102-168A
102-168A
102-168(答 5:心拍出量が減少したうっ血性心不全の患者では、健常人に比べ、プロプラノロールの全身クリアランスが低下する。)
解説
重要な基礎知識
プロプラノロールやリドカインは、肝血流依存型の薬剤であり、CLh ≒ Qh (E>0.7) となる。
1 (誤)キニジンはCYP2D6阻害薬であり、主に肝代謝される薬物である(20%程度はOATを介して尿細管分泌される)。よって、大部分が未変化体のまま排泄されることはないし、肝障害の影響も受ける。
2 (誤)α1-酸性糖タンパク質は心筋梗塞時に増えるため、遊離型薬物の低下はジソピラミドの全身クリアランスの低下につながる。
3 (誤)ジルチアゼムは肝代謝型(主にCYP3A4)薬物であり、腎臓からの未変化体の排泄率が高くない。よって、腎障害の影響は受けにくい。
4 (誤)プロカインアミドは尿細管分泌されるが、有機カチオントランスポーターで輸送される。よって、カチオン性薬剤のシメチジンによる尿細管分泌阻害は全身クリアランスが低下させるが、アニオン性薬剤のプロベネシドは影響を与えない。
5 (正)うっ血性心不全による心拍出量の減少は、肝代謝型薬物で肝血流速型薬物であるプロプラノロールの全身クリアランス(CLtot = CLh ≒ Qh)を低下させる。