メディア表現学研究会
本研究会について
メディア表現学研究会(Study Group for Media Creation Studies)は、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]における多様な研究と制作が直面している話題の中で、今後の社会を考える上で重要な兆候になると思われるものを学外に開き、参加者との議論を経てメディア表現学を集合的に定義していくことを目的とした連続研究会です。
第1期:テクノロジーの〈解釈学〉
技術の哲学に取り組んだ哲学者のBernard Stieglerがギリシャ神話の例を用いて説明したように、テクノロジーは人類にとって不可欠な存在です。テクノロジーの進化と社会に対する影響を不可避なものであるとする決定論的な考え方は、ビジネスにおいて機会を創出するためのロジックとしてしばしば用いられます。例えば、2021年後半から今年にかけ、〈メタバース〉を独自に定義した上で不可避な変化であるかのように紹介する言説は数限りなく観測されました。こうした場面において、高度に複雑化したテクノロジーはブラックボックスとして扱われ、固定したものであるかのように語られがちです。
しかしながら、テクノロジーは固定されたものではなく、様々に解釈可能なものであるはずです。例えば、DIYの祭典「Maker Faire」においては、テクノロジーをそれぞれの視点で解釈し、制作し、具体的な作品として表現する「Maker」たちの多様な活動に触れることができます。こうした機会を通じて、テクノロジーはブラックボックスではなく、自分たちと共に在ることを実感できるのです。また、メディア表現研究を標榜する本学においても、テクノロジーと深く向き合いつつ様々な解釈を試み、実際に作品を制作することを通じて批評する活動を継続してきました。
こうした背景を踏まえ、このシリーズは「テクノロジーの〈解釈学〉」を主題として開催します。制作や取り組みに関する話題提供では、先駆的な現場における実際の経験から見出した可能性と課題を共有することを試みます。理論に関する話題提供からは、混沌とした経験を解釈するための眼差しを学ぶことを試みます。これにより、テクノロジーと向き合い、様々に解釈し、深く議論できるような基盤を醸成することを目指します。
各回共通の注意事項
記録のため、発言者のカメラ映像と音声、共有画面を録画します
記録した動画は、編集後にYouTube等で公開します
公開を希望しない発言がある場合は、終了後にフォームよりお知らせください
質問やコメントはZoomの[挙手]機能でお知らせください(マイクでの発言・チャットへの投稿のいずれでも構いません)
発表者が配付した資料は、参加者以外に共有しないでください
第1期運営担当(50音順)
大久保美紀(メディア表現研究科 准教授)
小林 茂(メディア表現研究科 教授)
平林 真実(メディア表現研究科 教授)
松井 茂(メディア表現研究科 准教授)