言語聴覚療法学科
OB・OGからのメッセージ
深川市役所 深川市療育センター 勤務 (深川市)
佐藤 えみり さん
【2020年卒業】
言語聴覚士を目指したきっかけは?
幼少の頃から子どもが好きで、幼稚園や学校の先生に憧れていました。高校時代に言語聴覚士という職業を知り、その仕事を通して子どもと関われたらと。子ども一人ひとりと向き合えるのがいいと思い、個別療育であるこの職場を選びました。
今の仕事内容は?
市民福祉部健康・子ども課療育支援係に所属し、深川市と周辺4町の未就学児を対象とした療育を行っています。ことばや心身の発達、発音などに何らかの心配や遅れがあるお子さんに対して、一人ひとりの成長段階に合わせた支援を行っています。
今後の目標は?
子どもが楽しみながら成長できる発達支援を行うのはもちろんのこと、保護者の方から安心して不安なことを相談していただけるよう、たくさんの知識と経験を積むことが目標です。また、いつかは医療現場でも働いてみたいと思っています。
※この取材は2022年に行ったものです。
いわてリハビリテーションセンター 機能回復療法部 勤務 (岩手県)
水野 亮太郎 さん
【2018年卒業】
患者さんの喜びを励みに、新しいことにも挑戦していきたいです。
私の地元・岩手県にあるリハビリテーション医療の中核病院で、摂食嚥下障害や失語症のリハビリテーションを担当しています。普段大切にしているのは、患者さんとスタッフである前に、一人のひととしてどう関係と信頼を築くかということです。リハビリテーションは、患者さんにとって難しいことに取り組んでもらうもの。どんな方でもストレスがたまります。表情などを細かく見ながら声をかけたり、一人の時間をつくってあげたり、二人三脚でリハビリテーションに励んでいます。「水野さんだからリハビリを続けられた」と言ってもらった時は、とてもうれしかったです。今後は言語聴覚士の経験をもとに、言葉と教育を絡めることはできないかと思案中。患者さんのために、社会のために、新しいことに挑戦していきたいと考えています。
※この取材は2021年に行ったものです。
ことのは発達相談室 代表 (江別市)
川岸 尚史 さん
【2013年卒業】
必要な支援を、必要な子に。起業して、児童デイサービス2店舗を経営しています。
専門は小児・児童分野です。発達支援センター勤務時代に同僚と理想の療育を熱く語り合ううち、それをかたちにしたいという気持ちが膨らみ、大きな決断をして共同経営で起業しました。2020年4月に1店舗目、1年後には近隣に2店舗目をオープンしました。各1日10名定員の児童デイサービスで発達障害や構音・きつ音障害、難聴などの支援を行っています。専門的個別支援のため、スタッフには言語聴覚士のほか理学療法士、保育士、児童指導員、心理士など多様な専門職を揃えています。保護者同伴の「親子通所」を基本としていることも大きな特徴です。開業して、地域に必要とする人が多くいる施設であることを強く感じました。必要とする子ども誰もが、身近な場所で専門職の支援を受けられる地域づくりに、自分にできることの全てで貢献したいと考えています。
※この取材は2021年に行ったものです。
北海道社会福祉事業団 太陽の園 登別市児童デイサービスセンター (登別市)
※現北海道医療大学リハビリテーション科学部言語聴覚療法学科 助教
辻村 礼央奈 さん
【2013年卒業】
スペシャリストとジェネラリストを兼ね備えた言語聴覚士をめざして。
当センターは、発達に心配がある子どもたちに全体的な発育を促すため、小集団活動などの発達支援を行っています。言語聴覚士は言葉やコミュニケーションに関する相談に応じているほか、保育所や小学校に訪問して先生方と情報を交換し合うなどの連携も行っています。私が大切にしているのは保護者との信頼関係。それは子どもの成長のカギにもなります。思いに耳を傾け、受け止める。保護者に「この人なら話したい」と思ってもらえる雰囲気づくりを心掛けています。めざすは、親子の日常的な悩みに対応し、専門分野以外でも相談に乗れるスペシャリストとジェネラリストを兼ね備えた言語聴覚士。そのために専門知識の向上はもちろん、大学でも学んだ多職種との出会いや意見交換の場を大事にしていきたいです。
※この取材は2020年に行ったものです。
医療法人ひまわり会 札樽病院リハビリテーション部 (小樽市)
木村 元俊 さん
【2019年卒業】
人を笑顔にするには、まず自分から。患者さんの喜ぶ顔に幸せを感じます。
急性期から慢性期までを担うリハビリテーション病院の回復期病棟で、患者さんの退院後の生活に向けた嚥下訓練や言葉のリハビリテ―ションを担当しています。リハビリテーションは患者さんにとって難しいことに取り組んでもらうもの。消極的な表情をする方もいますが、できるだけ楽しく取り組めるよう、まずは自分が笑顔でいることを心掛けています。一人の患者さんには、医師をはじめ、多くの専門職がチームとして関わります。患者さんが食べやすい姿勢、使いやすい道具など、自分の分野だけでは解決できません。どの職種がどんな視点で関わっているか知ることは、より良いリハビリテーションの提供に繋がります。それを学生のうちから学べたことはとても良かったと実感しています。
※この取材は2020年に行ったものです。
医療法人喬成会 花川病院 勤務 (石狩市)
門間 恵 さん
【2018年卒業】
医療大での学びが、いまのチーム医療に生きています。
リハビリテーション病院の言語聴覚士(ST)として、摂食嚥下リハビリテーションや失語症、高次脳機能障害のリハビリテーションを担当しています。STは患者さんと話す時間が多い職種。治療のことから雑談まで患者さんとたくさんの言葉を交わし、そこから本音をすくいあげてチームの方針に生かすようにしています。普段はSTチームのほか、医師、看護師、理学療法士、作業療法士などとチームを組んでおり、特に「食べる」に密接する栄養士とは一緒に患者さんを回ることも多くあります。1年目から他の医療職に理解を持って仕事に取り組めたのは、医療大での学びのおかげ。大学の仲間とはいまも仕事の悩みを話し合ったり、情報交換したりしています。卒業しても、ありがたい存在です。
※この取材は2019年に行ったものです。
医療法人 札幌麻生脳神経外科病院 勤務 (札幌市)
荒岡 信貴 さん
【2011年卒業】
安心と信頼をより高めるために。認定資格をめざし、日々研鑽中。
脳卒中ケアユニット、回復期病棟、地域包括ケア病棟を有する病院で、主に言語障害やけが、病気による脳の損傷が引き起こす高次脳機能障害などの患者さんへのリハビリテーションを担当しています。脳血管障害の患者さんは発症後、生活が一変する方がほとんどで、ご本人やご家族の不安は計り知れません。不安に耳を傾け、自分のできることを伝えたうえで回復への道筋をお話しし、希望を持ってともに訓練に取り組みます。機能が回復し、笑顔で退院される姿は感動もひとしおです。いまめざしているのは、失語や高次脳機能障害の認定資格。職場の仲間はもちろん、学生時代の仲間とも情報交換をしながら、患者さんに質の高いリハビリテーションを提供するため研鑽を積んでいます。
※この取材は2019年に行ったものです。
柏葉脳神経外科病院 リハビリテーション科 勤務 (札幌市)
清水 拓矢 さん
【2009年卒業】
急な発症で変わった人生、回復が望めない症状、どの患者様にも、人対人のつながりで向き合います。
6年目、役割も責任も重く
1日10人前後の患者様の言葉や嚥下(えんげ:飲み込み)の訓練を行うほか、2つに分かれる急性期病棟の一方のST(言語聴覚士)リーダーとしてSTが関わる患者さんすべての状況を把握し、週2回の病棟総回診にも参加しています。5年目からは新人教育、6年目の今年からは実習生の指導にも携わっています。
リハビリは他職種と連携してチームで最高の結果をめざします。各患者様のリハビリ期間やゴールはPT(理学療法士)、OT(作業療法士)と共に考えますし、STでも必要があれば歩行練習をしたり、音楽療法士と組むこともあります。また、STの仕事は訓練だけではありません。私が担当する病棟には急性期(発症直後)治療後の患者さん、パーキンソン病など神経疾患や脳腫瘍等の患者様が入院していますが、なかには治療やリハビリで一時的な回復は望めても病状進行は止められない場合もあります。その場合、最初は「口から食べ、意思疎通もできる」期間を最大限延ばすよう嚥下や言語面の維持を中心に訓練しますが、最終的には「体が硬くなるのを防ぎ、少しでも楽に呼吸ができること」が私たちSTにも目標となります。リハビリができない状態になっても、最期までSTも力を尽くします。
「人」を診る
「病気ではなく人を診る」ことをモットーにしています。生活環境、性格、病棟での様子などあらゆる面から患者様を理解し、STの専門分野に偏らずに患者様の生活の質を考えます。多くの患者様が何かしら障害を残した状態で退院しますから、退院後の生活もイメージします。
脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血等の症状の総称)は一日にして人生を大きく変えてしまう病気です。患者様は大きな不安と共に入院生活を送らなければなりません。もし自分だったら、もし自分の家族だったらと、その辛さを思い、心の声に耳を傾けるよう努めています。当院が重んじる「心と体のリハビリテーション」の実践者として、患者様が「できることは全てやっている」と、人生に前向きになれるよう支援するセラピストでありたいと思います。
※この取材は2014年に行ったものです。
医療法人鉄蕉会 亀田総合病院 リハビリテーション室 勤務 (千葉県)
森 美琴子 さん
【2009年卒業】
STのSは、スマイルのS!患者様の笑顔のために、私も笑顔で頑張ります。
注目を集める巨大な病院で。
亀田総合病院は、患者満足度向上を徹底させ、医療関係者だけでなくビジネス界からも注目される925床、32診療科をもつ大規模な病院です。リハビリテーション事業管理部は140人の大所帯で、私の所属するリハビリテーション室はST(言語聴覚士)9名とPT(理学療法士)、OT(作業療法士)、合計50人以上のリハビリスタッフで発症急性期患者様に対応しています。私は主に救命救急科や脳神経外科の患者様に失語症や高次脳機能障害のことばのリハビリ、その他疾患の嚥下(食べ物を飲み込むこと)の評価、訓練を行っています。2011年の東日本大震災ではいち早く被災した方を受け入れ、私たちリハビリスタッフも搬送からリハビリまで、様々な場面で災害時医療を体験しました。
1日1スマイルゲット!
STとしてまだ3年目ですが、忘れられないケースばかりです。その一つが気管切開、人工呼吸器使用になった患者様のケース。夏の夜空に開く花火を見せてあげたいと医師、看護師があらゆる方法を検討し、患者様は私の担当する発声練習でも毎回楽しそうに花火を話題にしていました。「花火」は患者様を中心にしたチームの合言葉のようになりました。結果的に他の疾患もあり、患者様は花火を見ることなく亡くなりましたが、このときチームの一員だったPT(理学療法士)から教わったのが「急性期はその日その時の患者様の最大を引き出してあげることが大切。先を見つつ、でもそのときの最大を!」でした。
前頭葉の手術によりことば、表情の全てを失った患者様が、訓練を経て初めて声を出せた瞬間、初めて笑った瞬間など大きな感動、患者様のちょっとした変化など日々の小さな感動、STの仕事は難しいけれど、よかったと思える瞬間に満ちています。
STのSはスマイルのS!その日その時を大切に、私が笑顔を絶やさず、患者様から1日1スマイルゲット!をめざします。
※この取材は2011年に行ったものです。