ワークデザインは,様々なシステムを設計や問題解決するための創造的技法です。
他の創造技法との違いは,問題解決するに際して「その目的は何か?」を追求し,明確化することにあります。
そのため,手段と目的を取り違えることな問題解決することが出来ます。
2. 目的(機能)展開
「その目的は何か?」をあきらかにするために,「目的展開」という手法を用います。
目的展開は,解決したい課題に関して個別具体的な問題を手がかりにして,「その目的は?」と追求していく方法です。
手がかりにするものを「手がかりシステム」といいます。
以下に「目的展開の例を示します。
ここで,「S0: 子どもの学習」のように手がかりになる事柄を「手がかりシステム」といいます。
本当は,「九九を覚える」,「ひらがなを覚える」などのようにもっと個別具体的なものが好ましいのですが,考え方の例として「子どもの学習」を取り上げました。
『「子どもが学校で学習をする」のは何のためか?』と自問自答します。その結果「基本的な知識,体力,人間関係の素養を身につける」としました。人によって別の答えが出てくるかも知れません。その人の立場,目的意識などによって異なってきます。答えは一つではありません。
このように次々に,その目的は?と上の図のように問い続けていきます。
F0, F1, F2,・・・のようなそれぞれの段階を「目的レベル」といいます。添え字の数値が大きい程「上位の目的レベル」といいます。
それぞれの目的レベルは「~を~する」の形にします。これは,つねに他者に対して自分が何を出来るかを考えるためです。
最後は「全ての人々を将来に亘って幸せにする」で締めくくります。表現は自由に変えてかまいませんが,社会的にどのように寄与するかがはっきりするところまで目的展開を進めることが大切です。
目的展開が完成したら,解決したい課題はどの目的レベルであるかを決めます。この目的レベルを「設定目標レベル」といいます。
設定目標レベルが決まったら,それに対して様々な方法を用いて解決案を考えます。
解決案を提案するためには,様々な「発想法」と呼ばれる技法が用いられています。
学生向けに書いた入門書です。
ワークデザイン関係の学会です。全国大会の他に隔月で研究会を開催しています。