五月祭2025『地惑、わくわく』は地球惑星物理学科・地球惑星環境学科の2学科が合同で行っている展示です。
このページでは、似ているようで違ってもいる2つの学科を、共通点と相違点に着目しながら、より深く探ってみましょう。
地球惑星物理学科はその名の通り、地球や惑星を物理で理解する学科です。
ベースに使う学問は物理学で、数式を使い理論を理解する機会・パソコンでプログラムを書く機会が比較的多いのが特徴です。とはいえ授業で丁寧に教えてもらえるので、心配は要りません。
地球惑星物理学と訊くとなんだか聞き馴染みがないかもしれませんが、皆さんの身近なところでは天気予報や地震速報が活躍しています。一方で、南極や太陽、何光年先もの惑星系を研究の舞台とする先生もいます。
地球惑星物理学科は1学年32名からなり理科1類からの進学が約7割を占めます。学科が正式決定した直後の2年生後期~3年生前期では物理学科・天文学科と基礎的な物理を勉強し、3年生後期からは地球惑星科学に特化した授業が多くなります。ただ、履修(授業選択)に関して他に類を見ないほど融通が利くため、興味に応じた授業を取ることができます。
3年夏休みに行われる観測実習(選択制)での観測の様子。いくつかの班に分かれて観測を行うが、この班では八丈島から東京に戻る客船(橘丸)に乗船し、海洋観測を行っている。ここで取ったデータを解析しこれまでのデータと比較することで、黒潮の動きについて知見を得ることを目的としている。環境学科と比べると学科として設けられているフィールドワークの機会は全部で2回のみと少ないが、長期休暇に実施される環境学科の巡検は地物からも参加することができる。
地球惑星環境学科は、地球や惑星を実証的に理解する学科です。
地球惑星科学の理論を学んだ上で、フィールドワークや実習・演習を通して実際の自然と向き合いながら理解することを学習の軸としています。
フィールドワークを通した野外での観察に加え、野外で取った試料の分析や画像データの解析など、「実物」に基づいた多角的なアプローチを行い、地球の活動や生態系、生命進化や太陽系の起源など、「地球」「惑星」「環境」に関する多くの問いに挑みます。
地球惑星環境学科は1学年20名で、主に理科一類と理科二類からの進学が多いですが、文系から進学する人も一定数います。2年生後期に地球惑星科学の基礎知識について学び、3年生から顕微鏡や化学分析などの実習や野外巡検が始まります。
学科の人数が多くなく、泊まりの行事が多いため、自然とメンバーの中が深まりやすいです。
3年生になる4月の初めに行う野外巡検の様子。去年は房総半島の中部~南部にかけての地質観察を行い、過去の房総地域の環境やプレート運動についての知識を深めた。
環境学科ではこのような泊まりの巡見だけでなく、化学実習のために小石川植物園の水を採集するなど、室内実習のために屋外へ試料やデータを取りにいく場合もある。
いくつかの野外巡検は必修となっているが、学科からの補助も出るため、学生の交通費負担は少なく抑えられている。