2025.3.20News
新原 道信 編著 『 惑星社会のフィールドワーク 内なる惑星とコミュニティに“出会う”』を刊行
新原 道信 編著 『 惑星社会のフィールドワーク 内なる惑星とコミュニティに“出会う”』を刊行
私たちはいまどこにいるのか?
人間の活動は惑星地球に影響を与えるところにまで拡大し、社会の力は身心の内奥にまで侵入し、人間の内的な変化が起こっている。
私たちはいま、「成長し続ける」という処方箋の限界を受け容れ、人間の活動の境界線を定義し直す必要に迫られている。
イタリアの社会学者メルッチは、今日の社会の「拡がり」を「惑星社会」として展望し、この社会の問題の「深まり」を、身体の操作と“痛み/傷み/悼み”の問題として捉え直した。
本書は、この「社会の病」の根本と向き合う途上で夭逝したメルッチの遺志を引き継ぎ、ただ存在するという理由のみによって静かに尊重されるコミュニティをめざしフィールドワークを試みた。
■主要目次
序章 限界と向き合う〈エピステモロジー/メソドロジー/デイリーワーク〉
第Ⅰ部 〈惑星社会/内なる惑星〉という“フィールド”
第1章 〈内なる惑星〉 ―資源であり限界と可能性でもある―
第2章 〈身体〉 ―境界線の束であり境界領域でもある―
第Ⅱ部 〈内なる惑星〉に“出会う”
第3章 メルッチに“出会う”
第4章 “境界領域”としての生殖-再生産(reproduction)
第5章 〈異質なる身体〉が発する声と存在を聴く
第6章 障害者雇用の現場で〈異質なる身体〉に“出会う”
第7章 「身体に耳を傾ける」ことの体得とその契機
第8章 惑星社会をはだしで歩く
第Ⅲ部 コミュニティに“出会う”
第9章 “コミュニティ研究”から“惑星社会のフィールドワーク”へ
第10章 「晴れ女」の祭り
第11章 フィールドワークの“創造力”
付論 記憶のなかの公設市場
終章 身体・地・時間
■執筆者紹介
<執筆者> (執筆順)
新原 道信 (にいはら みちのぶ) 研究員 中央大学文学部教授
アルベルト・メルッチ (Alberto Melucci) ミラノ大学政治科学部教授(2001年在職中に夭逝)
鈴木 将平 (すずき しょうへい) 客員研究員 国立国際医療研究センター特任研究員
利根川 健 (とねがわ たけし) 準研究員 中央大学大学院文学研究科博士課程後期課程
竹川 章博 (たけかわ あきひろ) 客員研究員 ランスタッド株式会人事本部採用担当
栗原 美紀 (くりはら みき) 客員研究員 共愛学園前橋国際大学国際社会学部専任講師
鈴木 鉄忠 (すずき てつただ) 客員研究員 東洋大学国際学部教授
阪口 毅 (さかぐち たけし) 客員研究員 立教大学コミュニティ福祉学部准教授
大谷 晃 (おおたに あきら) 客員研究員 社会構想大学院大学実務教育研究科助教
史 涵 (し かん) 準研究員 中央大学大学院文学研究科博士課程後期課程
石岡 丈昇 (いしおか とものり) 客員研究員 日本大学文理学部教授
<翻訳者>
新原 道信 (にいはら みちのぶ) 前出