企画・司会・進行:大久保美紀(情報科学芸術大学院大学[IAMAS]准教授)
技術の進化を、急激な断絶の連続として捉える見方は、テクノロジーを肯定的に捉える立場と否定的に捉える立場の双方に加え、科学技術史の一部の研究者にも共有されてきました。その代表例として、クーンの「パラダイム」論やフーコーの「エピステーメー」が挙げられます。これに対して本レクチャーでは、第二次世界大戦後に登場した二つの主要な新領域であるサイバネティクスと原子力エネルギーを例に取り上げ、古い技術がいかに新たなイノベーションの源泉となってきたかを示します。そこから、旧来の技術が新しい技術を生み出す力となる、非同期的で複雑に絡み合った技術発展のあり方を明らかにし、技術進化をより重層的に捉える視点を提示します。
ロナン・ル・ルー(Ronan Le Roux)
パリ=エスト=クレテイユ大学(UPEC)附属INSPÉ(クレテイユ)の情報・コミュニケーション科学分野の教員研究者(Maître de conférences)で、初等教員養成修士(MEEF)における研究オプション「Enfants, médias, écrans:EMI(メディア情報教育)」の責任者を務める。主要著作に『Une histoire de la cybernétique en France, 1948-1975』(Classiques Garnier, 2018)。 Inspé de Créteil また、2025年7月29日に東京で「Cyberpsychologie et éducation aux médias」を講演。