。
本報告の目的は、海外出版元の対応として考えられる可能性を列挙し、「カネ」と「モノ」を抽象化したモデルを適用したことで得られた知見を共有することである。こうした知見により、会計担当部署やステークホルダーへ透明な説明を行えるようになることが期待される。
区分:事例研究発表【共同発表】
氏名:佐藤 琢磨(法政大学)
柴崎 朝美(学校法人北杜学園)
概略:
発表者2名は2024年3月24日(日)〜26日(火)に、大学行政管理学会からの派遣により、英国にあるUniversity of Warwickで開催されたAHEP(Association of Higher Education Professionals)年次総会・研究会に参加した。今回は、AUA(Associaiton of University Administrators)からAHEPへ団体名称が変更されて初めての総会・研究会であった。目前に迫る英国総選挙によって高等教育部門にもたらされる影響が危惧されており、政治的不確実性やAI時代における社会変化に対処する組織のあり方や高度人材育成に関する意識の醸成をはじめ、AHEP年次総会・研究会を中心とするAHEPの活動について報告する。本報告における目的は、名称や組織変更に至る背景を意識しつつ、英国高等教育部門が直面している課題やAHEPの取り組みを踏まえ、本邦の高等教育への示唆となるよう、大学行政管理学会会員に広く共有することとする。
区分:事例研究発表【共同発表】
氏名:坂本 規孝(広島市立大学)
藤本 正己(山口大学)
概略:
近年、学修者本位の教育を展開していくために、高等教育機関においてはIRを実践する組織を設け、専門スタッフが従事しているケースが見られる。この専門スタッフは時として「IRer」と呼ばれ、データの収集・分析・学内外への情報提供といったIR業務を行っている。これらのIR業務を実践していく上では、アンケートの実施であれば、調査対象者の安全や人権の尊重、個人情報の保護、データの適切な管理といった注意すべき点がさまざまにある。そのため、IRerは法令や規則を遵守することはもちろんであるが、IRer自身における倫理観が求められるところである。
そこで本研究では、IRerがデータの収集・分析・学内外への情報提供を行う上で理解すべき倫理やその実践について、専門スタッフの声やIRに関連する各種の資料をもとに明らかにする。
区分:事例報告【個人発表】
氏名:渡辺 圭祐(追手門学院大学)
概略:
追手門学院大学では、「CX(体験価値)の追求によるイノベーションの創出」と「DXを通じたCXの実現」を目指してCXデザイン局を設立した。ここでは学生の体験価値を向上させるため、スマホアプリ(通称:OIDAIアプリ)や次期LMSといった様々なDXサービスの提供を行っており、学生生活で必要となる様々なシステムや仕組みをシームレスに利用できる環境を整えている。特にOIDAIアプリは、QRコードによる電子学生証機能を実装しており、学生生活のあらゆることがOIDAIアプリで完結することを目指している。こうしたDXサービスの背後には学内の様々な情報を集約・分析可能な統合DBの設置も行っており、IRを加速させることで教育の質保証の実質化と業務改革を進めている。本事例発表では、CXデザイン局が進めてきたDX環境や統合DBから分析される学修成果についての学内への共有状況に加え、こうした取り組みが学内の業務改革や人材育成にどのような影響を与えたかを報告する。
区分:事例報告【個人発表】
氏名:村山 孝道(京都文教学園)
概略:
SA(スチューデント・アシスタント)制度の活性化及びSA学生の成長を目的として結成されたSA経験学生で組織されたSSA(シニア・スチューデント・アシスタント)学生の取り組みと新入職員との挑戦について紹介する。
本学内では2013年にSSA制度が発足して10年となる。SA制度及びSSAの組織が抱える課題をどのように捉え、その解決に向けてどのように取り組んできたか事例を紹介する。また、それらの取り組みによってSSA学生自身がどのように成長したか考察したい。特に「所属団体なし」「キャンパスライフに期待なし」「積極性なし」「自虐的コミュ障」の普段は目立たずに教職員との接触が薄い層を対学生のリーダー層へ巻き込んだケースを交え、自発的なリーダー層への覚醒を目指す「教・職・学」の挑戦も紹介したい。
区分:事例研究発表【個人発表】
氏名:江尻 裕一(学校法人中央大学)
概略:
大学において主に事務を司る職員は包括的に大学職員と呼ばれているが、特に私立大学の設置法人が大学以外の学校を設置している場合、人事異動によってそれらの大学ではない学校の事務部門に配属されることがある。
とりわけ付属の高等学校はそれを設置する大学も多く、職員が異動先として配置される機会も比較的多いと考えられるが、大学職員に関する研究は当然ながら高等教育領域が前提となっているため、「付属校と大学職員」という切り口では、これまで研究対象としては取り上げられていない。
そこで本発表では、主に文献調査から私立大学を置く学校法人の付属高校の現状を整理し、実態解明を試みるとともに、学校事務職員との比較を交えつつ、「大学職員」を付属校へ配属することの意義や期待される役割について考察する。
区分:研究発表【個人発表】
氏名:中村 智治(東洋大学)
概略:
大学を取り巻く環境変化を受け、大学の業務は質量ともに増加している。そのような変化に対応するには改革を推進し、大学経営を高度化していく必要がある。改革推進を実現する上では、事務組織を統括する大学事務局長はキーパーソンの一人であると言ってよいだろう。
そこで、本研究では、「全国大学事務局長調査」個票データを用いて、私立大学に焦点化し、先行研究で明らかになっていない以下の3点の分析結果を報告する。
①どのような属性・キャリアパスを経て、事務局長となっているか
②どのような考え方で業務を進めているか
③組織・業務改革を行っているか、行っているとすればどのような改革を行っているか
なお、分析にあたっては、東京大学大学院教育学研究科大学経営・政策研究センターが、全国の大学事務局長職員を対象として2023年2月に実施した「全国大学事務局長調査」個票データを用い、二次分析を行う。
区分:研究発表【共同発表】
氏名:宇田川 拓雄(嘉悦大学)
松本 美奈(帝京大学)
概略:
Adulting 101とは米国発祥の新しいタイプの授業科目である。大人の生活術(life skill)が不足していると考える学生を想定している。2000年代初めに英語の名詞のadultを「大人らしいことをする」「大人ならできて当たり前のことをする」という動詞として使う用法が若者の間で広がり、やがて大学に大人入門が登場した。自己管理、友人作り、家計・税金・年金、資産形成、健康、料理・買物・掃除・洗濯、車などのスキルを実習型授業で学ぶ。大学は学問の場だから生活術教育は不適切だという意見もあるが、学生の評判が良く中退リスク対策にもなるため全国に普及し、今ではアジア、ヨーロッパ、南米の大学でも開かれている。職員、学生、同窓生及びシェフや看護師などのゲストが協力して授業を担当している。日本でも必要と思われるが開講例は見当たらない。大人の意味は国で異なるから日本の学生に合ったプログラムが必要である。
区分:事例研究発表【個人発表】
氏名:平山 崇(西南学院大学)
概略:
本発表では、(組織)ルーティン、組織能力及びダイナミック・ケイパビリティの3つの言葉の定義を明確にしたうえで、各語に付随する先行研究を行い、まず各語の定義及び先行研究の概要を整理して示す。先行研究を踏まえると、本学は、改革を行わないという組織ルーティン(慣性)が存在していたにもかかわらず、一時的に改革を進めるための組織能力が形成され、ダイナミック・ケイパビリティとして発揮された。その結果、教学改革に関する所期の目的の大半を達成することができた。しかし、一旦達成された教学改革も戦略的組織ルーティンが継続せず、安定的に改革が継続するルーティンを形成するまでには至らなかった。慣性を持つ組織ルーティンを一時的に変化させ、改革を進め一定の成果を上げたものの、改革を継続する組織ルーティンとして定着させることの難しさを事例として提示する。
区分:事例報告【個人発表】
氏名:澤谷 敏行(関西学院大学)
概略:
中国の高等教育は、中国教育部「2022年全国教育事業発展統計公報」に基づくと、現在の学校数3,013校、在学生総数4,655万人で粗就学率59.6%となっている。うち普通本科(4年制)在学生1,965万人、高職(専科)(2-3年制)1,670万人である。一方学生募集定員では、普通本科(4年制)は467万人(前年比23万人増)に対して高職(専科)(2-3年制)は538万人(前年度比31万人増)となっており、高職(専科)が最も多くの学生を募集している。また高職(専科)の学校数は1,489校で最も多く、在学生数も前年度比で80万人増加しており、近年拡大している。
高職(専科)は、中国の学校系統図では「高等職業学院」と「高等専科学校」として図示されている。文部科学省の中国の学校系統図(URL)では、職業技術学院と専科学校になっている。蘇州市にある蘇州高博職業学院の現状について事例報告する。https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/015/siryo/attach/1374966.htm
区分:事例研究発表【グループ・研究会発表】
氏名:財務研究グループ
概略:
少子化等により大学の経営・財政環境は一段と厳しくなり、学費や補助金の増収も見込めないなか、それらに代わる財源の確保は喫緊の課題である。一方で、少子化等により大学のキャンパスや施設設備が余剰となる中で、これらの土地や建物・施設設備を有効に活用することが、大学経営・財務の永続性の確保と今後の発展にどのように貢献できるかを含めて考察し、以下の項目に基づき事例研究発表を行いたい。
1.本研究発表の趣旨、2.土地・建物等に関する現状、3.土地・建物等に関する課題
4.土地・建物等活用の種類、5.先行研究・事例等の紹介、6.財務データで見る各大学での活用状況、7.土地・建物等の有効な活用に向けて
区分:事例報告【個人発表】
氏名:横山 輝夫(ステラ アンド チャールズ ガットマン コミュニティカレッジ)
概略:
大学行政管理学会から派遣会員として、イギリス・University of Warwickにて行われた2023年度AUA(Association of University Administrators)年次総会・研究集会(Annual Conference and Exhibition)に参加した報告である。AUA 年次総会・研究集会の概要、基調講演・パネルディスカッション・セッションについての報告を行う。基調講演では、イギリスにおける高等教育の現状、政策、課題を中心に話がなされた。特に、課題は複数あり、相互に複雑に絡み合っており、高等教育のみならず、イギリス国内の社会的背景が関わっている。パネルディスカッションでは、イギリスで大学アドミニストレーターがthird spaceとして働く可能性について議論がなされた。セッションでは、大学がどのようにダイバーシティとインクルージョンを促進しているのかについて議論する機会を得ることができた。多様性の重要性が高まっているものの、セッション参加者との議論から現実として大学全体としての課題への対応の難しさを知った。
区分:事例研究発表【個人発表】
氏名:滝本 修士(北海道科学大学)
概略:
大学における周年事業は、大学の節目を祝う重要な行事である一方で、その目的に応じて開催規模や参加対象、取組内容は各大学によって大きく異なると思います。
本発表は、近年の大学における周年事業に着目し、筆者の所属大学をはじめとした実際の事例を基に、以下を検証します。
・周年事業の主な目的とその対象(ステークホルダー)
・周年事業では、どのような取組がどういった組織体制の下で行われているのか
・周年事業を契機としたリブランディングによる成功事例やその効果等
上記を検証する過程を通じて、周年事業をきっかけに、大学におけるさまざまなステークホルダーにとって、大学に対する興味を持ってもらう、理解を深めてもらう、愛校心や職場への満足度を高めてもらうために、大学職員には何ができるのか、参加者の皆さんと一緒に考えたいと思います。
区分:事例報告【共同発表】
氏名:嶺本 朋希(学校法人常翔学園 摂南大学)
小野 魁己(学校法人常翔学園)
概略:
本学教務課では、PKSHA AIチャットボットシステムを導入し2024年3月から運用しています。このシステムは、株式会社PKSHA Workplaceが提供するAIを活用した自動応答型の問い合わせシステムで、Microsoft Teamsと連携しています。
導入前の課題として、学生からの複数の問い合わせ(窓口、メール、電話など)に対応する必要があり、特に窓口閉室後の対応が難しい点がありました。さらに、「教室はどこ?」といった簡易な問い合わせにも人が対応しなければならない状況でした。導入により、簡易な問い合わせは自動応答で解決し、複雑な問い合わせにより注力できるようになりました。これにより、学生サービスを向上しつつ業務負荷の軽減にもつながっています。
導入してまだ半年ほどですが、この期間に感じたことや、導入後の効果について、現場の視点から皆さんと共有したいと思います。
区分:事例報告【個人発表】
氏名:村山 孝道(京都文教学園)
概略:
ホワイトカラー職種の一種である大学職員には、職務成果の可視化が困難で成果に遅効性がある、という特徴がある。そのような特徴を有する大学職員組織には、過度な目標管理制度や成果主義的なシステムはマッチし辛い。そこで、職員の人材・組織マネジメントにおけるインプット(打ち手)、アウトプット(効果)、アウトカム(成果)の構造を、既存の経営学における理論モデルであるJD-Rモデルを援用し、大学職員によりフィットするように改変した「大学職員バージョンのJD-R」を紹介する。そして、このモデルを用いた組織アセスメントの試行はどのようなものであったのか、その結果が担当者の所謂「肌感覚」と比較してどうであったか、という点について、「主観」を中心に事例として報告したい。この「肌感覚」や「主観」についてご意見・ご指摘をいただき、システムの改善に役立てたい。
区分:事例報告【個人発表】
氏名:清重 周太郎(北海道大学)
概略:
北海道大学では令和2~4年度にかけ、附属図書館調査研究室とURAステーションの協働で、学内活動や事務業務の記録について部署横断的に入力・共有する情報システムのプロトタイプ「北海道大学 大学事業・活動情報共有システム(通称:SSS-HU)」を構築した。
開発の際は、異なる職種・部署間での相互理解の促進や、重複または類似する学内活動の発見を通じて、協働・高度化に繋げることを意図した。また、各活動がどの責任部署や財源基盤によるものかを記録する機能も付加した。
本発表では、システム要件・仕様策定にあたっての論点整理や、構築後の試運用を通じて得られた課題等について報告する。他機関における類似の取り組みの参考としていただければ幸いである。なお、SSS-HUはプロトタイプであり、令和6年3月時点で実務運用段階にはない。
区分:研究発表【個人発表】
氏名:鎌田 雅子(日本経済大学)
概略:
本研究は,人的資源管理の観点から,大学職員を対象としたワーク・ライフ・バランス(以下WLB)施策が実施されている私立大学は成果をあげている,という仮説を明らかにすることを目的としている.企業を対象とした研究では,WLB施策を実施している組織は成果をあげている,という結果がでている.企業のWLB施策と成果の関係の先行研究や大学における成果に関する先行研究を参考に, 昨年度の研究集会で意見をいただき策定した指標を基に,2023年9月に全国の私立大学626校にアンケート調査を送付した。回答をいただいた55校のデータを基に回帰分析を行った.その結果,一部仮説を肯定する結果がでた.また企業の先行研究では,WLB施策と成果の関係に女性割合や女性活用度が正の相関があるとの結果があるが,今回の結果からは確認することができなかった.本研究は私立大学の安定的経営に寄与する研究の一端を担うことを目指す.
区分:事例研究発表【共同発表】
氏名:松本 美奈(帝京大学)
霜鳥 駿太(帝京大学)
宇田川 拓雄(嘉悦大学)
概略:
大学大淘汰時代に生き残り、SDGsにも貢献するには、キャンパスにおける多様性と包摂、中でもジェンダー平等の実現が不可欠だ。ジェンダーギャップ指数が先進国最下位の日本の活路にもなる。
そのためには二つの課題がある。まず、昨年本会で発表した女子高校生の進路選択だ。激動する社会の中で、資格取得・地元志向偏重が半世紀以上続いている状態を看過していては、多様性実現はおぼつかない。いま一つはキャンパスの現状だ。女性教職員数やハラスメントの現状、施設面での問題などが包摂を妨げている。
そこで報告者らは今年5月、東京や神奈川、長崎の公私立4高校の生徒約700人に意識調査を行い、半世紀不変の進路選択の解明を始めた。あわせて、現状を問題視する帝京大学の学生や職員との協働のもと、学生の半数が女性となることを目指したキャンパスづくり「居心地プロジェクト」も始めた。多様性と包摂、受験生増を視野に入れた取り組みの現状を、調査結果も交えて報告する。
区分:事例研究発表【共同発表】
氏名:長田 太郎(立教大学)
大竹 秀和(立教大学)
概略:
近年、学士課程教育において「全員発揮のリーダーシップ」を学ぶ教育プログラムが注目されている。その先駆的取り組みが立教大学経営学部「ビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)」であり、2013年度に開設した全学部生対象の「立教グローバル・リーダーシップ・プログラム(立教GLP)」である。
立教GLPの最大の特徴は、その授業運営スタイルにある。教員・職員・学生が運営スタッフとしてチームを組み、クラス運営の中心を担うSA(Student Assistant)、授業設計の中心を担うCA(Course Assisntant)の学生スタッフと教員たちが全20クラスの運営を担い、職員が事務局として適切なサポートを行うことで、大きな教育効果を生んでいる。
立教GLPは、SA/CAのリーダーシップ開発が受講生の成長と並ぶ大きな目的である。本発表では、運営チームの体制やスタッフ採用および育成方法、運営の中で学ぶリーダーシップについて共有し、各大学における教育プログラム運営を考える一助とする。
区分:事例研究発表【個人発表】
氏名:松村 彩子(東京大学大学院・名古屋大学)
概略:
イギリスでは2000年代以降、大学の機能は拡大に伴い、それを担う新しいタイプの職務が立ち現れてきた。例えば、産学・地域連携、多様な学生支援、学修支援、就職支援、非伝統的学生を対象とした教育機会拡大など一定の専門知識と経験・スキルを要する職務である。また組織レベルでは、それぞれ専門性を持った組織が緩やかに結合しながら、教員・職員の役割の垣根を超えたハイブリッドな活動領域においてプロジェクトベースで業務を遂行していくケースも多く見られるようになった(Whitchurch, 2004)。こうした職務に就く職員はどこからやってくるのか。それには、大学を超え、広く高等教育関連業界に横たわる労働市場の存在がある。本発表は最新の高等教育関連業界の求職者情報、公募状況を確認しながら、どのような職員がどのようなキャリアの動きを見せているか明らかにし、これまであまり見えていなかった職員の流動性の実態を捉える事例研究発表としたい。
区分:研究発表【グループ・研究会発表】
氏名:財務研究グループ
概略:
私立学校法改正に伴い、学校法人経営の永続性評価がますます重要視されている。本研究では、「バランスト・スコアカード(BSC)」「国内大学統合報告書」日本私立学校振興・共済事業団「定量的な経営判断指標」および管理会計の活用に焦点を当てる。BSCは、財務、顧客、内部業務、学習と成長の4つの視点から組織のパフォーマンスを評価するツールであり、組織の戦略的目標達成を促進する。国内大学統合報告書は、大学の経営状況を網羅的に報告するものであり、組織の透明性と持続性を向上させる。日本私立学校振興・共済事業団の定量的な経営判断指標は、学校法人の経営評価を行う上での基準となる重要な指標を提供する。これらの枠組みと管理会計の統合的活用は、学校法人経営の永続性評価において有益である。管理会計は、予算編成、コスト管理、成果評価などを通じて組織の財務状況と業績を定量的に把握し、経営判断の基盤となる情報を提供する。BSCや国内大学統合報告書、経営判断指標と管理会計の組み合わせは、経営陣に対し組織の戦略的目標と実績を透明かつ効果的に示し、組織の発展に寄与することが期待される。本研究では、これらの枠組みと管理会計の活用によって私立学校法改正に適応し、学校法人経営の永続性評価を強化する評価手法について考察する。
区分:事例報告【共同発表】
氏名:松田 優一(関西大学) 山咲 博昭(広島市立大学) 江端 一揮(関西福祉科学大学)
東芝 青児(帝塚山大学) 堀 佑二(獨協大学) 寺尾 健志(寺尾コンサルティング)
齋藤 恵子(札幌学院大学) 芳中 宗一郎(大阪産業大学)
概略:
大学改革研究会は2003年に設立され、2023年度に20周年を迎えた。この間、「大学改革」を統一のコンセプトとして、設立から現在に至るまで時宜にかなう内容でワークショップを中心とした研究会活動を展開してきた。2012年度から若手・中堅職員が運営の中心となって以降も、若手・中堅職員の興味・関心に基づくテーマで各種企画を運営し、職員同士の相互支援、相互研鑽、ネットワーク形成を目的として精力的に活動を継続してきた。
本事例報告では、他業種では類を見ない「大学職員」ならではの所属機関を超えた「支えあい」「学びあい」のコミュニティについて、大学改革研究会20年の歩みを踏まえて、高等教育環境や研究会のミッション、ビジョン、バリュー等にも触れながら事例報告を行う。
区分:事例報告【共同発表】
氏名:北谷 仁宏(学校法人追手門学院)
澁谷 美咲(学校法人追手門学院)
概略:
2020年及び2023年の改正私学法に伴い、学校法人におけるガバナンスの強化やコンプライアンス遵守を強化する指摘がなされたことは記憶に新しいと思います。
このことについての対応策に各学校法人は追われていると思いますが、その一環として内部監査室を設置する、もしくは設置を検討しておられる方々も多いのではないかと推察いたします。
そこで今回、そもそも内部監査は学校法人の経営にどのように資するのか、この点について私共発表者の所属している学校法人追手門学院における内部監査の取組みをご紹介し、そこから得た課題や知見をご参加の皆様方に参照いただき、各学校法人における今後の改正私学法対応などにご活用くださることを事例報告の目的としております。
区分:事例報告【個人発表】
氏名:柿木 勝士(帝京大学)
概略:
本発表では、統計ソフトRStudioを用いて行っているDX推進活動について報告する。RStudioとはプログラミング言語Rの統合開発環境であるが、各種アンケート結果や学習成果について、報告書作成を自動化するためにRStudioを用いている。RStudioで実際に行ったDX推進の業務としては、カリキュラム評価アンケート、修了時アンケート、海外研修アンケートの報告書作成自動化と成績評価の報告書自動化である。これらの経験から現在の課題や今後の取り組みについて共有する。
特に、今後に向けた取り組みとして、IRや認証評価への応用が重要だと考えている。専門職大学院の認証評価および国際認証評価を受審したが、アンケート結果や学習成果等のデータを振り返るということが課題に挙げられた。これらを踏まえて今後の具体的な対応策を発表する。
区分:事例研究発表【共同発表】
氏名:久志 敦男(学校法人龍谷大学)
宮澤 文玄(学校法人学習院)
概略:
発表者はこれまで、諸外国大学職員の人事評価制度調査や国内大学職員に対するジョブディスクリプション(以下、JD)に関するアンケート等を通じて、JDやリクラシフィケーション(以下、RC)の有効性に関する検証を重ねてきた。その結果、現時点で JD・RCは日本の大学職員組織に根付いている概念ではないが、人事評価ツール・システムとして十分要件を満たしており、近い将来普及する可能性があると現段階での仮説として結論づけた。今回の研究では、JD・RCが今後日本の大学職員の人事評価ツール・システムとして進展するための課題抽出とその検証を行うとともに、日本企業でジョブ型雇用が普及している背景を踏まえ、今後の大学職員人事評価のあり方について考察する。
区分:研究発表【個人発表】
氏名:坂本 規孝(広島市立大学)
概略:
SDは、2017年の義務化を経て2021年度には92.0%もの大学で実施され、プログラムを提供する主体や方法が多様化する中で選択肢も増えてきた。これらの変化は、SDの意味に関しても義務化当時とは異なる新たな意味を見出すことができる状況をもたらしている。
本発表では、大学やSDとデザインマネジメントとの親和性を踏まえた上で、デザインマネジメントの特徴の一つである「意味のイノベーション」という切り口からSDを再考する。意味のイノベーションは、モノやサービスといった技術中心デザインと異なる人間中心デザインであり、対象者とステークホルダーとの間で形成される意味に着目し、意味の変化や創造を提案するものである。発表者が実施した研修を事例として取り上げつつ、研修というモノではなくそこに参加する大学職員に焦点を当てることによって、SDが大学職員の自己実現という新たな意味を考察する。
区分:事例研究発表【グループ・研究会発表】
氏名:大学経営見える化研究会
概略:
本研究会は、2002年設立時から現在に至るまで、大学経営に関する様々な課題の可視化を目指し、第6期以降(2013年~)は、大学ガバナンスや中期経営計画などをテーマに、全国の大学法人を対象としたガバナンス調査の実施や、大学経営に関するトピックについて研究を進めてきた。
2025年の私学法改正に伴い、多様なバックグラウンドの理事・評議員の就任が想定される中、専門的な内容は極力用いず、学校法人や大学経営に必要な知識を整理した『私立大学 新任理事・評議員ハンドブック 2024年度版』を刊行できた背景には、第6期以降の大学ガバナンス研究に留まらず、過去の研究成果の蓄積が重要な役割を果たしている。
そこで、今回の発表では、ハンドブックの刊行報告と、本研究会がこれまで取り組んできた研究内容との関わりを整理するとともに、現時点で予定している具体的な活用方法(事例)の紹介を行いたい。
区分:研究発表【個人発表】
氏名:小椋 幹子(京都女子大学)
概略:
本研究では、人材供給の点で、社会人を対象とした大学のリカレント教育課程が果たす役割は大きいとの認識に立ち、リカレント教育の有用性について調査し、組織への影響と労働者の学びの実質化に果たす大学のリカレントの役割について提案するものである。調査は、株式会社マクロミルのパネルを利用したwebアンケート(n=309)と企業人事部へのインタビュー(3件)を実施した。(対象者は両調査とも大学・短大・大学院いずれかでの学び直し経験者である。)
その結果、学び直し経験者は、74.4%が学び直しの後で「ポジティブな影響があった」と回答しており、「仕事の積極性」「リーダーシップ」「同僚への影響」「チームビルディング」についていずれもプラスの効果があった。特に「リーダーシップ」と「チームビルディング」において前向きな行動変容が見られた。これは企業人事部へのインタビューにおいても同様の結果が得られた。
区分:事例研究発表【個人発表】
氏名:若山 周平(立命館大学)
概略:
日本の多くの大学が世界各国に海外拠点・海外事務所・海外オフィスを設けており、その数は706カ所にのぼる(令和3年度)。国際化拠点整備事業(グローバル30)やスーパーグローバル大学創成支援事業(SGU)を経てその数は3倍以上になり、一種のブームであるとも言える。立命館大学も2018年にベトナム・ハノイにASEAN事務所を開設し、専任職員1名が駐在しているが、このように“海外事務所”に“大学職員”が“常駐”しているケースはあまり多くない。主な任務は留学生入試のための広報活動であるが、専任職員が常駐する意義は大きく、ネットワーキング活動、留学プログラム支援など海外事務所を活用できる可能性はさらに大きいと考える。本発表では、2024年度前半に本学ASEAN事務所が主導して実施した「グローバル力量形成研修」を取り上げ、海外拠点/事務所の機能・役割および今後の可能性について議論をおこないたい。
区分:研究発表【個人発表】
氏名:福山 敦(茨城キリスト教大学)
概略:
学校教育法第92条では「学長は、校務をつかさどり、所属職員を統督する。」と規定し、学長が大学のトップマネジメントを担うとする一方で、私立学校法第37条では「理事長は、学校法人を代表し、その業務を総理する。」と規定していることから、学校法人によって設立されている大半の私立大学における実質的なトップマネジメントを担うのは、学長ではなく理事長であると言える。
しかし多くの私立大学では理事長と学長が存在しており、財務などの管理運営のトップは理事長が、教学のトップは学長が担うという二重構造となっていることが実態であり、この二重構造が私立大学特有のガバナンス体制なのである。
そこで本発表では、規模区分において最も多い小規模私立大学に着目し、学長との二重構造体制における理事長の大学経営への取組や学長とのコミュニケーションについて、インタビューを通して理事長のリーダーシップの実相についての一考察を発表する。
区分:事例報告【共同発表】
氏名:松村 美緒(芝浦工業大学) 芳中 宗一郎(大阪産業大学)
岸田 勇人(学校法人帝塚山学院) 後藤 仁(四條畷学園大学) 寺尾 健志(寺尾コンサルティング)
西川 紗也子(愛知医科大学) 堀 佑二(獨協大学) 松田 優一(関西大学)
概略:
大学改革研究会は2023年度に20周年を迎え、その節目として記念企画を実施した。ヒコーキモデルを活用した企画立案の中で「研究会の歴史を知る」と「研究会の今後を考える」という二つの軸を見いだし、このうち「研究会の今後を考える」軸に基づいて1泊2日のアイデアソン合宿を開催した。
アイデアソン合宿では、参加者をグループに分け、ミッション・ビジョン・バリューの枠組みを用いて研究会の将来の在り方について議論した。各グループは研究会のキャッチコピー・スローガンとその実現に向けた具体的なプロジェクト案を検討し、発表と相互評価を行った。
これを踏まえて、本発表では今日的な研究会組織の在り方について、大学改革研究会の事例を報告する。
区分:研究発表【グループ・研究会発表】
氏名:「働き方」研究会
概略:
大学には、教育研究の「成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与する(学校教育法第八十三条2項)」ことが求められており、研究成果の教育を通じた人材養成もそのひとつの方法と捉えられる。本研究では、ホワイトカラー労働者を対象として、「職場での仕事の成果の評価」と、「仕事に関係する知識・能力の保有度合い」の関係を明らかにする。これにより、大学教育を通じて学生(卒業生)に身につけさせる知識・能力や、大学の就職支援への示唆を得ることが目的である。
そのため本研究では、2022年12月に、ホワイトカラー労働者(「学部卒または院卒」「事務職または専門技術職」「正社員・正職員」「20〜40代」)を対象としたインターネットモニター調査を実施した。本発表では、同調査データの分析結果と、そこから得られる大学行政管理への示唆について報告する。