103-172A
103-172
(答 4)
解説
設問より
CLtot = CLh (肝でのみ消失する薬物)・・・①
薬物:経口投与
CLh ≒ Qh、Eh > 0.7 (薬物の肝での消失は血流律速)・・・②
肝固有クリアランスが2倍になる:CLint,h’ = 2CLint,h・・・③
重要公式
CLh = Qh・Eh = Qh・f・CLint,h /(Qh + f・CLint,h)(well-stirred modelに基づく)・・・④
CLtot = ke・Vd、t1/2 = 0.693 / ke・・・⑤
重要な基礎知識
Qh = 1.5 L/min = 90 L/h (よく使われるQhの値)・・・⑥
②、⑥より、Qh = 1.5、Eh = 0.7とすると
④より、f・CLint,h = 3.5となる。
③より、CLint,h’ = 2CLint,h = 7 とすると、
④より、Eh' = f・CLint,h /(Qh + f・CLint,h) = 0.82・・・⑦
Eh(0.7→0.82)が増加すると、体内に取り込まれる薬物量は低下するのでCmaxは低下する(1,2,5,6は選択肢から脱落)。
①、④、⑤、⑥より、CLtot = CLh = Qh・Eh = 1.5 ✖ 0.7 = 1.05 L/h = ke・Vd、よって、t1/2 = 0.693・Vd / 1.05
肝固有クリアランスが2倍となった時は、⑦より
CLtot' = CLh' = Qh・Eh' = 1.5 ✖ 0.82 = 1.23 L/h = ke'・Vd、
よって、t1/2’ = 0.693・Vd / 1.23 = t1/2 ・ 1.05 / 1.23
なので、t1/2’ はこの場合わずかに短縮(17%)するが、延長はしない。
よって、3が除外される。