看護学科

OB・OGからのメッセージ

札幌医科大学附属病院 勤務 (札幌市)

加藤 貴子 さん

【2019年卒業】

今の仕事内容は?

循環器内科に勤務し、入院患者さんの看護を行っています。入院中は何気ない会話から患者さんの不安に寄り添うことを心がけ、退院後も安心して生活できるよう、患者さん本人だけでなくご家族の支援も大切にしたいと思っています。

学生時代の学びで仕事に役立っていることは?

看護師になって4年目ですが、まだまだ疑問も多く勉強の日々。大学で学んだ資料を引っ張り出して調べることもあります。学生時代は覚えることに必死でしたが、大学の学びが今、実践している看護と結びついていることを実感しており、さらに学びを深めたいと思うようになりました。

今後の目標は

もっと学びを深め、キャリアアップを図るために大学院への進学を考えています。医療大の先生方には、卒業後も相談に乗っていただき、心強い限りです。今までの経験を生かして、さらに大学院で学びを深め、より良い看護師をめざします。

※この取材は2022年に行ったものです。

訪問看護さくらステーション 管理者 (札幌市)

桜庭 良輔 さん

【2014年卒業】

今の仕事内容は?

急性期病院で6年ほど看護師を務めたのち、現在は訪問看護さくらステーションの管理者として働いています。看護師や利用者様ののスケジュール管理・連絡調整、職場環境作りなど管理業務だけでなく、看護師として利用者様にも接しています。

仕事のやりがいは

利用者様のご自宅に伺い、在宅で生活を続けていけるようさまざまな支援を考え、試行錯誤するのが醍醐味。いろいろな方の人生にふれることができるので、自分の思慮や人間力が自然と深まっていくのを感じるところが、この仕事の魅力です。

今後の目標は?

今年、目標のひとつとしていた、母校である医療大の実習生の受け入れを実現することができました。医療大は卒業生とのかかわりを大切にしてくれる大学だと思います。今後は、ステーション同士の繋がりを深め、もっと大きな枠組みの中での活動や地域への貢献ができるようになればと考えています。

※この取材は2022年に行ったものです。

医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院 勤務 (札幌市)

宮田 ことみ さん

【2019年卒業】

大学で得た知識が互いに結びついて、看護がますます楽しくなっています。

外科と内科の混合病棟に勤務しています。入院中だけでなく退院後の生活も見据えた看護を、患者さんの気持ちに寄り添いながら実践する患者支援に力を注いでいます。安全、正確な看護技術のために、確認を怠らないこと、自分で調べてわからないことは医師や薬剤師など他職種にもためらわずに質問することを心がけています。人をサポートすることに喜びを感じるわたしにとって、患者さんの回復に向かう姿を見られることが仕事のいちばんの魅力です。人間の生命力を目の当たりにする度、わたしももっと頑張ろうと思います。大学は課題も実習も多く大変でしたが、現場に出て、すべてに意味があったと実感しました。学んだことがつながり、先生の言葉の意味がより深く理解でき、そこから新たな発見があり、看護はどんどん楽しくなっています。

※この取材は2021年に行ったものです。

JA北海道厚生連札幌厚生病院 勤務 (札幌市)

木村 夢実 さん

【2018年卒業】

「木村さんみたいな看護師さんになりたい!」。患者さんの言葉は宝物です。

子どもに関わる職業に就きたくて、最初は保育士を考えましたが、病気で辛い思いをしている子どもや家族がいることを知り、一番の味方になろうと看護師をめざしました。希望が叶って、現在は混合病棟の小児科・放射線科チームの一員として勤務しています。小児科の患者さんに「辛い時に一緒にいてくれてありがとう。将来、木村さんみたいな看護師さんになりたい!」とうれしい言葉をいただきました。患者さんと家族の思いをくみ取る看護の実践、知識と技術のアップデートを心がけながら子どもに関わり続け、将来は乳児院で子どもや親の一番の味方になるのが夢です。大学ではアメフト部とアルバイト、勉強を両立させました。そこで得られたタフなメンタルと、ON/OFFのメリハリをつけ時間を有効に使う生活スタイルも、社会に出てからとても役立っています。

※この取材は2021年に行ったものです。

北海道医療大学地域包括ケアセンター 訪問看護ステーション 勤務 (札幌市)

出良 美香 さん

【2004年卒業】

手術室、病棟勤務で経験を積み、訪問看護へ。思いに寄り添う看護の原点を大切にしています。

大学の実習で興味をもって以来、「いつかは訪問看護」と思っていました。現在、訪問看護2年目です。病院と違い、訪問先には近くに先輩や医師はおらず、緊急体制や医療機器、すぐ参照できるデータ類もありません。約1時間の訪問で、1人で情報を集めて判断し処置するため、問診、聴診、視診、触診からケアを考察する確かなフィジカルアセスメント能力と幅広い疾病の知識が求められます。異常を見逃してはならないという責任は重く、緊張しますが、利用者さんの話にじっくり耳を傾けて生活の場で行う支援には、一般的な看護のイメージの枠を超えた面白さ、やりがいがあります。結婚・出産を経て、時にはパートの勤務形態もとりながらも、柔軟に、かつ向上心をもって働くことができ、看護師になって本当によかったと思っています。

※この取材は2020年に行ったものです。

札幌市西区保健福祉部健康・子ども課 勤務 (札幌市)

長井 貴宏 さん

【2012年卒業】

男性保健師として地域の健康を守る、やりがいの大きい一生ものの仕事です。

札幌市に勤務する約300名の保健師のうち男性は私を含め8名とまだまだ少数派ではありますが、男性である強みを生かして仕事をしています。主な業務は、母子手帳の発行、母親教室、新生児訪問、乳幼児健診などです。学校と連携し思春期の児童や保護者を対象にタバコの害や性に関する健康教育を行ったり、町内会などに出向いて成年の方への保健指導も行います。個別ケース支援ではさまざまな関係機関と連携し、対象者との信頼関係を築けるよう研鑽を積みながら業務に励んでいます。さらに、担当地域の健康を守るのが保健師の重要な仕事。集めたデータを分析して健康課題を見つけ、より効果的な解決方法を考え、予防の観点から健康増進に働きかけることができることが、この仕事の魅力であり日々やりがいを感じています。

※この取材は2020年に行ったものです。

紋別保健所 勤務 (紋別市)

道傳 みなみ さん

【2014年卒業】

看護実習でみつけたやりたいこと、「生活者の視点での支援」がいまの仕事です。

保健師へ進路を決めたのは大学での実習中です。体が思うように動かなくなった難病患者さんと退院後の生活について話している時、入院前のように楽器演奏や畑仕事を楽しみたいという思いを「患者さん」ではなく「生活者」の視点で支援したいと感じました。その後の授業で難病患者の支援は北海道の保健師が担当していることを知り、北海道の採用試験に臨みました。現在は難病患者、精神障がい者、結核患者を中心に家庭訪問をしています。じっくり耳を傾け、その方の人生観や価値観に触れながらよりよい生活を探る個別支援は、まさにやりたかった仕事です。転勤がありますが、どの土地でも地域の産業・文化を知ることを楽しみ、そこで暮らす生活者の視点を持つことを忘れずに、そして、支援の現場でも「対等な立場を忘れない」をモットーにしています。

※この取材は2019年に行ったものです。
※2022年度入学生から保健師コースは大学院カリキュラムに移行します。学部では受験資格を得られません。

エマオ訪問看護ステーション 所長 (浦河町)

野島 弘基 さん

【2009年卒業、2017年大学院修士課程修了】

大学院で学ぶことで深めた看護観を、地域全体の健康に生かしていきたい。

所長であると同時に、専任の訪問看護師です。急性期病院から訪問看護への転職を機に、大学院のナースプラクティショナー(NP)養成課程で学びました。NPは気管切開・胃ろうのチューブ交換などの特定行為や、医師の指導の下、一定範囲で検査項目や薬剤の選定もする、より自律した看護師です。治療方針立案にも積極的に関わり、1人の利用者さんに1回約1時間、じっくりと時間をかけられる訪問看護師ならではの視点から、医師に積極的に提案しています。自らの判断と責任の範囲が広いだけに厳しさもありますが、やりがいは断然大きくなりました。次のステップでは、病気の有無に応じた「予防」の観点から、訪問看護も含めた地域全体の健康に寄与する仕組みづくりなど、NPとしてできることをさらに追求したいと思います。

※この取材は2019年に行ったものです。

医療法人東札幌病院 看護部 勤務 (札幌市)

大谷 友花 さん

【2013年卒業】

人は病床にあっても「幸せ」を感じられるから。患者さんがよりよく生きるための看護を実践します。

きっかけはかわいい憧れ。

「私もナース服を着たい!」。小学生の頃に見たテレビドラマがきっかけでした。そんな子どもっぽい憧れから始まり、途中で少し迷いもしましたが、看護師を選んでよかった、身を投じる価値ある職業だと心から思います。

東札幌病院は北海道で初めて緩和ケア病棟の承認を受け、全国的にもその先がけとして知られ、人生の最期までその人らしく生きる、クオリティ・オブ・ライフ(QOL/生活の質)を尊重するケアの精神が病院の隅々にまで貫かれています。私はこのケアの精神に大きく共感し、就職の第一志望にしました。大学の授業でがん患者の多さを知って衝撃を受け、臨地実習でその辛さを目の当たりにし、がん看護、緩和ケア、QOLは私が看護を考えるキーワードになっていたのです。この病院で緩和ケアを受けて穏やかな最期を迎えた親戚がいたことも影響したのかもしれません。

勤務しているのは、がん、糖尿病、難病など様々な病気の患者さんが入院する一般病棟です。まだ2年目ですが、QOLを考えた看護の実践をめざして、できる限りベッドサイドに出向き患者さんのお気持ちを伺うことを心がけています。

重症患者さんの「幸せだ」。

「あー、幸せだ!」。重い症状の患者さんの背中を温かいタオルで拭いているときに頂いた言葉です。そして「これは患者になってみないとわからないぞ。いつもありがとう」と続きました。患者さんはその後亡くなりましたが、その時の患者さんの生きていることへの感謝、私たち医療スタッフへの気持ちがぎゅっと詰まっているようで、胸がいっぱいになりました。病棟の日常の1コマ、何げない清拭の場面でしたが、患者さんにとってどれほど大切な時間であるか、その重みを決して忘れてはいけないと心に誓いました。病気であっても「幸せだ」と言える、人の心の強さ、しなやかさを患者さんに教えてもらった出来事でもありました。

患者さんが「幸せ」を感じられる瞬間をたくさん作り、「あなたがそばにいてくれてよかった」と思ってもらえる看護師をめざします。

※この取材は2014年に行ったものです。

医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院 看護部 勤務 (札幌市)

西村 希美 さん

【2009年卒業】

人生の大きな出来事に温かく寄り添い、患者さんの生きる力を引き出す看護師でありたいです。

この病棟で実習生から看護師へ。

私が勤務するのは当院11病棟「泌尿器・腎センター」(泌尿器科、腎臓内科、循環器内科の病棟)、大学在学中に成人看護学実習を行った病棟です。実習生として膀胱全摘出・ストーマ(人工膀胱)造設の患者さんを手術後2日目から受け持ちました。看護師の仕事の重みと素晴らしさが現実的な手応えとして得られた場所だったことから、就職活動ではここを第一志望とし、いまがあります。

11病棟には、道内でいち早く導入されたロボット支援による前立腺全摘出をはじめとした手術、抗がん剤治療、透析療法など様々な治療を受ける患者さんが入院しています。看護師の役割は周手術期ケアや、透析療法で入院された患者さんとご家族の生活支援などで、「病気であってもできるだけその人らしい生活が送れるようにすること」をめざし、患者さんがもっている力に着目した看護を実践しています。何でもしてあげたい気持ちを抑えて、見守り、励まし、いたわり、必要な支援をし、患者さんご自身の力を引き出すようにしています。そのために私は、患者さんに寄り添い、信頼関係を築くことを日々大切にしています。

育てる喜びがわかるように。

3年目後半からはリーダー業務も行っています。チームメンバーと共に病棟内の患者さん一人ひとりの看護を考えることが大切な役割になっています。また、新人看護師や中途採用看護師の支援もしています。かつて私が指導した新卒看護師がいまは後輩を指導するようになりました。「頼もしくなったなあ」と思うとき、親や先生、先輩の気持ちが少しわかる気がします。

看護師1年目はリアリティショックを受けるかもしれません。でも、それを乗り越えたところに力を尽くす価値のある世界が見えてきます。病棟で仕事をしていると、患者さんの身体的な痛みのコントロールは薬でできますが、心の痛みには近くにいる看護師の存在が深く関わることがわかります。その人らしい生活に影響するという責任を考えるとき、背筋がすっと伸び、だからこそ看護師は素晴らしい職業であると感じることができます。

※この取材は2013年に行ったものです。

市立札幌病院 看護部 勤務 (札幌市)

美濃 智世 さん

【2008年卒業】

国内トップレベルの腎臓移植実績を支える誇り。それに見合うハイレベルな看護をめざして。

腎移植の先端で。

腎臓移植で知られるこの病院に就職が決まったとき、「いつか関わることができたら」とは思いましたが、振り返ると4年以上、まさにその最前線にいました。

私が勤務しているのは、泌尿器科、腎臓移植外科の手術患者さんのための病棟です。術前・術後のケアはもちろんですが、もっとも大きな仕事は退院支援です。腎臓移植を受けた方、膀胱摘出でストーマ(人工膀胱)使用となった方は、退院後の生活の質が自己管理に左右されますから、入院中の限られた時間の中で、その大切さを伝え理解を促し、方法を指導します。

腎臓移植では、透析から解放される方、一時的に透析に戻る方、手術前に不適合がわかり抗体を取り除く透析を受ける方など、実に様々なケースがあります。成功の大きな喜びに水を差すように様々なリスクを説明しなければならないこと、期待に反して強い拒絶反応が出た患者さんのメンタル面も含めたケアなど、気遣いが必要な場面もたくさんです。もちろん、ドナー(提供者)、レシピエント(移植を受ける患者さん)双方への適切なアドバイスのために最新情報の収集、勉強は欠かせません。

病棟で描く「退院後」。

ストーマの場合、スポーツをする方用、目の悪い方用など様々な種類が揃っており、その中から患者さんのライフスタイルに合う製品を選んで提案することも私の役割です。ストーマは一生自分の体の一部として管理が必要になりますが、高齢の患者さんが多いため、ご家族への指導を行うことも多いです。それができない場合は、訪問看護につなぎます。どの場面においても患者さんの退院後の生活を具体的にイメージできなければ適切なアドバイスはできませんので、入院期間中に患者さんの生活についてどれだけ多くの情報を集められるかが看護師の腕の見せ所ともいえそうです。

つねに目の前の患者さんの退院後の生活が頭にあるからか、最近、地域に出て患者さんの生活と直に関わる看護、訪問看護にも興味が湧いてきています。

※この取材は2012年に行ったものです。

社会医療法人 恵佑会札幌病院 勤務 (札幌市)

吉澤 由季子 さん

【2010年卒業】

新人でもベテランでもない、少しだけ余裕ができたいまを大切に過ごしたい。

1年目、不安とドキドキ。

消化器内科専門、45床の病棟に勤務しています。主に、早期の食道がん、胃がん、大腸がん、肝・胆・膵がんの内視鏡治療、放射線・抗がん剤治療、胃・大腸のポリープ切除の患者さんが入院しています。

就職して1年は、覚悟はあっても「命に関わる」プレッシャーに耐えられるか不安もありましたし、初めての夜勤では患者さんの容態が急変したらどうしようとドキドキで、無我夢中に過ぎました。

その中で実感したのは基本の大切さです。例えば、大学で早くに教わる病室・ベッド周りの整頓。ベッドの脚のキャスターは内側に向けストッパーをかけるのが基本で、もし、外側に出ていたら忙しくても後回しにせず、すぐに直さなければなりません。健康な時には避けられるし、たとえつまづいても大事には至らないでしょうが、患者さんの場合は転倒事故、骨折につながることが現実にあるからです。小さなことをおざなりにしない。これが看護の質の根本だと実感しています。

2年目、自分磨き開始。

私は看護師として「まず、患者さんを見る」を心がけていますが、気づいたことがあります。私たちが患者さんを見ているように患者さんも看護師を見ているんです。こちらの不調は隠してもすぐに見抜かれます。そこで、心身ともに元気でいようと、2年目に入ってスポーツジムや料理教室に通い始めました。時には患者さんから不安や苦痛など感情をぶつけられることもありますが、それを受けとめることも看護の仕事、逆に表に出ない患者さんの思いを引き出すのも看護の技術ですから、私自身が余裕ある状態でいたいと思っています。

もう一つ、仕事の流れがつかめるようになって後輩の指導もない2年目は、勉強するのにいい時期です。ですから、資料・文献と病棟で見る実際の症例を対比させながら、自分なりに勉強を進めています。

※この取材は2010年に行ったものです。