いじめは、いじめを受けた生徒の教育を受ける権利を侵害し、心身の健全な成長及び人格の形成に影響を与えるだけでなく、生命や身体に重大な危険を生じさせるものである。
本基本方針は高知県及び須崎市のいじめ防止基本方針に基づき、本校の実情に応じて、いじめ防止等のための対策に関する基本的な方針を定めるものである。
「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。(いじめ防止対策推進法第2条)
子どもは人と人とのかかわり合いの中で、自己の特性や可能性を認識し、また、他者の長所等を発見する。互いを認め合い、だれもが安心して生活できる場であれば、温かい人間関係の中で自己実現を目指して伸び伸びと生活できる。しかし、ひとたび生活の場に、他者を排除するような雰囲気が形成されれば、その場は居場所としての機能を失い、いじめを発生させる要因ともなりかねない。
児童生徒にとって、いじめはその健やかな成長への阻害要因となるだけでなく、将来に向けた希望を失わせるなど、深刻な影響を与えるものとの認識に立つ必要がある。
個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的にすることなく、いじめられた生徒の立場に立つことが必要である。
この際、いじめには、多様な対応があることに鑑み、法の対象となるいじめに該当するか否かを判断するに当たり、「心身の苦痛を感じているもの」との要件が限定して解釈されることがないよう努めることが必要である。例えばいじめられていても、本人がそれを否定する場合が多々あることを踏まえ、当該生徒の表情や様子をきめ細かく観察するなどして確認する必要がある。
なお、いじめの認知は、特定の教職員のみによることなく、校内いじめ対策委員会で行う。
また、「物理的な影響」とは、身体的な影響のほか、金品をたかられたり、隠されたり、嫌なことを無理矢理させられたりすることなどを意味する。
けんかやふざけ合いであっても見えない所で被害が発生している場合もあるため、背景にある事情の調査を行い、生徒の感じる被害性に着目し、いじめに該当するか否かを判断するものとする。
例えばインターネット上で悪口を書かれた生徒がいたが、該当生徒がそのことを知らずにいるような場合など、行為の対象となる生徒本人が心身の苦痛を感じるに至っていないケースについても、加害行為を行った生徒に対する指導等については法の趣旨を踏まえた適切な対応が必要である。
加えて、いじめられた生徒の立場に立って、いじめに当たると判断した場合にも、その全てが厳しい指導を要する場合であるとは限らない。例えば、好意から行った行為が意図せずに相手側の生徒に心身の苦痛を感じさせてしまったような場合、軽い言葉で相手を傷つけたが、すぐに加害者が謝罪し教員の指導によらずして良好な関係を再び築くことができた場合等においては、「いじめ」という言葉を使わず指導するなど、柔軟な対応による対処も可能である。ただし、これらの場合であっても、法が定義するいじめに該当するため、事案を学校いじめ対策委員会で情報共有することは必要となる。
「いじめ」の中には、犯罪行為として取り扱われるべきと認められ、早期に警察に相談することが重要なものや、生徒の生命、身体又は財産に重要な被害が生じるような、直ちに警察に通報することが必要なものが含まれる。これらについては、教育的な配慮や被害者の意向への配慮のうえで、早期に警察に相談・通用の上、警察と連携した対応をとることが必要である。
ア.いじめは、いじめる側の問題であるという共通理解を図ること
イ.教育相談活動の充実と全教育活動を通した積極的生徒指導の展開を図ること
ウ.家庭・地域・関係諸機関との連携を深めること
②教職員として
ア.いじめを見抜く感性を磨くこと
イ.不安や悩みを受容する姿勢をもつこと
ウ.教師と生徒の信頼関係に基づいた授業実践を通して「自信」と「やる気」を引き出す授業に努めること
エ.学校に心の居場所づくりに努めること
オ.一人一人の心の理解に努めること
カ.いじめは許さないという学級・学校風土をつくること
キ.互いに個性を認め合う仲間づくりや学級経営に努めること
ク.いじめを受けた生徒を最後まで守ること
ケ.教師間で連携・協力して問題の解決に当たること
コ.生徒や保護者からの声に誠実に応えること
このようなインターネット上のいじめの特質等を踏まえ、生徒に対して、インターネット上のいじめが重大な人権侵害にあたり、被害者等に深刻な傷を与えかねない行為であることを理解させる取組を行うとともに、インターネット上のいじめを防止し、かつ効果的に対処ができるよう、生徒に対する情報モラル教育を行う。
そこで、生徒が安心して過ごせ、夢や志、自信がもてる学校づくりを実現するため、授業をはじめとするすべての教育活動の中に、生徒指導の三機能(自己決定の場を与える、自己存在感を与える、共感的人間関係を育てる)の視点を位置付けた取組を推進し、組織的な生徒指導と学校経営の改善を図る。
そのためには、教育的な活動を通して障がいに対する理解を周囲に促すとともに、障がいのある生徒だけでなく、すべての生徒が互いの特性を理解し合い、助け合ってともに伸びていこうとする学級集団づくりを行う。
また、障がいのある生徒に対して、一人一人の教育的ニーズに応じた効果的な支援や指導を行うために、個別の指導計画を作成する等、早期からの支援体制をいっそう整備するとともに、支援引き継ぎシート等を活用した引き継ぎを行う。
年に1回以上、いじめに対する認知力・対応力向上を図るための校内研修を実施する。また、スクールカウンセラー等を活用し、教職員のカウンセリング能力等の向上を図る。
一次対応(緊急対応)
①いじめの事実関係を正確に把握する。
②いじめられた生徒の安全を確保するとともに、全面的な支援(心のケア)を行う。
③校長及び関係職員、保護者に把握した事実と今後の対応を伝える。
二次対応(短期対応)
④保護者や関係機関等と連携を図りながら、いじめられた児童生徒を支援する体制を整える。
三次対応(長期対応)
⑥いじめられた児童生徒の学級及び集団への適応を促進する。
《いじめた生徒への対応》
一次対応(緊急対応)
①いじめの事実と経過を、複数の教師で確認する。
②校長、関係職員及び保護者に把握した事実関係を正確に伝える。
二次対応(短期対応)
③いじめの態様等により指導方針を立案し、職員間の共通理解を図る。
三次対応(長期対応)
④人権意識の育成や人間関係づくりの改善に向けて継続的に指導する。
4月 生徒支援と理解のための職員会議
スクールカウンセラーとの面接
5月 学校生活アンケート(1回目)の実施(アンケートをもとにした個人面談の実施)
構成的グループエンカウンターの実施①
6月 Q‐U実施(1回目)及び分析
7月 教育相談週間(二者面談)の実施①
生徒支援と理解のための職員会議①
8月 いじめに関する校内研修会
10月 構成的グループエンカウンターの実施②
12月 学校生活アンケート(2回目)の実施(アンケートをもとにした個人面談の実施)
Q‐U実施(2回目)及び分析
教育相談週間(二者面談)の実施②
学校評価アンケートの実施
生徒支援と理解のための職員会議②
1月 構成的グループエンカウンターの実施③
3月 生徒支援と理解のための職員会議③
(年間を通して)
◇生徒理解・生徒対応(企画委員会、校内支援委員会)
◇教育相談(スクールカウンセラー)