水産ビジネス 情報解析
研究分野の紹介
せり風景 小浜の市場で
持続可能な水産業を確立するためには、生産技術の向上に加えて、儲かる産業である必要があります。水産ビジネス・情報解析分野では、持続可能な水産業のあり方を提案するため、社会科学と情報科学の視点から、以下の研究を中心に行います。
1. 水産ビジネス
世界の人口が今後ますます増加していく中で、特に開発途上国においてはタンパク源としての水産物への需要が非常に高まっています。実際に、漁船漁業の漁獲量は1980年代以降には頭うちであり、養殖水産物に熱いまなざしが注がれています。
また,今日の水産物貿易は、1体1というのは少なく、漁獲された国・地域からはるか離れた場所で、消費者に届くまで再加工・再貿易などが何度か行われています。これは開発途上国も先進国をも巻き込むグローバルな展開です。
こうした状況の中で、漁船漁業が対象とする天然水産物を持続的に利用するのはもちろんのこと、養殖水産物を作り・育てる技術だけでなく、校正な価格や適切なルートで水産物を必要とする世界中の人々に販売することはとても重要になっています。
近年、養殖現場では、養魚尾数の管理、給餌料の最適化など生産管理の分野で、ICT・IoT活用したスマート技術が導入されてきています。水産業全体においても、漁場予測による効率的な漁場探索、産地市場の電子化による省力化など、コスト削減や業務の効率化のため、ICT・IoTなどの新技術が活用されています。
しかしながら、このような新技術によって得られる膨大な水産情報を、私たちは有効活用しているとは言えません。
私たちは、生産現場~流通~卸・加工・小売~販売~消費に至る水産業システムから得られる情報をフル活用し、社会科学と情報科学の視点から、持続可能で儲かる水産業のあり方を提案する研究を行っていきます。
予定している卒業研究のテーマなど
1. 水産ビジネス
水産物の国際的な分業を含む生産・流通・消費をつなぐフードシステム
ふくいのブランド水産物のマーケティング戦略
水産物の持続可能な利用のための取り組み
養殖水産業と漁船漁業を統合した新しい漁業管理
新手法(海洋レーダー、魚群探知機、環境DNA)を用いた資源把握・漁場推定技術の開発
福井県ズワイガニ資源の有効活用に向けた意思決定ツールの開発
沿岸資源変動と海洋環境変動との関係解明
福井・敦賀新幹線開通後の福井県の水産流通構造の解析
福井県養殖魚(マハタ、かき類)の効果的な販売促進に関する研究