101-167A
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(答 2:組織成分との結合が強い薬物の分布容積は総体液量を超えることがある。)
(答 4:組織中非結合形分率に対する血漿中非結合形分率の比が大きい薬物ほど分布容積は大きい。)
解説
重要な基礎知識
薬物は体内では、遊離型薬物と結合型薬物(アルブミンなどのタンパクに結合)して存在する。
遊離型薬物のみが膜透過して組織へ移行する(低分子、脂溶性、分子型が移行しやすい)。
体液、組織においても薬物は遊離型薬物と結合型薬物して存在するが、遊離型の比率は組織に応じて異なる。
分布容積 大=組織移行 大
分布容積の大きい薬物は組織における結合が大きい。
α1 - 酸性糖タンパク質は高齢者、心筋梗塞、クローン病、関節リウマチ、外傷、手術、炎症性疾患で増加する。
選択肢
(誤)組織移行性の大きい薬物の分布容積は血漿容積を超える値となる(①②④)。
(正)組織成分との結合が強い薬物の分布容積は総体液量を超えることがある(①④⑤)。
(誤)血漿中と組織中の非結合形分率は異なる(①③)。
(正)組織中非結合形分率に対する血漿中非結合形分率の比が大きい=組織におけるタンパク結合が大きい=遊離型薬物が膜透過して組織に移行すると組織にトラップされる=薬物ほど分布容積は大きい(③⑤)。
(誤)炎症性疾患時にはα1 - 酸性糖タンパク質の血漿中濃度が増加する。そのため、塩基性薬物の血漿中非結合形分率が低下し、分布容積は低下する(①②⑥)。