ユネスコスクール

ユネスコスクールへの正式加盟が承認されました

 

本校は、平成30年6月から令和元年5月までをチャレンジ期間とするユネスコスクール加盟申請に応募しました。令和元年6月にはチャレンジ期間終了が認められ、文部科学省の認可を得たうえ、ユネスコ本部に本加盟申請を行ったものです。令和4年11月にユネスコ本部においてユネスコスクール加盟が正式に承認され、令和4年11月25日付けで文部科学省から通知がありましたのでお知らせします。なお、鳥取県の高等学校では初の加盟となります。

1 経緯

(1)本校は、平成30年6月から令和元年5月までをチャレンジ期間とするユネスコスクール加盟申請に応募しました。令和元年6月にはチャレンジ期間終了が認められ、文部科学省の認可を得たうえ、ユネスコ本部に本加盟申請を行ったものです。

(2)ユネスコスクールは、ユネスコ憲章に示されたユネスコ理念を実現するため国際理解教育やESD(持続可能な開発のための教育)を推進し、学校間のネットワークを活用し、各種の交流を通じて、情報や体験を分かち合う教育活動です。地球規模の諸問題に若者が対処できるような教育内容の発展を目指しています。本校では、ユネスコスクール加盟によって、既存の教育活動を発展すると同時に、ユネスコスクールの持つネットワークや活動に参加できるようにする目的で応募しました。今後は、ユネスコ教材を用いたESD教育や、国内外の学校との交流、各種海外交流プログラムへの参加をより一層進めることができます。

2 ユネスコスクールに係る本校の主な取組

 (1)ESDに関する取組

・研修プログラムの実施

 鳥取県に存在する温泉や銅鉱・ウラン鉱といった地下資源の光と影について探究する取組。汚染水や残土などの廃棄物の処理や問題対処,あり方について人形峠や湯梨浜町などを訪問するフィールド研修を実施した。また、鳥取市佐治町を対象地域として過疎地域でのグリーンツーリズムやドローン配送等の地域づくりについて学ぶ研修を実施した。

 県外においても、西表島における海洋ゴミやマングローブの調査や、大分県における伝統的工芸品の継承に関する調査を行う研修プログラムを実施した。

・防災教育の推進

   地域の防災・減災について、関係機関と連携して災害に強い街づくりを目指す取組を実施している。特に課題研究を通じて防災・減災の課題を追究する学び,地域でにおける避難や訓練のあり方の模索,自助・共助の意識と行動力を身に付けられる力の育成に取り組んでいる。本年度は、学校安全総合支援事業に取り組み、「世界津波の日2022高校生サミットin新潟」「多賀城高等学校等の東北被災地訪問」を実施した。

・課題研究の実施

   グループや個人単位で、個人の関心に基づく社会的なテーマ探究に取り組む課題研究を行い、中間発表会や成果発表会を実施し、高校生の将来展望を開くととともに、持続可能な社会づくりに貢献する意欲や能力を養う機会としている。

・ESDの推進拠点

   課題研究や研修プログラムの成果発表を校外に向けて実施することにより、本校の取組を地域に発信し、関係機関と連携しながら、ESD活動が発展するよう取り組んできた。

 スーパーサイエンスハイスクール(SSH)、スーパーグローバルハイスクール(SGH)・ネットワーク参加校、三菱みらい育成財団助成プログラム実施校として、それぞれの事業を相互に補完し、トータルとして相乗効果が上がるような取組を実施している。

(2)国際理解教育に関する取組

・バーモント州の高校との学術交流であるSTEM教育発表会等を通して、グローバル課題の解決に取り組む。

・コロナ禍においては、棚田や森林・生物環境といった地元の自然環境を生かしたフィールドワークに加えて、ハワイ州の教育機関と連携した海外オンライン研修を実施し、持続可能な生態系や自然環境と人間との相互関係に対する理解を深めた。

・WWL(ワールドワイドラーニング)コンソーシアム構築支援事業の拠点である広島大学のコンソーシアム協力校として、世界の様々な地域の諸課題を学ぶオンライン授業に参加している。

(3)その他の取組

・「協調的・探究的な学び」による授業の実践

   ESDに関係する様々な教科の授業において、問題の解決に向けて相互に意見を交わし思考を深める過程で、一つひとつの知識が結びついて新しい知識を獲得し、その経験の積み重ねの中で確かな知識や技能を習得し、主体的に深く学ぶ態度を身につけさせる授業を実践している。

・自然科学部や人文科学部の充実

   生物、物理、情報、グローバル等のグループに分かれて部活動に取り組んでおり、関係分野の学会・研究会で成果を発表したり、科学オリンピックをはじめとする様々なコンテストにも参加し日本代表として国際大会に出場したりするなど優秀な成績を収めている。

参考

〇ユネスコ憲章(抜粋)

   第1条 目的及び任務

1 この機関の目的は、国際連合憲章が世界の諸人民に対して人種、性、言語又は宗教の差別なく確認している正義、法の支配、人権及び基本的自由に対する普遍的な尊重を助長するために教育、科学及び文化を通じて諸国民の間の協力を促進することによって、平和及び安全に貢献することである。

2 この目的を実現するために、この機関は、次のことを行う。

(a)大衆通報(マス・コミュニケーション)のあらゆる方法を通じて諸人民が相互に知り且つ理解することを促進する仕事に協力すること並びにこの目的で言語及び表象による思想の自由な交流を促進するために必要な国際協定を勧告すること。

(b)次のようにして一般の教育と文化の普及とに新しい刺激を与えること。

   加盟国の要請によって教育事業の発展のためにその国と協力すること。

人種、性又は経済的若しくは社会的な差別にかかわらない教育の機会均等の理想を進めるために、諸国民の間における協力の関係をつくること。

自由の責任に対して世界の児童を準備させるのに最も適した教育方法を示唆すること。

(c)次のようにして知識を維持し、増進し、且つ、普及すること。

世界の遺産である図書、芸術作品並びに歴史及び科学の記念物の保存及び保護を確保し、且つ、関係諸国民に対して必要な国際条約を勧告すること。

教育、科学及び文化の分野で活動している人々との国際的交換並びに出版物、芸術的及び科学的に意義のある物その他の参考資料の交換を含む知的活動のすべての部門における諸国民の間の協力を奨励すること。

いずれの国で作成された印刷物及び刊行物でもすべての国の人民が利用できるようにする国際協力の方法を発案すること。

3 この機関の加盟国の文化及び教育制度の独立、統一性及び実りの多い多様性を維持するために、この機関は、加盟国の国内管轄権に本質的に属する事項に干渉することを禁止される。

〇ユネスコスクールの目的と活動テーマ

① ユネスコ憲章と国連憲章に通ずる理念として、基本的人権、人間の尊厳、ジェンダー平等、社会的進歩、自由、公正、民主主義、多様性の尊重、国際的な連携などを推進すること。

② ユネスコの任務である教育・文化・科学・コミュニケーションの分野における平和のための国際協力に資する「アイディアの実験室」として、組織や人材の能力開発と政策やモデルの構築に貢献するために、国際間・地域間協力を進めること。

③ 斬新で創造的な教育手法を開拓し、グローバルな概念を学校レベルの実践に落とし込んで実験的機能を果たすことにより、教育制度や政策の変化を促すこと。

④ 国際ネットワークの一員として、同じような志を持つ世界中の学校と知見を共有し、パートナーシップを育むこと。

⑤ 国際社会の構成員であるという意識を持ち、持続可能な開発目標(SDGs)の達成

に貢献すること。特に、SDGsの目標4(教育)に関連して、以下のテーマに重点的   に取り組むこと。

▷地球市民および平和と非暴力の文化

▷持続可能な開発および持続可能なライフスタイル

▷異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重

〇ユネスコスクール加盟のメリット

① 国内外の学校間交流・連携の活性化

② ユネスコが主催する国際会議やプロジェクトへの参加

③ 教育実践に関する最新の教材や情報の入手

④ 国内のユネスコスクール対象の研修会等への参加

⑤ ユネスコスクールサポーターズからの活動支援や指導助言

⑥ 国内および国際的な加盟校専用ポータルサイトでの情報発信や交流

⑦ ユネスコスクールロゴの使用