学部

OB・OGからのメッセージ

カインドデンタルクリニック 院長 (札幌市)

岡 和也 さん

【2010年卒業】

今の仕事内容は?

歯学部附属の歯科衛生士専門学校出身の妻と一緒にクリニックを経営しています。ユニット5台、スタッフ26名のクリニックで、一般歯科、小児歯科、予防歯科、矯正、インプラント、ホワイトニング、セラミック治療などを行っています。

北海道医療大学で学んでよかったことは?

在学中に所属した硬式テニス部で、歯学部はもちろん他学部の動機や先輩後輩と交流できたことは人生の財産です他学部との連携や仲間と同じベクトルに向かうことの大切さは、今の仕事にも生かされています。医療総合大学の強みですね。

※この取材は2022年に行ったものです。

ベテランズホスピタル 勤務 (アメリカ・ルイジアナ州)

テリオ 志保 さん

1990年卒業】

今の仕事内容は?

アメリカで退役軍人のための国営病院に、歯科医師として勤務しています。一般歯科で20代から90代までの患者さんすべての治療にあたるほか、口腔外科では手術も行い、口腔がんや顎顔面補綴も手掛けています。

海外で働くきっかけは

研修医時代、顎顔面補綴に興味を持ち、留学して学ぼうと渡米。UCLAで学び、ルイジアナ州立大学歯学部の研究院、助教授を経て現職に。アメリカの歯科医師免許も取得しました。こちらでの学び直しは大変でしたが、今はその分、充実しています。

※この取材は2022年に行ったものです。

洛和会音羽病院 口腔外科 勤務 (京都府)

宮本 絵里加 さん

【2013年卒業】

今の仕事内容とやりがいは?

口腔外科に勤務し、外来で抜歯・嚢胞・腫瘍の手術、インプラント治療などを担当しています。歯と口が支える「食べる、話す、笑う」は域外に繋がるもの。患者さんに生きる喜びを持つお手伝いができる歯科医師は、幸せな職業だと思います。

北海道医療大学で学んでよかったことは?

約半数の同級生が道外出身で、全国に大学時代の友人がいます。在学中は、先生方も本当に優しく丁寧に指導してくださり、切磋琢磨しながら日々の勉強を行うことができました。現在、関西で勤務していますが、全国にたくさんの同窓の先生がいることは、心強いですし、様々なサポートをいただけることが、とてもありがたいです。

※この取材は2022年に行ったものです。

さかもと歯科 勤務 (札幌市)

坂本 渉 さん

【2006年卒業、2020年大学院博士課程修了】

学ぶための努力はいとわない。留学の収穫は人とのつながり、学ぶ姿勢と論理的思考。

歯を失った場合、通常は入れ歯かブリッジで補いますが、私はオプションとしてインプラントを取り入れたいと考えました。国内であらゆるインプラントの研修に参加しましたが、本格的に学びたくなり、米国・ロマリンダ大学の40年以上の歴史をもつインプラント科入学を決意しました。臨床に立ちながら3年がかりでお金と英語力の準備を整え、2年半の留学へ。世界各国からインプラント技術を学びに集まる学生とともに必死で学び、米国の認定医を取得しました。来年、自費診療のみのクリニックを開院し、世界レベルの技術を提供する予定です。留学で得られたいろいろな人とのつながりや論理的思考、帰国後に大学院博士課程で深まった批判的思考を生かして、今後、歯科医師の新たなモデルを後輩に示していけるといいなと思っています。

※この取材は2020年に行ったものです。

東苗穂にじいろ歯科クリニック 開業

松原 光代 さん

【2003年卒業】

高齢者の生活を左右する「口から食べる」に多職種連携で臨んでいます。

大学卒業後6年で、高齢者の入院患者の多い病院内に歯科ユニット1台の病院歯科を開業しました。まだ医科と歯科は別のものという考え方が根強い中、治療や口腔ケアに病棟内を走り回り、「最後まで食べる」をテーマにした多職種連携のかたちをつくりました。4年後には退院から在宅へのスムーズな移行を図り現在のクリニックを開業、同窓生を中心に歯科医師7人が外来・訪問歯科にあたっています。歯科衛生士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、栄養士、看護師、介護職、ケアマネジャーなどとともに咀嚼や嚥下が困難な患者さんの食事の様子を見て、維持・改善を考えるミールラウンドも行っています。歯科医師の技術で目に見える結果を出せる面白さはもちろん、多様な専門性を合わせて一つのゴールをめざすチーム医療の醍醐味を味わっています。

※この取材は2020年に行ったものです。

東京都立心身障害者口腔保健センター 勤務 (東京都)

関口 五郎 さん

【1992年卒業】

口の健康は全身の健康。疾患や障害にかかわらず、安心な歯科医療を提供したい。

小さい頃から志は「世界」。

地域の歯科医療機関では対応が困難な、疾患や障害のある方の口腔の健康管理を担っています。常に「全身の健康のために、歯科だから取り組めること」を念頭に、歯科衛生士、看護師、管理栄養士など、さまざまな職種とチーム医療を進めています。在学中に大学病院での臨床実習や、障害児・者施設での検診など障害のある方に接する機会が多かったことがこの分野を選ぶきっかけとなりました。今は「切れ目のない歯科医療」が大きなテーマです。障害があるために一人で通院や外出が困難な方、疾患により入院や在宅医療となった方に対してもさまざまな医療機関との連携強化を進めています。そして疾患や障害があっても安心して歯科医療を受けることができる地域づくりに貢献したいと考えています。

※この取材は2019年に行ったものです。

とき歯科 副院長 (青森市)

土岐 志麻 さん

【1994年卒業】

お口のメンテは赤ちゃんから。子どもたちに地域差のない歯科医療を届けたい。

北海道医療大学卒業後の研究で口唇の機能は早期に完成すると知り、小児歯科の道を選びました。2000年に大学同期の夫と「とき歯科」を開業して予防の重要性を伝え続け、いまでは「赤ちゃんから歯科でメンテナンスを!」のスタイルが根付きました。当院では歯科衛生士13名の内8名が日本小児歯科学会の認定歯科衛生士、私は県内唯一の小児歯科専門医指導医です。助産師と一緒に授乳指導、養護教諭とともに給食の食べ方指導などさまざまな専門職と連携して活動していますが、地域の意識が変わるにつれ虫歯が目に見えて減っていくプロセスに歯科医師の未来を感じます。後進の指導もやりがいのある仕事のひとつです。母校を含め4つの歯学部で教壇に立っています。実はいま、娘も私の母校の歯学部めざして猛勉強中です。

※この取材は2019年に行ったものです。

医療法人社団恩地会 理事長 (東京都)

一般社団法人 フロンティア再生歯科研究機構 理事長 (東京都)

恩地 景子 さん

【2000年卒業】

能力の120%、130%が要求されても、挑む甲斐のある夢は、再生医療を携え“世界をリードする歯科医師”です。

小さい頃から志は「世界」。

スウェーデンで過ごした幼少期から変わらぬ夢は世界の第一線で活躍する女性になること。歯学部に入学してからは「世界に通用する歯科医師」をめざして走り続けてきました。

歯学部卒業後は「女性には無理」とされるスパルタ教育で知られる医院の門を叩き、男性歯科医師に交じって高度な歯科医療技術の習得と共に体力、精神力を徹底して鍛えました。4年間お世話になった後に渡米、コロンビア大学大学院に留学しニューヨークの医院で世界レベルの先端医療現場を経験して、得た技術を帰国後2つのインプラント専門医院で実践しました。

そして東京・六本木で開業、急患にも対応する平日午前4時まで、日本語、英語、中国語での診療を始めました。私自身はマイクロスコープ等を活用した精密歯科治療、とくに根管治療と抜歯即時インプラントをはじめとする短期集中治療を得意としてきました。さらに現在はオペも可能な本格的訪問診療と組み合わせて、世界中どこへでも往診し高度な医療を現場で提供する会員サービスも展開しています。

再生医療とグローバル展開。

いま私がフォーカスしているのは再生医療とグローバル展開です。北海道医療大学と提携してiPS細胞や幹細胞による再生歯科医療の研究を継続中で、抜いた歯を将来、歯や他臓器の再生に活用できるよう冷凍保存するティースバンク(歯の銀行)を2013年に当院でもスタートさせました。同時期に「一般社団法人フロンティア再生歯科研究機構」を設立し、国境もジャンルも超えた再生医療研究を推進しています。

グローバル展開では、2015年のASEAN統合を見据えたアジアでの展開が大きく動き出しました。ベトナム、カンボジアでの医院展開を予定しています。他にも歯科医師や歯科衛生士を養成する教育機関設立のバックアップなど各国から様々なオファーが来ます。日本の歯科医療、歯科医師への大きな期待があるのです。再生医療を携えて、日本からアジア、世界の歯科医療をリードする新たな流れの創出に全身全霊を捧げる覚悟です。

※この取材は2013年に行ったものです。

歯科医師 (東京都)

友利 南海 さん

【2003年卒業】

歯科診療もヘアやネイルのサロンのように、気軽に通えて心を満たすサービスにしていきたい。

豊かな会話と美しい歯の魅力を自ら発信。

今の方々は年齢を問わず、それぞれに個性的な洋服や靴、バッグをスタイリングされますし、肌や髪のお手入れもきちんとしているように思います。けれど歯や口もとにまでケアが行き届いているかというと、ほとほと疑問。街を歩いていて、指先とお洋服を同じ色でコーディネートしている可愛い子が、その笑顔の口もとからくすんだ歯を覗かせていたりすると、すごくがっかり。日本人は西欧に比べ、まだまだ歯や口もとへの意識が低い現状を、とても残念に感じます。

一般の方の歯科医院に対する敷居が高い理由のひとつに、処置に伴う過去の恐怖体験から「できれば行きたくない」という逃避心理が働くからではないか、と私は考えます。ですから私が処置の際に心がけているのは、患者さんを安らかな状態に導けるような楽しい会話です。それは歯科診療に関係のない雑談のこともあれば、治療についてのより詳しい説明のこともあり、ケースバイケース。患者さんを理解した上でのアプローチが必要で、やはり経験がものを言いますね。

ホワイトニングなど審美歯科について広く一般に認知いただくには、歯科医師である私の歯や口もとが魅力的であるのが大前提です。治療計画などについて説明する私の口もとを、患者さんはじっと見つめています。その際に「キレイだな」「私もあんな口もとになりたいな」と思っていただくことが、とても大事だと思うのです。近い将来、審美歯科がもっともっと一般的になり、ヘアやネイルのサロンに行くような気軽な感覚で歯科医院へ足を運んでもらえる時代になることを、心から望んでいます。

国際チャリティなど活動分野を拡大中。

口腔ケアへの関心を今よりさらに高めるために、歯科医師である私にできること。その想いを原点に、「女医会」というさまざまな専門の女性医師グループに所属し、ユニセフへの寄付などをしています。そうしたチャリティ活動を経験して感じるのは、歯科医師として能力を発揮する場は歯科医院だけではない、ということです。歯科医師である私が社会に出てアクションを起こすことで、一般の方の目や心は確実に歯科医療へと向かいますから。

一方で、高齢の患者さんに「先生の顔を見たら元気になったよ」と言ってもらえる臨床も大好きです。「ありがとう」の言葉を誇らしく嬉しく思います。歯科医師というと男性のイメージが強いかもしれませんが、実は女性にも向いている職業だと思います。

※この取材は2009年に行ったものです。

アムール歯科医院開業(新ひだか町)

谷本 亮 さん

【1999年卒業】

患者さんの現在、過去、未来、すべてを見て一生付き合う。地域医療の基本です。

有言実行。信頼に値する人間に。

札幌で4年間勤務医をした後、2006年、故郷で開業しました。人口約2万5000人の町では、共に歯科医師だった祖父、父の患者さん、スタッフの親戚、私自身の知り合いなど、患者さんの多くがどこかでつながりのある方です。この環境では、患者さんとは一生の付き合いが前提です。たとえば、永久歯が揃った子どもの患者さんが、高齢になったとき歯がゼロになっていたとしたら、それは私の責任なんです。

高齢化が進む町での開業に備え、勤務医時代は入れ歯を重点的に勉強しました。実際に開業すると、入れ歯が合わず満足に食事できない患者さんの数は予想以上でした。入れ歯を合わせることで患者さんの毎日が大きく変わり、QOLが上がる、たくさんの例を目の当たりにしています。勤務医としてお世話になった先輩歯科医の「歯科医は人生を変えられる素晴らしい仕事だ」という言葉は真実だと、心から思います。

地域密着型の歯科医師として予防の意識を根付かせることをめざしています。呼びかけだけで意識は高まりませんから、私はまず「来てよかった」「頼りになる」と思われる歯科医であろうと。そうすれば、私の話にも耳を傾けてもらえ、信頼関係の上に成り立つ一生の付き合いができると思います。

歯科医師会最年少理事として。

2009年からは地元、日高歯科医師会の理事に加え、社会保険審査員を務めています。全国的にも最年少らしいです。若い私には重責ですが、素晴らしいチャンスをいただいたと思っています。知識・情報収集の面ではもちろんですが、ネットワークが大きく広がること、とくに多くの尊敬できる先輩歯科医師と接することから得られるものは計り知れません。

歯科医師同士の縦・横のつながりを強化して、町民の健康に生かしていきたいです。一つひとつていねいに結果を出すことが、20年後、30年後に大きな変化になっていればうれしいですね。

※この取材は2010年に行ったものです。