2025.3.31News
只木 誠 著 『 臨死介助および承諾についての比較法的考察』を刊行
只木 誠 著 『 臨死介助および承諾についての比較法的考察』を刊行
生命倫理と法の問題をめぐっては喫緊の課題が多くあるなか、近時、「死を迎えること」にかかる人間の自律、尊厳について深い議論が展開されている。
本書は、そのなか、特に臨死介助の場面にかかる「患者の承諾」と「自殺幇助」について、ドイツにおける理論、実務、立法の状況を比較法的見地から紹介し、翻って、わが国の議論状況を整理し、検討したものである。
いまや、わが国においても公然と語られつつある「死ぬ権利」の問題など、現代社会における死にまつわる個人の選択、承諾と決定のあり方を、広く法の視点から問うている。
■主要目次
第1章 刑法における自律
―Gunner Duttge「刑法における自律の限界づけによる自律の保護」の論稿の検討を通じて─
第2章 臨死介助・治療中止・自殺幇助と「自己決定」をめぐる近時の理論状況
第3章 臨死介助協会と自殺援助処罰法 ―ドイツおよびスイスの現状―
第4章 終末期医療における患者の承諾と自律
第5章 医療における患者の自律と承諾能力
第6章 医療行為に関する,とりわけ高齢患者の承諾能力
第7章 未成年者の承諾
■執筆者紹介
<著者紹介>
只木 誠(ただき まこと)
1956年生まれ 1981年中央大学法学部卒業
中央大学法学部教授,日本比較法研究所所員
<主な著書>
「医療行為に関する,とりわけ高齢患者の承諾能力」共編『長井圓先生古稀記念論文集』(信山社,2017 年)
『終末期医療,安楽死・尊厳死に関する総合的研究』(中央大学出版部,2021 年)
「『二重評価』について」佐伯仁志・大澤裕・髙山佳奈子・橋爪隆編『山口厚先生古稀祝賀論文集』(有斐閣,2023 年)
「ドイツにおける自殺援助規制の現状」共編『甲斐克則先生古稀祝賀論文集[下巻]』(成文堂,2024 年)